マガジンのカバー画像

歴史本の山を崩せ

46
歴史本に関するレビューです
運営しているクリエイター

#日本近代史

【歴史本の山を崩せ#046】『木戸幸一』川口稔

《戦前戦中の日本政治史に宮中サイドの視点を加えた通史》 戦中期の宮中で政治的にもっとも重…

鉄仙斎
4か月前
3

【歴史本の山を崩せ#045】『日本のいちばん長い日』星野之宣

≪終戦ドキュメンタリーのコミカライズ≫ これまで2回、実写映画化。 終戦ドキュメンタリーの…

鉄仙斎
5か月前

【歴史本の山を崩せ#044】『東条英機』一ノ瀬俊也

≪戦前日本最大のヒールから学ぶべきことは≫ 歴史上にはヒール(悪役)というイメージが強い…

鉄仙斎
5か月前
4

【歴史本の山を崩せ#043】増補『文明史の中の明治憲法』瀧井一博

≪「憲法」とは何か。明治憲法のイメージが変わる≫ 明治日本は押し寄せる西洋文明の波に遭遇…

鉄仙斎
5か月前
3

【歴史本の山を崩せ#042】『原敬』清水唯一朗

≪平民宰相の足跡をたどる評伝≫ 本書の著者が明治以降、大衆的な人気がある政治家として挙げ…

鉄仙斎
6か月前

【歴史本の山を崩せ#041】『元老』伊藤之雄

≪大日本帝国を動かした真の権力者たち≫ 昭和初期頃までの日本で総理大臣が辞職するたびに天…

鉄仙斎
7か月前

【歴史本の山を崩せ#040】『聖断』半藤一利

≪終戦を成し遂げた鬼貫太郎の歴史ドキュメンタリー≫ 主人公は鈴木貫太郎。 鈴木は海軍軍人として日清・日露戦争に参加、「鬼貫太郎」として勇名を馳せました。 『老子』を愛読し、政治に関わることを嫌いながら、天皇に対する忠誠は至誠そのもの。 侍従長として昭和天皇に仕え絶大な信頼を得る。 その後、内閣総理大臣としてアジア太平洋戦争終結の大役を果たした人物です。 学校の教科書で知っているだけだと、茫洋とした村夫子のような風貌と降伏した総理大臣としての弱弱しいという印象を持っているかも

【歴史本の山を崩せ#039】『未完のファシズム』片山杜秀

≪「持たざる国」はファシズムにもなれなかった≫ 第一次世界大戦以降、国家間の戦争は総力戦…

鉄仙斎
7か月前
4

【歴史本の山を崩せ#038】『日本のいちばん長い日 決定版』半藤一利

≪終戦ドキュメンタリーの定番書≫ オリジナル版の初版は1965年。 当初は営業上の理由からジ…

鉄仙斎
7か月前
3

【歴史本の山を崩せ#009】『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子

《明治からアジア太平洋戦争までのスパンで読みとく日本と戦争の近代史》日本近代史をテーマと…

鉄仙斎
2年前
2

【歴史本の山を崩せ#012】『昭和恐慌と経済政策』中村隆英

《経済政策の失敗と政局がもたらした「戦前」》 著書の中村隆英さんは『昭和史』で大佛次郎賞…

鉄仙斎
2年前
1

【歴史本の山を崩せ#006】『大日本帝国最後の4か月』迫水久常

ポツダム宣言を受諾して連合国に降伏。 アジア太平洋戦争を集結させた鈴木貫太郎内閣の内閣書…

鉄仙斎
2年前
1

【歴史本の山を崩せ#014】『枢密院』望月雅士

《ヴェールに包まれた「奥の院」を概観する》 枢密院と聞くとなんだかSF映画などに出てくる悪…

鉄仙斎
2年前

【歴史本の山を崩せ#013】『治安維持法』中澤俊輔

《「稀代の悪法」の歴史を読み直す》 戦前の言論統制の象徴。 「稀代の悪法」と名高いのが治安維持法です。 この法律を作ったのが護憲三派と呼ばれた政党内閣である加藤高明内閣。 普通選挙法を成立させた内閣がなぜ、同時に政党政治を自縛しかねない法律を作ったのか。 学校の授業では「アメ(普通選挙法)とムチ(治安維持法)」と説明されたかもしれません。 確かにそういった面もありますが、それだけで説明できるほど単純ではないのが歴史というものです。 立場の違う憲政会と政友会という政党勢力