舞台って何がおもしろい?

「舞台って何がおもしろいの?」

これは、会社の先輩からつい最近聞かれた質問です。その先輩は、私が会社帰りに舞台に何度も通っていることを知っていたので、この質問をしてきたのでしょう。

そのとき、さらにこう聞かれました。

「映画やドラマと何がちがうの?」

「1回1万円とかするんでしょ?高くない?」

この質問をされたとき、私はすぐに答えることができませんでした。そこに疑問を持ったことがなかったし、考えたこともなかったからです。

あらためて、考えてみると不思議です。

映画やドラマは、何度も何度もチェックと修正を繰り返した状態で提供されているのに対して、舞台においてはやり直しはできません。セリフを間違えたり、噛んだりしてもやり直すことはできません。

さらには、演出面でも大きな制約があります。ロケもできないし、映画・ドラマだと一瞬でできる場面転換もかなり時間がかかります。

あるいは興行面においても、一度撮影が完了すれば、どこでも・なんどでも提供することのできる映画・ドラマと違って、舞台はその場限り、提供する人数にも劇場のキャパという制限があります。

この疑問には、「舞台」「映画」「ドラマ」の本質がなんなのか?表現することとその手段との関係性など、芸術にかかわる本質的な議論が隠れていそうです。何度かにわけて書いてみたいと思います。

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