竹本健人

初めまして。絵を描いています。 神戸を拠点に活動する美術集団、ポウに所属させて頂いてお…

竹本健人

初めまして。絵を描いています。 神戸を拠点に活動する美術集団、ポウに所属させて頂いております HP://pouten.com/artist/kento-takemoto/ インスタグラム:https://www.instagram.com/kento_takemoto/

最近の記事

春、思う頃。

その中学校には平凡な中庭がある。 及川洋介は、授業中、中庭をずっと見ていた。男性教師が必死に黒板に何かを書いている。字が汚いのと、及川は視力が弱いので何を書いているのかよく見えない。と言うよりも興味がない。そんな事より中庭が大変なのである。 及川洋介、海原公立中学校に通う中学3年生の男子生徒である。中学入学の時、成長期だからと、両親が少し大きめの制服を買ってくれた。ぶかぶかだった。及川はそれが嫌だった。しかし、しばらくするとあまり気にならなくなった。周りもぶかぶかだからだ

    • ブレイクファーストはご自由に。

      pm7:45 中年の男は般若水を飲みながら、テレビの天気予報をみていた。 歳、同じ頃の女がおつまみをこさえて食卓に持ってきた。 「有り難う」と男は言うと、女はテレビを観ながら 「明日は大雨ですって、下田さんち法要があるんじゃないの?」と 言ってきた。 一 心一(二のまえ心一)男の名前だ。福徳寺と言うお寺の住職をしている。お坊さんらしく丸坊主だ。加齢もあるだろうが、もう一生毛は生えてこないだろう。しかし、やや細身で背は180cmはある。 お坊さんじゃなければちょっ

      • 日常生活

        2021.10.14 タバコを吸いたいの、箱から一本取り出して火を付けようとしたらね、 何か乗ってるの。何かと思えば、小人だったわ。その小人さんはね、 オカリナを吹いていたわ。「いい音色ね」と私が言うと、ありがとうと 言わんばかりの笑顔を見せたわ。でもね、これじゃタバコが吸えないわ。 だって火を付けたら、小人さんがいずれおしりに火傷して落っこちゃうじゃない、、、。 それでね、お願いしたの。 「小人さん、ちょっとそこをどいてくれませんか」ってね。 そしてらね、小

        • マリーの日記

          2021.10.12 晴れ 例えばね、マグロの赤身あるでしょ? あれをね、ひたいにのせて寝るの、、、。でね、 なんだかやわらかくて、冷んやりしていて、気持ちいいの。でもね 臭いの。だって生魚ですから、、、。それでね眠りに落ちるの。 そしてらね、こんな夢を見たわ。札束の代わりにマグロの切り身で ほっぺたを往復ビンタされる夢。その人は男だったわ、マフィアみたい。 でね、こう言うの、オイ、これがいいんだろ?と、すごく怖かったわ。 そしてね、その赤身を口に突っ込まれた

        春、思う頃。

          子供の頃、チーターになりたかった。

          子供の頃、チーターになりたかった。

          国家機密(極秘)

          2021.6.12 ヒマダ、ラインキライ、ウナギマルノミシタイ キオスクイキタイ、リョコウイキタイ、ヨウキヒスキ、カネホシイ            by陳

          国家機密(極秘)

          夜中の静寂、涼しい空気

          親指が、にんにく臭い。 何度洗っても臭いは取れない。臭い、臭い、臭い、臭い、臭い、臭い、 臭い、臭い、臭い。 今は、涼しくて気持ちがいい。僕は、夜中にアイスコーヒーを飲みながら 一服している時間が何よりのストレス解消なんです。今、その最中。 なのにニンニク臭い。 いや、別に良いんです。大した事じゃないから! このまま一生、においが取れなかったらどうしよう? 最後までお読み頂き有り難うございました。 どうぞよろしくお願い致します。

          夜中の静寂、涼しい空気

          ストイックラブ

          ポケットにはたこ焼きがたくさん入っている、女は無造作にポケットに手をっつっこみグチャグチャになったたこ焼きを取り出した。父の仇と声を荒らげドブネズミの様な医者にそれを口にねじ込んだ。顔にも塗りたくった。そして、見せかけのドクタースーツを剥ぎ取った。医者は必死で抵抗したが、ボディビルが趣味の女にはがいじめにされて歯がたたなかった。そして女はこう言い捨てて立ち去った。次は「お好み焼きだ」と。。。 伊集院麗子、女の名前だ。31歳。子供はいないがPTAの副会長をしている。朝食にニン

          ストイックラブ

          爽やかな生ぬるさの後で

          例えば、自動車教習所の教官に殺意を覚えた事はないだろうか? 僕はある。 夜中、明るめの薄暗さの中に僕はいた。母方の祖母の家の居間での事である。 祖母は7年前に他界している。特に用もないのだが空き家になっている家に来た。 おばあちゃんを感じたかったのかも知れない。 昼間、祖母の家に来る途中、骨董品屋で猿の置物を買った。 2千円だった。それをテレビの隣の棚に飾っていた。 僕は寝ようとして電気を消していた。布団を出すのは面倒なので雑魚寝をしようと、横になった。 寝よ

          爽やかな生ぬるさの後で