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歴史本の山を崩せ

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歴史本に関するレビューです
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記事一覧

【歴史本の山を崩せ#045】『日本のいちばん長い日』星野之宣

≪終戦ドキュメンタリーのコミカライズ≫ これまで2回、実写映画化。 終戦ドキュメンタリーの…

鉄仙斎
3日前

【歴史本の山を崩せ#044】『東条英機』一ノ瀬俊也

≪戦前日本最大のヒールから学ぶべきことは≫ 歴史上にはヒール(悪役)というイメージが強い…

鉄仙斎
9日前
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【歴史本の山を崩せ#043】増補『文明史の中の明治憲法』瀧井一博

≪「憲法」とは何か。明治憲法のイメージが変わる≫ 明治日本は押し寄せる西洋文明の波に遭遇…

鉄仙斎
13日前
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【歴史本の山を崩せ#042】『原敬』清水唯一朗

≪平民宰相の足跡をたどる評伝≫ 本書の著者が明治以降、大衆的な人気がある政治家として挙げ…

鉄仙斎
1か月前

【歴史本の山を崩せ#041】『元老』伊藤之雄

≪大日本帝国を動かした真の権力者たち≫ 昭和初期頃までの日本で総理大臣が辞職するたびに天…

鉄仙斎
1か月前

【歴史本の山を崩せ#040】『聖断』半藤一利

≪終戦を成し遂げた鬼貫太郎の歴史ドキュメンタリー≫ 主人公は鈴木貫太郎。 鈴木は海軍軍人…

鉄仙斎
1か月前

【歴史本の山を崩せ#039】『未完のファシズム』片山杜秀

≪「持たざる国」はファシズムにもなれなかった≫ 第一次世界大戦以降、国家間の戦争は総力戦体制と変化しました。 資源、労働力といったリソースの寡多が勝敗を決する決定的な要因となる。 大戦後、大国のひとつに数えられるようになっても、島国・日本はそういったリソースを「持たざる国」でした。 「持たざる国」が「持てる国」と対峙していくにはどうしたらよいのか? そのひとつの解として現れたのが、日本民族の不屈の精神があれば大国相手であろうとも倒すことが出来るという、神がかり的な精神至上主

【歴史本の山を崩せ#038】『日本のいちばん長い日 決定版』半藤一利

≪終戦ドキュメンタリーの定番書≫ オリジナル版の初版は1965年。 当初は営業上の理由からジ…

鉄仙斎
2か月前
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【歴史本の山を崩せ#037】『関ケ原合戦と石田三成』矢部健太郎

≪秀吉が目指した支配秩序がもたらした合戦≫ 敗者の立場から日本史を読み直そうという吉川弘…

鉄仙斎
2か月前

【歴史本の山を崩せ#036】『世説新語』井波律子(訳注)

≪井波解説が白眉の世説新語全訳≫ 『世説新語』は後漢末から東晋期の貴族・人士たちの逸話集…

鉄仙斎
2か月前
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【歴史本の山を崩せ#035】『諡 天皇の呼び名』野村朋弘

≪呼び名に「光」をまとう天皇出現の意味は?≫ 諡(おくりな)とは死後に送られる名前のこと…

鉄仙斎
2か月前
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【歴史本の山を崩せ#034】『実録三国志』于涛

≪中国人研究者による三国志前伝≫1800年も前の異国の歴史なのに日本人が大好きな三国志。 令…

鉄仙斎
3か月前
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【歴史本の山を崩せ#033】『劉備と諸葛亮』柿沼陽平

≪カネを切り口に語る三国志は成功したか?≫ 副題はカネ勘定の『三国志』。 中国貨幣史など…

鉄仙斎
3か月前
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【歴史本の山を崩せ#019】『田中角栄』早野透

《田中角栄を間近で見続けた番記者による評伝》 戦後日本を代表する政治家の名を挙げろと言われれば田中角栄を挙げる人は少なくないのではないでしょうか。 数年前も石原慎太郎による評伝『天才』をはじめ、出版業界ではちょっとした「角栄ブーム」が起こっていました。 こういうブームに便乗した本は、粗製乱造されたものも少なくなく玉石混交となりがちですが、この本はブーム以前に書かれたもの。 中公新書ということもあり、手堅く比較的手軽に読める評伝に仕上がっています。 角栄の番記者だった著者が直