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Googleの独占禁止法違反訴訟の訴状を読む【広告編】 6

この節では、Googleがディスプレイ広告取引取引所でどのようにして圧倒的なマーケットシェアを獲得しつつ、競合の取引所には広告在庫が流れないようにして競争を阻害し、自社経由の取引のみを優遇したのかが解説されている。

B. ディスプレイ広告取引

1. 米国のディスプレイ広告取引所は、関連する反トラスト市場である。

71. 米国のWebディスプレイ広告取引所市場は、関連する反トラスト製品市場である。
これらの取引所は、複数のパブリッシャーのディスプレイ在庫を、広告主の仲介者を通じて複数のエンド広告主にインプレッション単位でリアルタイムにオークションするマーケットプレイスである。
取引所は通常、Googleの広告サーバなど、パブリッシャーの広告サーバを介してパブリッシャーと接続する。
買い手側では、DV360やThe Trade Deskなどの大規模広告主向けの広告購入ツールや、Google Adsなどの小規模広告主向けの広告購入ツール、場合によってはネットワークなどを介して、広告主とのインターフェイスとなる。
72. 広告取引所は、パブリッシャー広告サーバ、広告ネットワーク、広告購入ツールとの互換性はない。
パブリッシャーは、パブリッシャー広告サーバ、ネットワーク、または広告購入ツールを使用して、インプレッションごとに、またリアルタイムの市場でエンド広告主にディスプレイ広告の在庫を販売する事はできない。
さらに、広告ネットワークとは異なり、広告取引所は、広告主が取引所間の取引を最適化できるように、複数の広告購入ツールと統合するように設計されているが、ネットワークはより制限されている。
取引所とネットワークは異なる機能セットを提供しているという事実を反映して、取引所では、パブリッシャーが毎月大量のインプレッションや収益にコミットする必要があるのに対し、ネットワークは一般的にそうではない。
Googleの広告サーバを使用して広告市場を通じてディスプレイ広告の在庫を販売しているパブリッシャーは、主にネットワークではなく取引所で在庫を販売している。
例として、米国のある大手オンラインパブリッシャーは、ネットワークではなく、取引所に彼らの間接的なディスプレイ在庫の80%以上を販売した。
73. また、広告取引所は、パブリッシャーや広告主にとって、直接販売チャネルとは異なるものだ。
パブリッシャーにとって、在庫を直接販売するには、キャンペーンの管理、販売、提供に関する専門知識を身につける必要があり、これには専門的なスキルセットが必要で、そのためのコストもかかる。
また、広告主にとっても、パブリッシャーから直接在庫を購入するには、さらなるスキルセットと継続的な投資が必要となる。
直接取引の場合、パブリッシャーと広告主は通常、このような1対1の関係を管理するために社内スタッフを雇用し、維持しなければならない。
そのため、直接販売のチャネルは、パブリッシャー・広告主間の高額取引に限られる傾向にある。
例えば、Wall Street Journalのようなオンライン出版社は、月々の取引額が少なくとも数千ドルでなければ、広告主のFordと直接取引をすることはありえない。
しかし、広告取引所を介して間接的にFordと取引する場合は、たとえ月間の取引総額が数ドル程度であっても、喜んで取引するだろう。
74. ディスプレイ広告取引に関しては、関連する地理的市場は米国である。
他の国で利用可能なディスプレイ広告取引は、米国で利用可能なディスプレイ広告取引の合理的な代替品ではない。
したがって、米国が関連する地理的市場となる。

2. Googleはディスプレイ広告取引市場で市場独占力を持っている。

75. Googleは米国のディスプレイ広告取引市場で市場独占力を持っている。
Googleが主導する取引所は、歴史的にはAdXと呼ばれていたが、2018年11月から2019年10月までのデータを分析した結果、米国における広告取引所で販売されたディスプレイ広告の全取引量の●●パーセント以上を占めていた。
初期の競争状況にもかかわらず、Googleのディスプレイ広告取引所は、少なくとも2013年以降、米国でトップの取引所となっている。
さらに、より最近のパブリッシャーと取引所のデータを分析すると、2019年後半にGoogle が統一価格ルールを導入して以来、広告取引所市場におけるGoogleのシェアは●●パーセント以上と大幅に増加している。
最後に、価値の高いユーザにリーチしているオンラインパブリッシャーにとっては、Googleの取引所はパブリッシャーの取引インプレッションの中でさらに大きなシェアを占めている。
例えば、ある大手パブリッシャーは、他の少なくとも6つの取引所でインプレッションを流して販売しているにも関わらず、Google の取引所がその取引インプレッションの殆ど、●●パーセントを取引している。
76. Google の取引所に最も近い競合他社には、Rubicon、AppNexus、Index Exchange の取引所があるが、これらの取引所では、パブリッシャーの取引インプレッションの量はかなり少なくなっている。
大手オンラインパブリッシャーの取引記録を見ると、Googleの取引所は、取引所を流れてきた間接的なインプレッションの●●%以上を日常的に取引していることがわかるが、Googleに最も近い取引所の競合他社は、同じパブリッシャーの取引所のインプレッションの●●%しか取引していない。
77. 直接的な証拠は、ディスプレイ広告取引市場におけるGoogleの独占的な力をさらに物語っている。
Googleの取引所は、価格をコントロールする力を持っている。Google の取引所は、すべての取引の約●●パーセントに相当する超競争的な価格を設定しています。
Googleに最も近いエクスチェンジの競合他社は、Googleのエクスチェンジの価格よりも●●●●●●●。例えば、Index Exchangeは●●%、Rubiconは●●%、AppNexusは●●%となっている。
78. Googleが取引所市場の価格圧力から隔離されていることも、その取引所の実質的な市場力を示している。
2018年のGoogleの内部文書では、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。
しかし、Googleは粗利率を下げなかったと観察されている。
実際、2017年と2019年を比較すると、Googleの取引粗利率は実際に増加している。
(AdXを介して購入する第三者のバイヤー向けのパーセントは●●%から、2019年には●●%に上がった)
79. Googleの取引所での市場支配力も、取引所の競合が価格を下げたにも関わらずマーケットシェアが下がらなかった事実からも証明されている。
例えば、●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●。
80. 取引市場における Google の市場支配力は、参入障壁によっても守られている。
新規参入者は、出版社や広告主に自社の取引所を利用してもらうために、十分な規模とネットワーク効果を達成しなければならない。
さらに、Googleの反競争的な行為は、参入に対する人工的な障壁を生み出している。
Google が作り出した重大な障壁の 1 つは、Google のパブリッシャー広告サーバが、後述する多数の反競争的行為によって、取引を Google の取引所に優先的に流すことによって生じている。
また、Googleは、DV360やGoogle Adsを利用する広告主の入札を、後述する反競争的な行為により、グーグルの広告取引所に排他的かつ優先的に流すことで、別の参入障壁を作り出している。

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