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与野中央公園オープンミーティングで出された賛成意見に私なりの回答をします

 3月20日、与野本町コミュニティセンターで中央区選出の5人の議員が呼びかけ人となり、与野中央公園5000人アリーナ計画について市民との意見交換が行われました。
 当日は、200人を超える参加者や、テレビや新聞社などマスコミ各社が取材に来るなど、大変注目をされた取り組みとなりました。

 当日は①さいたま市から現計画の説明②懸念(反対)事項の意見交換③期待される効果(賛成)の意見交換などが行われ、議員が討論をする時間は限られており、討論会というよりも市民からの意見を聞く場としての側面が強い集会になりました。
 しかし、目的としていた市民の皆さんとの対話はどれも興味深く、大変貴重な経験になりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

 このnoteでは反対の論拠を示すというよりも、当日出された賛成意見に答えていきたいと思います。
 どの賛成意見も私にとっては新鮮かつ、検討する必要性を感じるものばかりでした。同時に、その場では私の意見を話せる場面がなかったので、この場を借りて、私なりの回答をさせていただきます。

⚫ご意見①
「次世代型スポーツ施設などを建設しないとなにもない与野中央公園になってしまい、つまらないのではないでしょうか」

⚫私の回答
 少し、誤解があるようですが反対をしている市民(私も含めて)の多くが、与野中央公園に「何も建設しないで、広い草っ原にしろ」という主張をしているわけではありません。
 議会で繰り返し、主張しているのは「5000人収容のアリーナ施設はいらない」ということです。
 では、どのような与野中央公園整備を望んでいるか。
 それは、スポーツ施設は与野体育の代替施設(現計画ではサブアリーナ)を今の与野体育館よりも規模を大きく建設し、アリーナの建設をやめて空いた分のオープンスペースに旧計画で示されていた、だるま山(旧計画の表現ママ)で子どもたちがソリ滑りを行う空間を確保したり、鴻沼川用水を利用した水の広場を「じゃぶじゃぶ池」とし暑い夏に子どもたちが遊ぶことができるように整備したり、広大な面積を有した草はら広場で家族がピクニックやペットと走り回ることができる空間を確保した公園です。
 この主張の根幹は文字通り「市民が憩える空間」を広く取るべきというものです。
 「なにもない」という表現の中に、上記で挙げた「憩いの空間」が含まれた上で「何もない」と主張されるのであれば、見解の相違ですが、全て草っぱらにすればいいと思っている訳ではないのでご理解いただきたいと思います。

⚫ご意見②
「トップレベルの『みるスポーツ』を身近で体感することができれば、その経験から市民が「するスポーツ」に参加していく効果が得られるのではないでしょうか」

⚫私の回答
 私自身「みるスポーツ」の効果や重要性は感じています。
 実家は西武ライオンズのホーム「西武ドーム」から5分程度の場所にあり、子どもの頃、何度もライオンズの試合を見にいきました。
 それがきっかけで、野球を始め、今ではライオンズ命になっています笑。
 しかしながら、だからといって与野中央公園にアリーナを建設する必要が本当にあるかどうかは検討が必要です。
 例えば、トップレベルのスポーツを見る場所といえば、中央区には「さいたまスーパーアリーナ」があります。ここでは、オリンピック規模のトップレベルのスポーツを「みる」ことができます。
 「そうではなくて、地域密着のスポーツを見る施設が欲しい」という要望があるのであれば、与野中央公園が適地なのかも検討が必要です。
 さいたま市として5000人のアリーナを建設することができる場所や適地は実はたくさんあります。
 例えば、大宮区桜木駐車場跡地、ジェイコー跡地(北区)、沼影市民プール跡地などです。
 実際に2月の代表質問でもそのことを提案すると「ウチにくれ」と当該行政区の議員からヤジが飛びました。
 一方で、今回の与野中央公園の計画はアリーナ施設に相応しい場所かどうかの比較検討も行わないまま、決め打ちで「与野中央公園にアリーナ建設を進めている」ことを決めた。この事実が問題で、多くの反発を招いていると思います。


⚫ご意見③
「さいたまスタジアム2002が建設された時も、反対運動がありましたが、結果的スタジアムができてから人口が増え、にまちが栄えた経験があるけれど」

⚫私の回答
 確かに、さいたまスタジアム2002が建設され、緑区の美園地域は大規模な都市開発が進み住民も急増しています。
 しかし、忘れてならないのは、美園地域はさいたまスタジアムが建設される前は、全くといっていいほど都市として未整備状態で言葉を悪くいえば「何もない」状態だったということです。
 美園地域の街づくりは、文字通りさいたまスタジアムと一心同体で行われ、周辺の宅地化や開発が進められていきた経過があります。
 一方で、与野中央公園はどうかでしょうか。
 中央区の皆さんが一番よくわかっていると思いますが、与野中央公園の周辺は本町地区、下落合地区、鈴谷地区、新中里地区と中央区の中心地として、宅地開発が進められてきており、それに伴う都市基盤整備も進められてきました。
 いただいたご意見のような効果を全く期待しない訳ではありませんが、残念ながら美園地域とは前提条件が全く異なるということは、きちんと押さえておかなければならないポイントです。

 以上が、当日出された主要な賛成意見でした。もちろん一字一句完璧にメモしている訳ではないので、発言者の方の意図するところとは異なる可能性もありますが、大まかな趣旨はあっているかと思います。
 当日、発言をしてくださった皆様に、この場を借りて御礼申し上げ回答といたします。


終わりに

 何よりまず5人の議員が会派を超えて与野中央公園について考える、かつ市民を巻き込んで考える場を設けることができたのは大変に意義あることで、呼びかけ人の一人として誇らしい思いです。
 こうした事例は、さいたま市はのみならず、全国的に見ても稀有な形で注目度もありました。
 賛成も反対も、自分たちの住むまちの公園のあり方を真剣に考えるからこそ、議論が巻き起こるものだと思います。

「対決するときはガチンコで、だけど、尊重すべきところは譲り合う」

 そんな民主主義のあり方を、このミーティングで垣間見ることができました。
 同時に、お互いの意見を擦り合わせていく中で、落とし所のようなものも見えてきた気がします。
 今後は、このミーティングを踏まえて、5人の議員で報告書をさいたま市に提出する予定となっています。
 この報告書でも、お互いに議論しながら、最良の形を模索していければと考えています。
 当日も発言しましたが「この議論があったから、あんなにいい公園になった」と市民の皆さんに思っていただけるような公園にしていくため、引き続き、頑張っていきたいと思います。




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