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竹美のホラー映画論

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ホラー映画について考えたこと、またそれに関連する作品の評をまとめました。
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#ホラー映画

竹美映画評98 加害性と悲劇性が交差する 『スケアリー・アパートメント』(”Malasa…

本当に映画を観る体力すら落ちて来ている気がする。ものすごく暑い。 とは言えなんか見ようと…

ホラー映画から見る現代社会④ 身体から脱走するSF、身体が追って来るホラー

昨今、同性カップルの子育てというトピックが日本でも目に入るようになってきた。 私は、自分…

ホラー映画から見る現代社会③ 弱者は「外」を恐れ「内」に籠る

ホラー映画で私がとても気に入っている部分は『隠しておきたいほど恐れている秘密』とその暴露…

竹美映画評96 韓国女幽霊映画と『エクソシスト』のマリアージュ 『너 또한 별이 되…

(ま、写真は月なんですけども…) 前回紹介した韓国映像資料院の2009年の季刊誌から見つけた…

ホラー映画から見る現代社会② みんなの『死者の書』を作り出すSNS

焚書事件に魅入られる元パヨク! 日本では『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染…

竹美映画評91 悪魔と神がアメリカを再生させる 『The Exorcist: Believer』(2023年…

映画は、異文化や相容れない人々の世界を覗き込み空想するための窓である。 宗教保守主義と自…

サム・スミスと悪魔映画の楽しみ方

日本では公開されてからラッセル・クロウの新しい当たり役としてファンの間で話題になっている『ヴァチカンのエクソシスト』は、インドでも10crルピー(1億ルピー=1億6000万円くらい)の売上を挙げ、まあまあのヒットだった模様。インドにおける今年のアメリカホラーの売上一位は『Evil dead rise』。以下のサイトによれば、最終的に31cr(つまり4億円くらいか)の売上になったらしい。いいねえ。 さて、今回は『ヴァチカンのエクソシスト』は、悪魔祓い映画としてどうなのか、とい

竹美映画評86 ヒステリーを起こしかけているアメリカ? 『フォーエバー・パージ』(…

今やホラー・スリラー映画のヒットメーカーであるブラムハウス社がライフワークのごとく続けて…

竹美映画評85 神経衰弱ぎりぎりの弱者たち『Bhoothakaalam』(2022年、インド(マラ…

(2023年6月23日:タイトル追記。観て直ぐ書いたので、何度か読み直すうちに、本作に出て来て…

家族ホラー2作品

『ホール・イン・ザ・グラウンド』と『The boogeyman』を続けて観た素敵な土曜日。ららら。本…

プロパガンダ映画とホラー映画の曖昧な境界

インドの状況を色々と考えていくうちに、私の中でも考え方がぐるぐると変わっていくのを感じる…

竹美映画評80 『Punnami Naagu(పున్నమి నాగు=満月のナーグ)』(1980年…

いつになったら読み終わるのか分からない本Mithuraj Dhusiyaの『Indian Horror Cinema』(2018…

竹美映画評78 やるせない田舎の村の記憶 『Virupaksha (విరూపాక్ష)』(202…

Virupakshaが日本で限定公開されたのを、日本のテルグ映画ファンが観て感想をアップしていた。…

竹美映画評66 父親たちの変異世界『ザ・ヴォイド 変異世界』("The Void"、2017年、カナダ)

前々から好き好き言っていたわりには本作のどういうところが好きなのか、長らく分からなかった。最初に観たのが英語字幕付き英語音声だったので、やっぱりどうしてもね、キーとなる設定を見落としたり聞き逃してしまったのだろう。他の人の感想を読むと、ふむふむと思うところがたくさんあり、それによって肉付けされたところが大きい。 ストーリーは、何とも言えず中二病的でもあり、男性(父親)ならではの病み方も感じられて興味深い。 警官ダニエルは田舎道に飛び出してきた若造を保護し、近くの病院に運び