見出し画像

パンデミックで世界は一つに向かうのか?(The Economist 2020年5月9日版)

The Economist 2020年5月9日版から、「The pandemic is driving America and China further apart」の記事を取り上げてみたい。 テーマは、内容は「パンデミックによって、米中の対立はどうなるのか。現在、米中はまさに叱責戦争をしている。軍事的なリスクはどのくらいあるのか。」について。  

画像1

コロナウイルスのパンデミックは、世界を1つにまとめているのか?

この記事を読むと、残念ながらNOだ。
米中の対立は強まり、その影響は世界各国へと波及する。

軍事的なリスクも避けられない。
地政学的に「台湾」をめぐる争いは、実際に起こっている。
もちろんこれには、日本も大いに関連する。

今年に入り、米中がフェーズ1に合意したことは記憶に新しい。
この貿易協定が良いか悪いかは置いておいて、米中の歩み寄る姿勢は今よりもあったように思う。

ポストコロナウイルスで、世界はどのように変わっていくのか。

基本概念の整理

■叱責戦争(scold war)
・互いに言論で叱責し合う冷戦のこと
(あまり聞きなれない表現だが、The Economistに出てたので一応掲載)

■フェーズ1(Phase 1)
・2020年1月15日に締結された、米中間における貿易の第一合意
・管理貿易(control trade)であり、政府が市場の貿易額や品目をある程度制限管理する仕組み

■地政学(geopolitics)
・地理的な環境による国際政治・軍事・経済などへの影響を、マクロ的な視点で研究する学問

画像2

■台湾
・「台湾は中国の一部だ」と主張する中国と、台湾を支える米国の争い
・米中の対立が深まると、頻繁に台湾問題が起こる
・台湾は、南シナ海と東シナ海の中間に位置することから、米中両国にとってどうしても確保したい場所にあたる
(※台湾の地政学については、別に後日まとめてみたい)

記事の簡単な要約

パンデミックによって世界は1つになるどころか、経済大国(GDPでトップ2か国)の米中の対立が強まっている。

米国のポンペオ国務長官は、武漢の研究所からコロナウイルスが発生した証拠があると明言した。
一方、中国はその責任を完全に否定するどころか、コロナウイルスは米国が持ち込んだものだと主張している。

トランプ大統領は、11月の大統領選挙を控えており、さらに論調に過激さが増すと予想できる。

米中対立の結果、想定されるリスクの1つは「台湾」における軍事的リスクである。
台湾は、南シナ海と東シナ海の中央に位置し、軍事的に米中にとって外せない場所だ。

実際に、中国は国際法に反して南シナ海を占拠したり、台湾の防衛力を調べたりしているようだ。
もちろんアメリカもそれに対して、抗議する姿勢を強くとっている。

エディターいわく「米中は戦争をしたいわけではない」とのこと。
ただ、米中の対立が強まれば世界各国への影響は懸念される。

実際にEU主催でコロナウイルスのワクチンに対する会議をしたが、その場からアメリカは立ち去り、中国は協力姿勢を見せない。
これはもはや米中だけの問題ではないことが理解できる。

自身の見解

G0(グローバルリーダーがいない)の時代になり、「自国第一主義の米国」と「急激な経済発展を遂げた中国」の対立がさらに強めれば、更なる悪影響が出る可能性がある。

個人的には、パンデミックを政治利用することは賛成できない。
むしろ世界で手を組んで、この危機を乗り越えようとする姿勢がほしい。

これらは会社においても同じことが言えると思う。
コロナウイルスの影響で在宅勤務が続き、ストレスが高まると、社内で対立ができる可能性はある。

しかし、米中の対立からも見て取れるが、このような危機に対峙するときは、同じ方向を目指す結束の方が大切だと思う。

まとめ

米中の対立に関しての記事だが、これは同時に世界への影響を示唆するものでもある。

もちろん、日本への影響もあるため、自分はしっかりと情勢を見ていきたいと思う。

よろしければサポートお願いします! サポートいただいた金額は、noteの記事やマガジンに使用いたします!