滋賀レイクスが良くなった話【3月編】

 この記事は、バイウィーク前に書いた記事、「滋賀レイクスが良くなってきている話」の続編になります。




 ご興味のある方は、ぜひご覧になられた上で、本記事を見て下されば、より分かりやすくなるかもしれません。


 それでは、記事に入ります。



○はじめに



 バイウィークも開けた3月の試合、滋賀レイクスは4勝3敗で終えました。



 新潟アルビレックスBB(以下:新潟)と同率最下位だった順位も、3月26日の勝利で富山グラウジーズ(以下:富山)を追い抜き、ひとまずB1残留圏内に入る事が出来ました



3月終了時点での順位表


 もちろん4月以降も、B1残留に向けて勝負は続きます。


 ただ、2月末時点で5勝だったチームが、3月だけで4勝する事が出来たのは、チーム・ブースターともに大きな自信となった事と思います。


 今回はそんなレイクスの3月を振り返りながら、どういった変化があったのかを考えてみましょう。




○公式からのレポート



 滋賀レイクスではデータコラムが定期的に更新されています。


 みなさま、ご覧になられてますか?



 先日の「データコラム vol:4」では勝敗を分ける要素について分析されていました。



 簡単に抜粋すると以下のようです。


【勝った試合の特徴】

 ・ディフェンスよりも、オフェンスが好調な傾向にある
 ・シュート成功率(eFG%)が高い
 ・オフェンスリバウンドが良く取れる
 ・3Pの成功率が高い
 ・相手チームにレイクスよりもターンオーバーをさせる


 そんなレイクスの最近の試合はどうだったのかを振り返ってみましょう。



○3月のレイクス


 ここでは、3月のレイクスについて振り返りたいと思います。


 まずは一番大切な勝敗から。3月の成績は4勝3敗。勝ち越しで終える事が出来ました。やりました!


 そして、レイクスの3月のスタッツで特筆すべき点は、オフェンスの向上にあります。


 レイクスの1試合平均スタッツを月別にまとめてみました、ご覧下さい。

 

  

月別のオフェンススタッツ(1試合平均)



 良くなった部分を青くしています。


 オフェンスのスタッツはほぼ全項目が青く、良くなった
事がわかります。2月と比較をしても、向上点を上げたらきりがありません。


 以下に一部抜粋して、3月のレイクスの特徴を記載しておきます。



 ・1試合の平均得点は9.36点のプラス
 ・3Pのシュート本数が増加、成功数も1.29本増加、成功率も上昇
 ・フリースローの本数は6.79本の増加、得点も5.43点増加
 ・アシストも3.89本増加
 ・ターンオーバーは1.89本減少



 これだけでも、オフェンスが大きく改善している事がわかります。


 レイクスの数字が良くなった事はわかりましたが、このレイクスのスタッツはどのくらいのものなのでしょうか。


 今回はレイクスと他チームのスタッツを比較して、実際にレイクスのスタッツはどのくらい改善されたのかを考えてみましょう。



○得点


 レイクスのスタッツで最もわかりやすく、上昇しているのが得点です。


 3月の平均得点87.86がどのくらいの攻撃力なのかを見てみます。

 他チームの1試合平均得点をまとめてみます。上位10チームを参考に表を作ってみました。


他チームはシーズン1試合平均得点


 レイクスのオフェンス力は、他チームのシーズン平均得点と比較しても、かなり高い位置にある事がわかります。


 平均得点だけではバスケは語れませんが、理論上はほぼ全てのチームに勝つチャンスがあると考える事が出来るでしょう。



○スリーポイント



 次にスリーポイントについて見ていきましょう。


 2月頃からレイクスはスリーポイントの本数を増やす傾向にありました。


 そんな中、最近のレイクスはスリーポイントが確率良く決まっていることで目立っていますね。


【3月のスリーポイント成功率が特に高かった選手】
 杉浦佑成選手・柏倉哲平選手:50%(それぞれ20本中10本成功)
 ケルヴィン・マーティン選手:45%(20本中9本成功)
  キーファー・ラベナ 選手:40%(35本中14本成功)


  外のシュートが決まりだすと、ディフェンスも放置できなくなるので、今度はインサイドでの得点も狙いやすくなりますよね。


 まずは、試投数から見ていきましょう。


1試合平均のスリーポイント試投数


 こう見ると、もともとレイクスはリーグ全体で見ても、スリーポイントを多く打つチームである事がわかります。


 今月はさらにスリーポイントの本数が増えた事がわかりました。



 続いて、スリーポイントの成功率についても見てみましょう。



3P成功率の比較


 3月のレイクスはスリーポイントもかなり高確率で決まっていた事がわかります。もともとスリーポイントの試投数が多いレイクスが、高確率で決める事が出来れば、得点力としては大きく向上しますよね



○フリースロー


 続いては、フリースローについて見ていきます。元々、レイクスはフリースローの本数が少ないチームでした。



 今月はイヴァン・ブバ選手(3月の1試合平均フリースロー試投数:5.5本)の復帰もあり、フリースローの本数もかなり多くなりました。他チームとの比較を含めて見てみましょう。


フリースローの1試合平均試投数


 レイクスのフリースロー試投数は、2月の11.50本から3月の18.29本と、6.79本も増えました。それでも、リーグでレイクスよりもフリースロー試投数が多いチームもまだまだあります。


 最近のレイクスはオフェンスリバウンドが増加傾向にあるので、今後はそういった場面でファールをもらう機会が増えれば、フリースローの試投数も増えてくるかもしれないですね。



○アシスト


 3月のレイクスは、シュートが高確率で決まるようになり、アシストの数値も一気に向上しました。

 

 スティールやターンオーバーから、走って点が取れる時間帯も増えてきたり、パス1本で得点につなげる事が出来るような場面も増えていましたね。


 特に、テーブス海選手のアシストが増えていて、3月の1試合平均アシストが9.28本(シーズン平均6.9本)と2.38本も増加しています。


 リーグで最もアシスト数が多いのは、河村勇輝選手(横浜:1試合平均8.5本)ですので、3月のテーブス選手は河村選手以上にアシストが出来ていた計算になります



 そんな、レイクスのアシストを他チームと比較してみましょう。 

 

1試合平均のアシストを比較


 アシストを比較して見ても、レイクスのアシストはかなり多くなっている事がわかります。



○ターンオーバー


 最後に他チームと比較したいのが、ターンオーバーです。


 公式からもターンオーバーが相手チームより少ない事が勝利を大きく引き寄せると明言されています。


 そんなターンオーバーが3月は11.86本、それまでの月が1試合平均で13~14本であった事を考えると、かなり少なくなりました。


 それを踏まえて、他チームのターンオーバーを見てみましょう。

1試合平均ターンオーバーの比較


 1試合平均でターンオーバーを比較して見ると、レイクスのターンオーバーは少なくなっているものの、より少ないチームもあるので、さらなる改善も期待する事が出来そうですね。



○互いにオフェンス回数が増加している



 さて、ここまでの内容でレイクスのスタッツが良くなっている事がわかりました。


 ただ、最初の表を見てもらった中で、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は3月のレイクスは「失点も増えている」のです。



再掲です


 その理由として、レイクスのオフェンス回数が増えた事によって、相手チームのオフェンス回数も増えた事にあります。




 レイクスの得点力の向上には、「シュート成功率の上昇」が大きな理由である事は間違いありませんが、「オフェンス回数が増えた」事も同じくらい大きな理由です。



  オフェンスの回数が増えれば、基本的には同じ回数ディフェンスをしないといけないので、相手のオフェンス回数も増える傾向にあります。


 ここでは、実質的なオフェンス回数を考えてみようと思います。



○実質オフェンス回数


 今回、実質的なオフェンス回数を考えるにあたって、以下の計算式を採用します。


実質オフェンス回数=シュート本数+(フリースロー÷2)-ターンオーバー数


【考え方】
・シュート、フリースローが打てれば、オフェンスは最後まで出来たとする
・フリースローは1回で2本扱いとして、オフェンス回数には半分で計算する
・ターンオーバーはオフェンスが最後まで出来なかったとする


 簡単ではありますが、上の考え方で計算式を作っています。


 それを、試合ごとにまとめたものが以下の表になります(大変なので見なくても大丈夫です)。



 一応、レイクスは左側で青く、対戦相手は右側に赤く色を付けています。


試合ごとの実質オフェンス回数表



 試合ごとに見ると大変なので、月別にまとめたものが以下の表になります。


 

月別の実質オフェンス回数表


 これを見ると、レイクスのオフェンス回数は3月に一気に増えている事がわかります。


 2月・3月は相手チームよりも、実質オフェンス回数が多い事がわかりますね。ただ、この表はお互いのシュート成功率を考慮されていないので、シュート確率に大きな差があれば、勝敗は変わってきてしまいます。


 
 ただ、オフェンス回数が増えた中で、シュート確率も上昇しているので、レイクスの得点力が上がった事もうなずけますね。



○相手チームのオフェンスについて



 先の表で、レイクスのオフェンス回数が増えたとわかりましたが、同時に相手チームのオフェンス回数も多くなっています。



 まずは、相手チームのシュート本数・確率について見てみます。


月別の対戦相手のシュート本数・確率表


 この表は月別の1試合平均のシュート試投数・成功数・確率をまとめたものです。


 表を見ると3月は対戦相手のシュート本数が増えている事がわかります。


 しかしシュート確率自体は、2P・3Pのどちらも2月より低く抑える事が出来ています。


 それを踏まえれば、レイクスのディフェンスが決して悪くない、むしろディフェンスも良くなっていると考える事が出来るはずです。

参考資料:試合別のシュート本数表です



○まとめ

 ・3月のレイクスはオフェンスのスタッツが軒並み向上
 ・上位チームと同等の得点力、3P成功率が出ている
 ・オフェンス回数が増えて、確率も良いので得点が増加
 ・3月のテーブス海選手のアシストは、横浜の河村選手レベル
 ・相手チームのオフェンス回数も増えたけど、確率低めに守れている


 4月は上位チームとの試合も多く、本当に厳しい戦いが続くと思います。

 3月を好調に終えたレイクスが、この勢いで4月も戦いぬいてくれる事を祈っています。

 ブースターのみなさまも、最後まで一緒にがんばりましょう!


 ぼくもFE名古屋戦には参戦したいと思います。微力ながら応援に行きますので、名古屋に遠征されるみなさま、よろしくお願いします。

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