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ちょ、待てよ

こんにちは。
社労士&診断士のたけちゃんです。
今晩は、カマタマーレ讃岐対FC今治のビッグマッチがあります。
元日本代表監督の岡ちゃん率いるFC今治から何とか勝点3を奪取して欲しいですね。
今回は、そんなビッグマッチとは関係なく、ちょ、待てよについてお伝えします。


よく考えずに失敗する

先日、顧問先の経営者の方から、「若手社員の1人がお客様に確認してからでないと出来ない作業を自己判断でやってしまい納品寸前に先輩社員が間違いに気がついたという事案があった」とお聞きしました。

お客様からの情報に一部不足があったにもかかわらず、前の納品のときもこうだったから今回も同じだろうと判断して納品しようとしていたとのことでした。

この若手社員は自分で正しいと思い込んで仕事をしてしまうところが良くあるそうです。

ちょっと待てよと一呼吸おいて考えないみたいなんだよねとありました。

速い思考と遅い思考

これは典型的なシステム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)速い思考の問題です。

ノーベル経済学賞受賞のダニエル・カーネマンはその著書「ファスト&スロー」の中で、私たちの脳にはシステム1(速い思考)とシステム2(遅い思考)があるとあります。

システム1の働き:自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。

システム2の働き:複雑な計画など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。

例えば車の運転時に自動車教習所に通い始めたときはギアチェンジは時速何キロのときにクラッチを踏んで次のギアに入れるとかを一回一回頭で考えて手と足を動かしていたと思います。=システム2

それが運転免許を取得してだんだん運転に慣れてくると一回一回頭で考えなくてもほぼ自動的に身体を動かしてスムーズにギアチェンジをするようになります。=システム1

システム2を発動させる

ちょっと待てよと思うにはシステム2を発動させることになります。

ただシステム2を発動させるには集中力が必要で脳の処理に負荷がかかるとされています。

朝起きて歯を磨くときに、右手に歯ブラシを持ち、斜め45度に傾け、左手ではチューブを真ん中より前を持ち、それから少しの力で絞り出し・・・。
というように一回一回の動作を考えていたのでは疲弊しますよね。

そこで日常生活の中ではシステム1がオンの状態になっており、一連の動作を意識することなく処理することができるようになっています。

先ほどの若手社員にはシステム2を発動させるための訓練が必要なのでしょうね。

ちょ、待てよ

経営者の方とじゃあどうしようかという話しになったときに以前、技術系の診断士の方に事務系と技術系の仕事のチェックのやり方には大きな違いがあることを思いだしました。

事務系は仕事をした後にチェックをする
技術系は仕事をする前にチェックをする

事務系の仕事にミスが起きるのは仕事の後に疲れている状態でチェックをしているからとのことです。

反対に技術系はどこで注意を払う(システム2)かを仕事の前にあらかじめ確認しておくとのことです。
こちらのやり方の方が合理的な気がしますね。

そこで経営者の方に仕事をする前のチェックリストを社員さんと一緒に作成してどこで注意を払う(システム2を使う)必要があるのかを考えさせる機会を作ってみては?と提案しました。

そしてそれを他の仕事でも当てはめて考えさせる習慣を付けることがシステム2を鍛えることになるだろうとしました。

この若手社員さんが早く戦力になることができれば良いですね。

PS:ちょ、待てよ。
今のはファールだろ!PKだろ!
ということが今日の試合では起きませんように。


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