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中小企業診断士にとって大切なことは長野のバーテンダーが教えてくれた

春って転機の季節ですよね。私は日々のリズムが大きく変化することが不得意ですが、とはいえ新しい場に身を置くことで分かることがあるものです……っていう話を8割がた書いていたのですが、違う話を書くことにしました。

(前回に続き今回も)
(長文な出だしで失礼しました)

実はこの週末、長野に居りまして。

そこで出会ったバーテンダーのお兄さまから、たくさんの学びを頂戴しましたので、今回はそれを共有したいのです。

中小企業診断士をはじめ、人に何かレクチャーする経験がある人はもちろん、レクチャーを受ける側の人にとっても、何か今後に向けた気付きに繋がれば……。

◆ とあるバーでのこと

私よりも先に入店していた男性が、店の表に出ている以外にウイスキーはないかと、バーテンダーのお兄さまにリクエストしたのです。

すると、メニューに出てないウイスキーが出てくる出てくる。

特に、私が注目したのは、インターネットでは高額すぎて手が出ない日本ウィスキーのレア物。

出てきたレア物の中に、山崎の12年と18年があるじゃないですか!

ま、注文しますよね。

ただ、バーテンダーのお兄さまにしてみると、長野のバーで山崎の12年と18年をストレートで注文する女性1人客が珍しかったのでしょう。

「試しにね、こんな飲み方してみませんか?」と嬉しそうに言ってくれたのです。

出てきたのは、スポイトと、長野の美味しい水。

スポイトで水を数滴ウイスキーに落としながら飲むという、アレです。ワンドロップとかって言いますよね。

実はこの飲み方、私は知っていたのですが、行きつけのバーにハイボール用のウイスキーをボトルキープしていた期間が長かったため、実際にはワンドロップをやったことがなかったのです。

「ストレートで飲んで美味しいウィスキーに水を入れるって勿体ない気持ちになっちゃうんですよね」

とバーテンダーのお兄さまに言うと、すぐにアドバイスが。

最初はストレートの香りや味を楽しんで、その後、ワンドロップを楽しんでみてください。

ストレートを飲んだ時に感じた香りや味の記憶を思い出しながら、ワンドロップによって変化した香りや味を楽しめますよ。

言うとおりにワンドロップを楽しんでみると、あら、どうでしょう、美味しいじゃありませんか!

ルンルンしながら飲んでいると、再びバーテンダーのお兄さま登場。

今度はね、冷たいチェイサーを10秒くらい口に含んでみてから、スポイトで水を入れたウイスキーを飲んでみてください。

味がまた変化しますから。

この飲み方は知らなかったんですよね。とはいえ、バーテンダーのお兄さまきっかけでワンドロップを経験して大満足なのですから、まぁ、提案に乗っかるでしょう!

ゴクッ

……あっ! 味が変わった!

口の中が冷たくなったことで、感じる味が変わったのでしょう。

その後もバーテンダーのお兄さまは、このような飲み方を勧めている理由をはじめ、自分の拘りを話してくださったのです。

◆さて本題。学びのポイント

(ウイスキーの話で終わるわけじゃないです)

この一連のやり取り、中小企業診断士をはじめ、人に何かレクチャーする経験がある人はもちろん、レクチャーを受ける側の人にとっても、多くの気付きがあるのではと、美味しいウイスキーを飲み終えて、そう思えたのです。

【1】相手ファーストで

自分がレクチャーできる分野にどのくらい興味がありそうなのかは、相手の反応を見てみないと分かりません。

そのためには、まずは、手を変え品を変え、相手が何に興味を示すのか見てみる必要があります。

――って書きましたけれど、これって当たり前のことですよね。

ただ、頼んでもいないのに最初から最後まで自分の話をする人って、いません?

それだと、その人の得意分野に興味があっても「あ、なんだか面倒くさそう……もう大丈夫です」となり、心も耳も閉じてしまいます。

【2】自分の想いや信念を伝えるなら後半に

とはいえ、レクチャーする側にとってみると、想いや信念があるからこそ、レクチャーする側になっているケースもあるでしょう。

想いや信念を伝えたくなったのなら、相手にレクチャーをして「おぉ! なるほどね!」となってからでも遅くありません。

特に、「初めまして」の場合は、相手の話を受け入れるまで、心身の準備に時間がかかるもの。

世の中には「大事なことは最初に言え」という型もありますが、その型がいつも使えるわけでもないということは、改めて認識しておきたいところです。

【3】リアクションはフル活用

相手の興味のポイントが分かったら、少しずつネタを提供していきますよね。

その時って、話す言葉の選択も大切ですが、声のトーンや表情など、非言語部分のリアクションも本当に大切です。

私が登壇する時、リアルではもちろん、オンラインの時には特に「リアクション、少し大きめで」と、いつもお願いします。

リアクションを見て、説明を詳しくしたり多少さっと流したりなど、調節できるので、限りある時間を有効に使えると思うのです。

ちなみに、この非言語部分は、レクチャーする側だけじゃなくレクチャーを受ける側もフル活用してほしいところ。

「この人から、あまり良い話が聞けないな」と感じている時、もちろん相手にも何か問題はあるかもしれませんが、自分のリアクションは問題なかったのか振り返ってみたいものです。

【4】プロの意見には、まず乗っかってみる

レクチャーしてくれた内容が知っている内容だったり、時には自分のほうが詳しいのではないか……みたいな時もあるでしょう。

しかし、その道のプロとして活動している人の話は、一度聞いてみる価値があると感じています。

自分にとっての未知と遭遇できる可能性があるから

「いや~●●については自分も▲▲年からやっていて、その頃はね――」みたいな話の展開になると、レクチャー側が心と耳を閉じてしまい、遭遇できたかもしれない未知に遭遇できなくなる危険性があります。

自分で自分の可能性を狭めてしまうことは、避けたいものです。

……と、こんなことを改めて学べたなぁと思いながら、帰路の電車内でこの原稿を書きました。

改めまして、お世話になった長野の皆様ありがとうございました。また来ます!

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