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ときには役に立つ煩悩

仏教の基本は煩悩を滅することです。私たちの苦しみの原因は、「ほしい」「私のものだ」と執着する気持ちから生じます。そのため、煩悩を無くすことができれば、苦しみを無くすことができます。
一方で、「煩悩の無い人生はつまらない」という言葉もよく聞きます。私もそう思います。欲しいものややりたいことは山ほどあります。家族や自分のことが一番大切だし、贅沢をしたい。なるべくダラダラ生きていたいし、怒られるのは嫌い。欲しいものが手に入ったら嬉しいし、なるべく幸せな時間を多く過ごしたいです。
書けば書くほど、自分のわがままさがよく分かります。たしかに、こうした思いが強ければ強いほど、思い通りにならないときに苦しい気持ちになります。煩悩を無くした方がいいというのは頷けます。
最近、買い物をしました。ウェブカメラモバイルモニターを買いました。YouTubeのレベルアップとパソコンの作業効率アップのために以前から欲しかったものです。どちらも1万5千円くらい。まあ悩まずに買えばいいと言えば買えばいいのですが、なんとなく躊躇して1年弱。先日のAmazonセールで安くなっていたので勢いで購入。
ひとことでいうと「最高」です。
全ての作業が楽しくなりました。効率もあがったし、何ができるかを調べるのも楽しいし、他の関係ない仕事までやる気になった気がします。これは気のせいでしょうか。いや、そうではないでしょう。煩悩は生きるエネルギーです。上手に付き合えばポジティブな側面があるでしょう。新しい技術を開発したり、誰かを助けたり、人の営みというのは煩悩のなせるわざです。もちろん苦しみもたくさん生み出しているでしょう。それでも、私たちの世界が発展しているのは、煩悩のおかげといっても間違いではないでしょう。
ただ、この喜びがずっと続けるわけではないでしょう。それが仏教でいう「苦」ということです。喜びはずっとは続きません。私たちの思い通りにはなりません。思い通りにはいかない人生、煩悩と上手く付き合いながら豊かに生きていきたいものです。

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