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アート作品を鑑賞するため意識すべき3つのこと

アート作品を鑑賞するとき、みなさんはどのようなことを考えていますか? 次の3つのことを意識してみると、作品をより深く知ることができるようになります。このnoteは美術史家のロバート・ベルトンのサイトを参考にしています。

Dr. Robert Belton (Dean of the Faculty of Creative and Critical Studies at the University of British Columbia Okanagan)

Dr. Robert Belton / ART HISTORY: A PRELIMINARY HANDBOOK
https://fccs.ok.ubc.ca/student-resources/arth/


① 作品を鑑賞するための3要素
作品を深く鑑賞するために注目すべき三大要素は「Form, Content, Context」です。

★ Form(形)は、素材、サイズ、テクスチャ、重量、バランス、調和、リズム、線、色など、物質的な要素を示します。
★ Content(主題)は、絵画の場合であれば、何が描かれているか具体的な絵画の内容を示します。
★ Context(文脈)です。文化、歴史、哲学、宗教、社会、教育、経済など様々な背景からContent(主題)をどのように解釈するかを示します。

② 葛飾北斎の冨嶽三十六景《神奈川沖浪裏》を例に挙げます。
★ Form(形):木版多色刷、紙
★ Content(主題):荒々しい波と円形の美しい富士が印象的な絵画です。波の上には三隻の船に乗った人々が必死に船を漕いでいる様子が見てとれます。
★ Context(文脈):葛飾北斎の「富嶽三十六景」と題された木版画集に収録された作品の一つ。本作が欧米に与えた影響は相当なもので、19世紀後半のヨーロッパでジャポニズムを引き起こしました。画家ヴィンセント・ファン・ゴッホは弟テオに書いた手紙の中で賞賛していますし、作曲家ドビッシーは交響曲「ラ・メール(海)」を作曲しました。また、画家アンリ・リヴィエールは本作に影響を受けて「エッフェル塔の36景」を制作しました。空や水などに使用されているプルシャンブルーは、当時、新しく開発されたばかりの手頃な価格の顔料・ベルリンブルーの美しさも評判になりました。

冨嶽三十六景《神奈川沖浪裏》/ 葛飾北斎/ 天保元−天保3年(1830-32)頃

文化遺産オンライン/ 冨嶽三十六景《神奈川沖浪裏》https://www.artic.edu/artworks/24645/under-the-wave-off-kanagawa-kanagawa-oki-nami-ura-also-known-as-the-great-wave-from-the-series-thirty-six-views-of-mount-fuji-fugaku-sanj笛rokkei

The Institute Chicago
Under the Wave off Kanagawa (Kanagawa oki nami ura), also known as The Great Wave, from the series “Thirty-Six Views of Mount Fuji (Fugaku sanjūrokkei)”
https://www.artic.edu/artworks/24645/under-the-wave-off-kanagawa-kanagawa-oki-nami-ura-also-known-as-the-great-wave-from-the-series-thirty-six-views-of-mount-fuji-fugaku-sanj笛rokkei


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