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【サッカー解読記 byたけま】南葛SC vs 東京23FC /2022.7.2 関東リーグ1部前期8節

"感謝"

こんにちは!たけまです。


まずは前回のノートに対して、Twitter及びリアルで多くの感想をいただきましてありがとうございました!
嬉しかったです。

特に「わかりやすかった」との声を多くいただきました。

このnoteのコンセプトが、
「未経験者でも、よりサッカーを競技として楽しめるようになる」ことなので、

わかりやすさ、理解のしやすさはこれからも追求していきたいと思ってます!

※改めてですが、
あくまで一個人の意見です。
客観的に、誹謗中傷なしをモットーに書いております。

これが正解、不正解などありませんので、他の意見ありましたら是非教えていただきたいです!
そういう議論をするのもサッカーのひとつの楽しみ方です!


"人工芝"


さて、前置きは程々に、試合の所感を書かせていただきます。


まずは試合前のアップから観察。


・南葛SC

いつものように、南葛はボールを使ったウォーミングアップで技術を確かめながら、士気を高めていきます。

ひとつ改めて気になったのが、人工芝です。

前回私観戦したのが保土ヶ谷公園で天然芝だったのですが、
そのアップのときとボールの跳ね具合が違うことに気付きました。

人工芝はやはり天然芝よりも少し硬いし、乾燥しているので、ボールが跳ねやすいのではないでしょうか。

パスの距離が長くなるほど、その傾向は強まります。

南葛の選手は、保土ヶ谷のときと比べ、ボールをコントロールし直すことが多かったかなと見てて思いました。

人工芝の難しさは度々議論にあがることが多いですが、しっかりと特徴を理解した上で適応し、

相手に対してのアドバンテージにしていきたいですよね!


・東京23FC

久々の社会人チームとの対戦。

パッと見の印象、全員声を出すかなり元気のいいチームで、選手一覧を見ても南葛と比べてかなり若い。

https://tokyo23fc.jp/team/%e6%9d%b1%e4%ba%ac23fc_2022/

(※👆こちらで選手の年齢が一覧で見られます)


大学生チームと似たように若さと勢いでくるチームなのかなとは思いましたが、

試合を見ていくうちにその印象が間違っていたことに気付きます。
そちらに関しては後ほど書いていきます。

"誤算"


さて、昼間の夏の暑さが残る中、中川に沈む夕日を背にキックオフ。

先発には、久しぶりに#28布施周士選手が先発に入りました。


技術育成に定評のあるヴェルディユース出身で、テクニックを活かしたボールキープ、パス展開が特徴の選手です。

2022/7/2 vs 東京23FC 先発フォーメーション


森一哉監督の意図としてはおおまかに2つ。


ここ3戦で起用している4バックを継続し、守備を後ろから安定させる+サイドバック得意の長短のパスでビルドアップをしていく。

※ビルドアップ…後ろからパスを繋いで攻撃を組み立てる事


前線は、前回も良い連携を見せた#27長澤皓祐選手、#19玉城峻吾選手の細かいパスの連携に加え、#28布施周士選手や#7関口訓充選手のキープ力を活用してボールを前に運び、#16安羅修雅選手に繋げる

このあたりかなと思いました。
 


実際に開始3分ごろに、右サイドにて#28布施周士選手、#19玉城峻吾選手、#27長澤皓祐選手の細かいパスの連携からクロスが上がり、チャンスが生まれました。


このシーンは狙い通りの展開になったのではないかなと思います。


…そんなことを考えていたところ。
アクシデントが起きました。

左サイドでスローインを受ける際に#19玉城峻吾選手がピッチに倒れ込んでしまい、負傷。


そのままピッチを後にし、#41宮澤弘選手と交代。


この交代によって、前線と中盤以下をつなぐ役割を担っていた#19玉城峻吾選手が不在になり、徐々に選手の距離が長くなり、思うような連携しづらくなった印象があります。

玉城負傷後


南葛SCは、#27長澤皓祐選手や#16安羅修雅選手が出足の早い守備や動き出しが相手を翻弄していましたが、時間と共に徐々に相手も長所を披露し始めます。

"会話し続ける"


東京23FCは、選手間での意思疎通がうまくとれたチームでした。

何故かというと、選手もスタッフも常に「会話を絶やさない」。


その為の雰囲気づくりが、その場の勢いやテンションではなく、監督(小松祐己さん)を中心に意図的に行われていると感じました。


小松監督は、試合中ひたすらしゃべっている。ずっとしゃべって、叫んで、鼓舞している。そして選手もそれにつられるように、常に喋ってポジション、役割をしゃべりながら調整している。

ただのノリと勢いではなく、意図的に戦う姿勢を演じ、会話数を増やして、意思疎通する回数を増やすよう仕向ける。


勝手な妄想ですが、そんなマネジメントをされているのではないかなと思いました。

"縦横無尽"


さて、次に具体的にどういう意思疎通がされていたのか。

まず、東京23FCのフォーメーションは、上から見ている限り3-5-2でした。

(図1) 東京23FC フォーメーション

※3-5-2…ディフェンス(守る人。DF)3人、ミッドフィルダー(中盤。MF)5人、フォワード(攻める人。FW)2人。◯-◯-◯はそれぞれのポジションの人数。

そして、意思疎通ができていると感じたのは、シンプルに言うと、


「ほぼ全ての選手がポジション関係なく色んな場所に顔を出し、
空いたところは他の選手が埋める動きをする」


という部分でした。

(3-5-2が正解かわからないぐらい流動的でした)



長身の18番のフォワードの選手が体格を活かしてボールをキープして時間を作る間に、他の選手が背後のスペースにどんどん飛び出す。


真ん中の10番、6番、27番は縦横無尽に動き、シュートをチラつかせながら飛び出してくる選手にパスを供給していく。



守る側からすると、様々な選手が出てくると、誰が誰を担当するのか混乱しやすいです。



担当の受け渡しのコミュニケーションや指示が遅れると後手に回りピンチに陥るので、南葛からすると非常に厄介な攻撃でした。


そんな中我慢強く守れていたのは、ここ数試合で安定した守備を見せていた4バック(#6三原向平選手、#24加藤威吹樹選手、#5梶塚正哉選手、#29下平匠選手)の冷静な対処と、


相手の主要プレイヤーのいた左サイドを、早い出足で刈り取っていた#27長澤皓祐選手が踏ん張ってくれていたからだと思います。


"重い失点"


なんとか渡り合った前半が終了し、後半が開始されます。


始まって束の間、後半5分。

東京23FCの攻撃が炸裂します。


南葛自陣のバイタルエリア(サッカーにおいて一番チャンスが生まれやすいとされるエリア)で18番に渡り、ディフェンスを引きつけてスペースができたところに27番が飛び込んできて、ゴールにボールを蹴り込まれてしまいます。

南葛SC 0-1 東京23FC


このゴール、中盤の選手とセンターバック2人との守備担当の受け渡しづらさをついた、ファインゴールだったように感じます。


ここまで僅差で押し勝ってきた南葛SCにとって、この1失点は重く重くのしかかりました。

(図2) チャンスが最も生まれるとされるバイタルエリア


その後、なかなか攻撃で活路を見出せない南葛は、#7関口訓充選手と#29下平匠選手に替えて、
ドリブルでの突破力のある#17村越健太選手、それを支えるように背後に守備力のある#15今野泰幸選手を投入します。

南葛は距離感の問題が解決しない中、ロングボールで背後を狙う攻撃を繰り返します。



#41宮澤弘選手がDFに当たられながら一度チャンスを迎えましたが、身体をうまく寄せられてシュートは枠を外れました。


"徐々に堅くなる守備"


相手はこうなると失点しなければいいわけですから、守備時は重心が後ろにかかり、人数をかけてゴール前を固めていきます。

東京23FCが厄介だったのは、攻撃の手も緩めなかったところです。

社会人リーグだと、70分以降の体力勝負がかなりモノを言います。夏の暑さだと尚更です。


その中で相手は、激しさを落とさず仕掛けてきていました。

若く、タフ。守備が得意で運動量のある選手も投入し、逃げ切りをはかります。


"まだだ! 自分たちで試合時間を決めちゃいけない! 審判のフエがなるまでそれまでの最後の0.1秒までも試合では全力をつくすんだ!"
-大空翼


後半25分、#16安羅修雅選手と#28布施周士選手に替わって#3デイビッソン選手、#9岡田翔平選手が投入されました。


#9岡田翔平選手が前線に飛び出し、チャンスを作ります。
右サイドから上げたクロスは、惜しくも#41宮澤弘選手の頭に合いません。


これを機に圧力を強めたいところでしたが、タフな東京23FCが更に盛り返し、なかなかエリアまで入れなくなっていきます。


後半45分を過ぎて、私は「そろそろきついな」と感じ始めました。

が…

南葛SCの選手は誰も諦めていませんでした。


ロスタイム4分の、ラストワンプレー。左サイドで#44相沢祥太選手の蹴ったクロスボールが、#15今野泰幸選手をかすめ、#3デイビッソン選手のもとへ。


軽く触ったボールが相手に当たり、ゴール前に。

#3デイビッソン選手が必死にスライディングで足を伸ばし、ゴールへ。


劇的な同点ゴール。

南葛SC 1-1 東京23FC

https://twitter.com/nankatsu_staff/status/1543184477240774657?s=21&t=tMa7NJhkrFCfAIIGPpQBDQ


サポーターの近くで喜びを爆発させる「デビ」(愛称)。

今期怪我で苦しんでいたチームの最古参が最後に大仕事をし、そのまま終了のホイッスルが鳴り響きました。

"総括"



勝ち点0か1かというのは、メンタル的にはかなり大きな差があります。



しかもこの試合、サッカーの内容でかなり押されていたこともあり、勝ちに等しい引き分けだったと個人的には感じました。

何より嬉しかったのが、大空翼くんのような諦めないメンタルを、選手たちが見せたことです。

"まだだ! 自分たちで試合時間を決めちゃいけない! 審判のフエがなるまでそれまでの最後の0.1秒までも試合では全力をつくすんだ!"
-大空翼



こういうメンタルこそ、南葛SCにふさわしいと思うし、このクラブの素晴らしいところだと思います。



また来週試合がありますが、最後まで諦めず、全力を尽くす姿が見られるのを楽しみにしております!



"最後に"


今回も最後まで読んでくださってありがとうございました!


前回より1000文字ぐらい多く、読むのが大変だったかもしれません💦

より簡潔に書けるともっといいかなと思うので、まだまだ精進してまいります!


次回はまだわかりませんが、現地に行ければ7/17に更新します。

7/24のつくば戦は書く予定です!

また是非、読んでくださると嬉しいです。

では!

たけま

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