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同志の存在 ~情熱中国大陸~

  男には、金や地位、名誉ではなくて、「価値観」を同じくする、若しくは尊敬し、認め合える、「同志」の存在が絶対不可欠である。

   私の居る中国もそうであるが、裸でぶつかり本音で生きるしかない過酷な状況にある海外では、その存在は特に重要である。少しでも海外で働いた経験のある人ならば、すぐにその意味はわかるだろう。

  私にも同志といえる仲間が何人かいる。ただ横で酒を飲んでいるだけ、ただ珈琲と流れる時間を共有しているだけ、であるが、別にそれだけで何とも幸せなのだ。お互い駆け引きのようなものは一切なく、ただ横に居て、お互い日常あった話をしているだけで、とても心地よいわけである。

  言わずもがなであるが、同じ会社若しくは同じステージで、同じ方向を向いて仕事をしている「同僚」と、「同志」とはまた別のものだ。自分は戦争に行った事はないが、戦場から師団のテントに生きて戻って来、お互い生きているなあ、と横に座って酒を酌み交わす、そんな感じに少し似ているのかもしれない。

  ちなみに、昔、FAXが主流だった時代、私に電子郵便、JPEG画像添付術を伝授してくれた元同僚Kは、今でも中国で共に闘っている。会社も業界も違うが、Kは顔に似合わぬ美少女フィギュアを真剣に作っている。たまに会って、港式奶茶(香港式ミルクティ)を飲むのがお互いの楽しみになっている。最も付き合いの古い同志の一人だ。別に毎日連絡を取り合ったり毎週会っていなくても、自然と何となく一緒に居る事があるから素敵なわけである。

   困った時の助け合いや、情報交換も大切かもしれないが、本当に大切なところはそこではない。お互いが別々に闘っている場所の事件や人間模様、等に対する考えをぶつけ合い、相手の状況を冷静に眺め、時には厳しい目で批判、アドバイスしあい、人に言えぬ心の底の悔しさや、また活路を見いだした時の喜び等を一緒に分かち合う、そう言う時に横に居る、とても大切な存在だ。

超晴れ男MK/天才どMデザイナーYMD/エンタメドラマーKNY/一流HotelManYoYo/一匹狼茂/大阪の虎OKD/御徒町F兄貴/川崎の二龍N&N/イケメンコンサル前ちゃん/新星マサ&ヒゲ/熱血台湾So姉貴/印度ドラマー山崎/浜松音グラファA/雲南の真珠屋黄/蔵前鬼の仕事人N雲/京都の天才F本/香港のスマートS/タイのIND/シンガポールのK、、、等等

   私の個人的話であるが、少なくとも上記は全員、同志と呼べる、尊敬出来る凄い奴らなのである。全員一人一人それだけで本一冊になってしまうくらい、それぞれが秀でた能力と、非常に魅力的な人間性を持っている。そして何よりも皆、熱い情熱を持った仲間たちで、私の人生の宝物である事は間違いない。

   よく行く飲み屋で、「俺は特別な人間で馬鹿な奴らとは違うんだ」と威張っている某銀行の支店長を何度か見かけた事がある。それに尻尾を振って群がっている方々を見ると、折角の酒もまずくなり、カウンター横でやる下手なダーツまでもっとまずくなってしまう。

    超晴男MKに「形だけ」彼を紹介されたが、名刺も渡さず5秒で挨拶を済ませた。 人は見かけによらないと良く言うが、目を見れば大抵出来る奴かどうかはすぐわかる。命がけで闘っている百戦練磨の人間相手には、下手な嘘や虚勢は一瞬で見透かされてしまう。自分で作った銀行でもないのに、中国赴任歴数年ぽっちで天下を取ったような顔をし、またちっぽけな打算と、見え見えの動機で、その「天下人」に群らがるような人たちは、100%相手にされない。厳しい世界であるが、どんな一流企業の役員であろうが、上場企業の総経理であろうが、駆け出しの中小企業の新人であろうが、全く関係ない。条件は皆同じ「一人の男」である。そもそも、本当に実力のある強い男は決して威張らないし、無意味に群れたりもしない。名刺に書いてある肩書きも全く重要視はしない。早々に挨拶を済ませた後は、

「なんだお前執行役員って?何も執行してねえのにおかしいだろうこの泥棒!」

「お前こそなんだ取締役って?いっつも取締まられてるくせして、この取締まられ役!」

等と突っ込み合いながら、同志と飲むのは大変楽しい。Pureな心で仲間を見つめる「愛」と、自分の「信念」をしっかりと持って生きてさえいれば、別に探しに行かなくとも、国籍を問わず、「同志」は必ず近くに居るものである。


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