見出し画像

【9月】鹿島アントラーズ定例報告

ーここはとある路地裏にある秘密結社。そこでは今日も月一での定例報告の会議が行われているのでした…

7月度議事録

8月度議事録

定例報告

ボス
では、今月も定例会議を始めていこうと思う。特派員、今月の鹿島アントラーズについての報告をよろしく頼む。

特派員
はい、まず最初に今月の試合結果と主なトピックスをご覧ください。

鹿島アントラーズ 9月の試合結果
・9/5 J1-14 名古屋戦(A) ○3-1
・9/9 J1-15 仙台戦(H) ○2-1
・9/12 J1-16 清水戦(A) ○2-1
・9/19 J1-17 C大阪戦(A) ○2-1
・9/23 J1-18 湘南戦(H) ○1-0
・9/27 J1-19 大分戦(H) ●0-2
鹿島アントラーズ 9月の主なトピックス
・11年ぶりの7連勝を記録
・常本佳吾が特別指定選手に
・昌平高校の須藤直輝、小川優介が来季入団内定
・Jリーグマスコットリフティング選手権でしかおが優勝
・内田篤人氏がJFAロールモデルコーチに就任
・内田篤人氏の冠番組がDAZNでスタート

ボス
9月は5勝1敗か…。最後の大分戦の負けはもったいなかったが、うむ。これはかなり評価できる成績といっていいだろう。

特派員
はい。順位も一時暫定ながら4位に上がりましたし、11年ぶりに連勝も7まで伸ばせました。最後の試合に勝ってくれれば、ボスからボーナスも出るのではないかと…。

ボス
そんな話はしとらんぞ。

切り替えが大事

ボス
まあ、そんなことより君の視点からの意見を聞かせてくれたまえ。7連勝というのは中々出来ることではないからな。

特派員
概念的に言えば、チームのスタイルが浸透してきたことが大きいということなのですが、中でも攻守の切り替えの質が高まってきたことは9月の試合で特に感じられました。

ボス
攻守の切り替えの質というのはどういうことだね?

特派員
最近の試合を見ていると、チームの中でプレーの優先順位が決められていますし、その意識付けが徹底されているように感じます。

ボールを失った時(攻撃→守備の切り替え)
・なるべく高い位置で奪い返す
・近くにいる選手は全力で奪い返しに行く
・三竿やレオ・シルバ、小泉がボールを奪えるようにさせる
→サイドに追い込みつつ、無理やり中央に入れてきたところで奪う
・ロングボールを蹴られたら、センターバックが頑張ってはね返す
・あまりにも陣形が整っていない場合は、撤退して守る
ボールを奪った時(守備→攻撃の切り替え)
・とにかくゴールまで手っ取り早く攻める
・DFラインの裏が狙えそうなら、まずそこから
・じゃなきゃドリブルで持っていく
・密集してる場合はパスで回避
→逆サイドに展開も使う
・基本的にバックパスはしない
・ゆっくりボール保持に移行、は最後の手段

ボス
こう見ていくと、我々にも理解できるな。まずはこのプレーを選ぶ、それがダメなら次、それもダメならその次という風になっている訳か。

特派員
ご理解いただけたようで。7月~8月でも守備→攻撃の部分はある程度出来てはいたのですが、9月は攻撃→守備の部分が特に良くなりましたね。ここが良くなってくると、チームの機能性は一層高まってくることも改めて感じました。

ボス
その部分、具体的に説明してもらえるかね。

特派員
守備→攻撃に移るためには、当たり前のことではありますが相手からボールを奪うというプレーが必要です。しかし、相手はもちろん簡単にボールを渡してなどくれません。だからこそ、相手からボールを奪うというフェーズの質を高めていかなければならないのです。それも回数を増やしたいならなおさらのことです。

ボス
なるほど、自分の得意なプレーを発揮するための環境を整備するということか。

特派員
今、主力として出ている面々はそうした切り替えの部分で質の高さを見せてくれることを評価して、ザーゴは起用しているのだと思いますし、ザーゴにとってはその部分が選手の起用の優先順位を決める一つのポイントになっているように私には思えます。

ボス
すると、今出場機会を減らしている面々はそうした点に不満があるということだな。

特派員
はい。ただ、もちろん試合に出られない選手にはそれに対する不満はあるでしょうが、チームとしてはしっかりとした評価軸が定まった中でメンバーが選ばれているので、決して悪いことではなく、むしろ健全なことではないかと。

ボス
今、試合に出られていない選手もそうした点でアピールできればチャンスはあるわけだからな。奮起して欲しいものだ。

前半戦を振り返ろう

ボス
9月が終わって、なんだかんだリーグ戦も前半戦が終わったことになる。ここまでをどう見る?

特派員
最初の頃はどうなることかと思いましたが、しっかり立て直してきましたね。今の順位はクラブの目標設定的に見れば決して満足できるものではないですが、客観的に見ればまずまずの成績なのではないかと。

ボス
序盤の連敗時には降格がなくてよかった…、などと思ったりもするくらいだったからな。ひとまず概ね順調といったところか。

特派員
これまで勝てなかった試合でも相手に圧倒された試合はほとんどないですかね。Jリーグ全体で見ると川崎フロンターレが予想外なほどに質も結果も抜け出していますが、その他のチームにそこまで大きな差はないですし、鹿島はその中でも若干上の方にいるかと思います。あとは、ここから抜け出して川崎Fに追いついていくことが目標になっていくかと。

ボス
それにしてもよく立て直したな。7月の時はこのスタイルが浸透するのに相当の時間がかかると覚悟したぞ。

特派員
ザーゴがチームや個々のスタイルや素質などを把握してからの微調整が的確でしたね。ジーコや満さんからのアドバイスもあったそうなんですが、ザーゴが外国でのプレーやコーチの経験もあったこと、特に日本でプレーした経験があるのは大きかったように思います。

ボス
チームとしてもブラジル人監督への対応は慣れていたからな。下手に我を通すこともなく、強化部の要望を押し付けることもなく、ちょうどいい塩梅だったのかもしれん。

特派員
当初はかなりボールを繋ぐことにこだわっていましたが、徐々に攻守の切り替えで相手を上回ることで主導権を握る戦い方にシフトしていきましたからね。今の鹿島にはそちらの方が勝つ確率が高いと、ザーゴが判断したのでしょう。

ボス
そんな中で個人についてはどう見る?特に気になった選手などいるかね?

特派員
新助っ人であるエヴェラウドとファン・アラーノがフィットしてきたのは大きいと思います。攻守において強度の高いプレーを披露してくれるので、チームのスタイルにも合っていますし。特にエヴェラウドはコンディションが良くなってきてから、そのパワーがJリーグでもトップクラスであることを示してくれました。早くも一つの基準となる2桁ゴールをクリアしたことを考えても、前半戦のMVPは彼を選びますね。

ボス
他に気になった選手はいるかね?

特派員
良い意味でのサプライズでは、やはり沖悠哉がレギュラーを奪ったことでしょう。足元の技術に長けたキーパーを起用することで、後方でボールを繋ぐことに対する安定感は格段に上がりました。最近ではキック一つで局面をひっくり返すような場面も見られるようになってきたので、引き続き期待してきたいですね。

9月のチームMVP

ボス
では、最後に今月のチームMVPを選んで、総括といこうじゃないか。

特派員
はい、今月は小泉慶を選びます。

ボス
本職はボランチだが、今はケガ人の事情もあって右サイドバックでプレーしているな。9月は5試合に出場して、うち4試合がフル出場。そして1アシストか。良かった点を挙げてくれたまえ。

特派員
決して目立つタイプのプレーヤーではないですが、広瀬陸斗がケガで、内田篤人が引退したことで抜けだ右サイドバックの穴を見事に埋めてくれました。上下動できるスプリント能力も高いですし、スタミナもあって連戦にも強いので、確実に計算が立つ存在として重宝されていると思います。

ボス
他にも何かあるかね?

特派員
元々ボールを奪う力の高さなど、守備の面の良さが光る選手でしたが、今は攻撃面でも良さが出ていますね。プレーの判断より速く、的確になったことで攻撃に厚みが加わるようになってきました。

ボス
仙台戦のエヴェラウドのゴールは、まさにそうした彼の良さが出たシーンだったな。では、最後に10月の展望も頼む。

特派員
チームとしての完成度は順調に上がってきたので、あとはその上昇のサイクルをいかに結果を出しつつ継続していけるかだと思います。9月は良い流れで来ましたが、最後の大分戦で敗れてしまっているだけに、次のガンバ大阪戦は連敗しないためにも重要な試合です。

ボス
具体的にはどうしていくべきかね?

特派員
この良い流れに乗り切れていない選手を乗せてあげられるようにすること、ボール保持の崩しの質を高めることだと思います。前者に関しては連勝中は15~16人のコアメンバーを中心に戦って、それ以外のメンバーはかなり出場機会が限られてしまいました。彼らがチームのスタイルにフィットすることが出来てくれば、競争が生まれまたチームが活性化されると思います。先程も述べた通り、今の選手起用に不満な点はありませんが、彼らがザーゴの頭を悩ませるくらいのパフォーマンスを期待したいですね。

ボス
もう一つの点についてはどうだね?

特派員
大分戦では追いかける展開となってから、中々相手の守備を崩し切ることが出来ませんでした。連勝中は先に点を奪う展開が多かったため、そもそもそうした機会があまり訪れず、チームとしても引きこもった相手の守備を崩すような展開に持ち込ませない試合を理想としているのは確かです。ただ、大分戦のように常にそうした試合に出来るとは限りませんからね。そういう部分でのレベルアップは必要だと思います。

ボス
たしかに、何でも出来るチームの方が強いのは間違いないし、そうしたチームが今は世界の主流になっているからな。チームの成長を楽しみにしたいところだ。

特派員、ご苦労だった。引き続き、調査にあたってくれたまえ。

ここから先は

0字

¥ 200

遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください