見出し画像

【MF&FW&監督&強化部編】2023鹿島アントラーズ選手別最終通信簿

GK&DF編はこちら


MF

土居聖真

リーグ:24試合(7試合先発)出場2ゴール
ルヴァン:7試合(2試合先発)出場
天皇杯:2試合出場

おそらく全盛期の土居聖真なら今季やろうとしていたスタイルはドンピシャで合っていたと思う。ハードワークを続けながら、スペースに顔を出して、受けて出してを繰り返し、時に自ら仕掛けてゴールに迫る。良い時の土居はこれが全部レベル高くできていた。だが、土居は年々確実に動けなくなってきている。だから強度の面が影響して、最後までメンバーには入るものの、スタメンで起用されるまでに序列を上げることはなかった。結構器用になんでもできるので、来季以降もそれなりに使われるとは思うのだが、そろそろプレースタイルを変えることを考えても良さそうな気はする。ハードワークができなくなった本山雅志はトップ下でチャンスメイクに専念することで、スーパーサブとしての地位を築いた。土居にもそんな変化があってもいいと思うのだが。

荒木遼太郎

リーグ:13試合(3試合先発)出場
ルヴァン:5試合(5試合先発)出場1ゴール2アシスト
天皇杯:2試合(2試合先発)出場1アシスト

荒木遼太郎がここまで輝かなかった理由は何なんだろう、とこのところずっと考えている。まず、とにもかくにもフィジカルコンディションが良くないんだろうとは思う。ベテランなのか、っていうくらいには走らないし、レスポンスも遅い。狭いスペースに入り込んでパスを引き出して、そこからシュートなりパスなりドリブルなりでゴールを狙うタイプの荒木にとって、そのスペースに反応が遅くて入り込めないというのは致命的だろう。その上で、自分を見てくれることが前提でプレーを成り立たせようとしているので、他者のアクションが自分の思うようにいかないと輝けないというのは、鈴木優磨がいて、まずチームメイトは彼を見ている現状ではかなりキツいものがある。ただ、いずれにせよこれくらいのタレントをこのままにしておくのは大問題だと思うので、やはり一回環境を変えた方がいいとは思う。ある程度の秩序と強度を求める中で、もう一度良い時の感覚を戻してほしいなと。

樋口雄太

リーグ:33試合(31試合先発)出場3ゴール13アシスト
ルヴァン:3試合(2試合先発)出場
天皇杯:1試合出場

今季の鹿島の得点数が上から数えた方が早かったのは間違いなく樋口のおかげだと思う。というわけで、個人的にはチームMVPです。おめでとうございます。スゴかったのは、とにかくセットプレーでの精度の高さ。樋口のキックがあるからこそ、強力なターゲットを活かすことができていた。常にハードワークを続けて、その中でオンザボールもオフザボールも質高くプレーし続けることができるので、今季の2列目でスタメンを張り続けたのも納得だろう。2列目で使うにはもうちょっとゴールへの意識を強めたいのはあったし、ボランチであまり使われなかったのは4-4のブロック守備を考えた時に中央の強度がどうしてもピトゥカや佐野に比べて落ちてしまうからだろう。来季どういう使われ方をするかは監督次第だろうが、あのセットプレー精度を考えれば間違いなく主力で使われるはずだ。

藤井智也

リーグ:22試合(9試合先発)出場1ゴール1アシスト
ルヴァン:5試合(2試合先発)出場
天皇杯:2試合(1試合先発)出場1アシスト

他クラブが使わないのにはわけがあるんだな、という感は否めなかった。足はとにかく速いし、正対した状態でドリブルを仕掛ければ大抵の相手はぶち抜ける。だが、その状態を味方が作り出してあげないと能力が発揮できないし、ぶち抜けてもその先がない、というのが最後までネックだった。ポジショニングが大外に張る以外の選択肢が基本的にないし、シュートやクロスの質も低いし。岩政さんも裏抜けやらせるなどかなり試行錯誤してたのだが、オフザボールの質はそんなに高くなかったし、左サイドにこだわらず右サイドでひたすら仕掛けてクロスやらせてた方がまだ良かったのではないか感があった。今季は鹿島1年目だったので来季もいそうだが、似たタイプの松村がブレイクしかけてる感があるので、来季の立場はかなり危うそう。

アルトゥール・カイキ

リーグ:13試合出場2ゴール
ルヴァン:4試合(3試合先発)出場2ゴール
天皇杯:1試合(1試合先発)出場1ゴール

コンディションの波が例年以上に大きかったのもあるが、とにかく動かないと始まらない今季のスタイルがカイキとは最後まで合わなかった。自らアクションを起こすよりも、味方のアクションに合わせてポジショニングを取り、その中で一番自分が活きるプレーを選択するというのは、本来ならJリーグに向いていると思うし、サイドでの強度や空中戦の強さは最後まで相手にとって脅威だっただけに、今季の上手く使えなかった感は否めないだろう。来季も確実に稼働してくれるかはコンディション次第なだけに、そこを信じて契約するという選択肢は選べないのはまあ理解できる選択である。動けるなら、他のJクラブでも活きそうな気がする。

柴崎岳

リーグ:3試合(1試合先発)出場1アシスト
ルヴァン:1試合出場1アシスト

ついに帰ってきたスター。やはり止める蹴るのレベルが周りに比べて一段階高いし、慌てずにボールを持てるあたりは、どこか急ぎがちだった今季の鹿島の中でいいアクセントになっていた。守備でも思ったより計算できそうな感はあっただけに、ケガで離脱してしまったのは痛かったが、元々今季は移籍期限ギリギリで復帰が決まっただけに、真価を問うべきなのは来季以降だろう。来季こそは90分戦える運動量で、フルシーズン働いてほしい。柴崎みたいな存在が一つ上のレベルを黙々と示してくれることで、チームの基準も高めることができると思うので、マジで違いを見せてほしい。

ディエゴ・ピトゥカ

リーグ:31試合(31試合先発)出場3ゴール1アシスト
ルヴァン:5試合(5試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場

例年に比べて、今季のピトゥカの働きはどちらかというと地味な役回りだったと思う。攻撃では組み立てで味方のサポートをしながら展開して、守備では最終ラインに生まれたスペースを埋める。この役割をレベル高く、ピトゥカはこなしてくれていたので、だからこそ逆にいなくなった時にそれを痛感することになってしまっていた。フィジカルレベルが高いが故に、戦っても走っても負けないので、低い位置でのプレーも難なくこなしてくれていたのは大きかった。ミドルの精度と展開力がもうちょっと高ければいいなーとは思っていたが、そんな人はそもそも鹿島に来るわけないし。移籍がほぼ確定になってからもプレーの質が全く変わらないのはプロだなと思った。アディオス。

小川優介

出場なし

今季一度も試合に絡めなかったうちの1人。練習試合で観た時なんかは、元々のボールスキルに加えて、スペースを見つけて動き出してボールを呼び込むといった認知のスピードも上がっていたが、じゃあそれをJ1トップレベルの中でも同じように発揮できますか?ってところで、最後まで信頼を得られなかったことがこの出場成績に繋がっているのだとは思う。プロ入り3年で天皇杯の途中出場1試合のみはかなり厳しいし、来季はおそらく出ていくことになるだろう。小川みたいな鹿島にずっといる選手より、いわきに行った下田みたいな選手の方が試合にも出られるし成長できているという事実は、色々と考える必要のある事柄だろう。

佐野海舟

リーグ:27試合(23試合先発)出場1ゴール
ルヴァン:7試合(5試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場

前半戦の時点でレベルが違うのはわかっていたが、それが世間にいよいよバレてしまった感がある。自分のテリトリーに誘い込んだらあっという間にボールを刈り取ってしまうし、ボールを持てばどんどん前へと持ち運んでいく。チームの流れを良い方向に変えてくれるプレーをシンプルにやってくれるので、ボランチでもサイドバックでも良さが出やすいんだろう。サイドバックなんて、プレッシャーの薄いサイドだったら1人で20m以上運んでくれるわけだし。日本代表にも選ばれたことで、いよいよ海外移籍へのカウントダウンが始まった感があるが、個人的にはもうちょっとパススキルとかコーチングとかを鹿島で鍛えた方がいいんじゃないかなー、でも鹿島でそれを鍛えてくれる環境はないんだよなー、って感じです。

須藤直輝

出場なし

シーズン最初の練習試合を観た時に「ちょっとしんどそうだな…」と思ったのだが、その通りになってしまった。ボールを持ったらガンガン仕掛けて行くプレースタイルはいい。問題はその打率が高くないこと。半分くらいの確率で相手に取られてしまうし、それ以外のところでミスを取り返す何かがあるわけでもない。味方に使ってもらってナンボのプレーヤーでその状況だと、中々試合に絡むのは難しいだろう。鹿島での2年間ではルヴァンカップ1試合しか出られていないのは小川とほぼ同じなので、おそらく来季はいない。今季戻したことの是非も含め、考える必要性はある。

松村優太

リーグ:20試合(5試合先発)出場2ゴール1アシスト
ルヴァン:5試合(3試合先発)出場2ゴール
天皇杯:1試合出場

本当ならもっとブレイクしていてほしかったのだが、やっとその一歩手前まではきた。スピードあるドリブル以外にも、オフザボールでの動きの質が高まってきており、中でも外でもプレーできるようになってきたことが大きい。プレー判断もトンチキなものはかなり少なくなってきたし、フィジカル面で戦えるようにもなってきた。これをシーズンの頭からできていればよかったのだが…。あとの課題は、ゴールとアシストの数を増やすことと、低い位置や後ろ向きのプレーでも貢献度を上げること。来季は五輪もあるので難しいシーズンにはなるが、もっと突き抜けてほしい。

名古新太郎

リーグ:14試合(9試合先発)出場1ゴール1アシスト
ルヴァン:2試合(1試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場

輝きは長続きしなかった。チームが立て直した4-4-2への回帰で2列目に起用された時は、ハードワークを続け、スペースに顔を出し、ボールスキルも高いことが評価されていたが、サマーブレイク明けにケガで出遅れるとそこから序列が元いた場所に戻ることはなかった。佐野が戻ったことで樋口が2列目に回ったこともあるが、ボランチだと守備強度で不安が残る、2列目だと途中からリズムを変えてくれるタイプではないためにキャラが立っている松村や藤井に出番が回ってくるので、ベンチスタートでも使いづらかったというのはあるかもしれない。セットプレーで存在感を見せられる樋口、後ろ向きでもプレーできる仲間と比べて名古はどこで違いを見せられるの?、という部分を解決できない限り、中々この2人を上回ることは難しいだろう。来季もいてくれたら助かるが、出場機会を求めることになっても不思議ではない。

仲間隼斗

リーグ:27試合(20試合先発)出場1ゴール1アシスト
ルヴァン:6試合(4試合先発)出場2ゴール
天皇杯:2試合(1試合先発)出場

困った時の仲間隼斗、だった。攻撃の打開点を作りたい時、チームの流れが停滞してしまった時、目につくのは仲間のアクションだった。仲間の場合、アクションを続けることができることに加え、他の2列目と違うのは相手を背負ってもプレーができること。タメを作ることができるので、優磨が下りた時に代わりに前線に入ってもプレーできる、というのが大きな魅力だった。守備でも動き続けることができるのも大きかったが、動きすぎてしまうことと、プレーに躊躇がないため、ファウルの数が多かったり、展開として落ち着かなかった部分もあるが。ただ、クラブとして評価は難しい。仲間がいなければ今季の鹿島は成り立っていなかったが、仲間よりもっとスペシャルな選手が現れずに、仲間がいつまでもスタメンで出ているようだとおそらくこれ以上上にはいけない、というジレンマがある。このあたりのマネジメントは気をつけないと若手のモチベーションにも影響してくるだけに、オフから注視すべき案件だろう。

舩橋佑

リーグ:8試合出場
ルヴァン:2試合(2試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場

仲間隼斗がとにかくアクションを起こしていくのに比べて、舩橋はその動きが最後まで薄かった。身体もそこそこ強いし、そこそこ走れるし、ボールスキルもそこそこある、それなのに使われなかったのはその辺りが影響しているのではないだろうか。今季の鹿島は自らがアクションを動かしていかないと状況は変わらないのでそこが求められているのに、舩橋はその発信力が弱かったのだ。試合経験や本人のレベル感を考えると、来季は他所で試合経験を積ませた方がいいと思うが、ザーゴやヴァイラーが舩橋を結構起用していたように、明確なゲームプランを持つ外国人監督の下ならプレータイムを得られるのでは…?という予想もあり、そこは難しいところである。

中村亮太朗

リーグ:3試合出場
ルヴァン:3試合(3試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場1アシスト

今の鹿島で中村を使うなら、もっとボール保持にこだわる必要があったし、もっとトランジションの機会を減らすようなスタイルに変える必要があった。ただ、中村にそのスタイルを変えさせるほどの影響力はない。そうなると、どうしてもプレーエリアの狭さだったり、スピードのなさというのがJ1の舞台ではしんどくなってしまう部分がある。甲府に戻り、ボランチで不動のレギュラーになったのは良い決断だったのではないだろうか。片道切符だと思うので、来季もおそらく甲府でプレーすることになるだろう。まずはクラブをACLで次のステージに進められるようにがんばってほしい。

FW

知念慶

リーグ:21試合(11試合先発)出場5ゴール
ルヴァン:4試合(1試合先発)出場

加入が決まった時に知念についてこんなことを書いていたが、まあ大体予想通りだったのではないだろうか。ケガでいなかったことを差し引けば、稼働率に対する得点数はまずまずといったところだろう。ボールスキルは高いし、ジャンプなどの無理が効くという意味での身体能力はFW陣の中でもトップレベルに高かったが、とにかくプレーが正直すぎるのだ。相手を出し抜こうとか、裏を取ろうとか、そういうことはせず、とにかく自分の身体能力をまっすぐ相手にぶつけにいく。それだと、J1の守備陣相手だとどうしたって苦しいところが出てしまうし、特に攻撃で完璧に崩せるわけではない鹿島だと余計にそうなってしまう。なので、垣田より序列が下がってしまうのも納得ではあった。来季もたぶんいると思うが、チームが今季の攻撃のクオリティと変わらなければ、よっぽどコンディションが良くない限り、同じ扱いにはなりそう。本人的にそれでいいのか、という問題になってくるのだが。

染野唯月

リーグ:5試合(1試合先発)出場
ルヴァン:3試合(2試合先発)出場1ゴール
天皇杯:1試合(1試合先発)出場1ゴール

夏まで鹿島にいる時はなんともイマイチなパフォーマンスだったが、東京Vに2度目の武者修行に行ってから雰囲気が変わりつつある。佐藤凌我らがいた昨季と違って、明確に自分がCFの一番手、基本的にエースとして90分フル出場させてくれるという立場が変わるきっかけとなったのか、フィジカルバトルも苦にせずこなすようになったことで、10番だけでなく9番のタスクもこなせるようになってプレーの幅が広がり、ゴール前にいるようになったので得点機会もその分増えるようになった。プレーオフ決勝のPK奪取はそう考えると、ただのラッキーではないだろう。来季、J1の守備陣相手にも同じパフォーマンスができるのかどうかは気がかりだし、もう一年東京Vでエースとしてやらせてもいいとは思うが、今の染野だったら優磨からポジション奪えるくらいにはやってくれるかもしれないから戻してもいいのでは…?、という気もしている。

エレケ

リーグ:2試合出場

たぶん我々がエレケに求めているプレーは、あのフィジカルを活かしてガンガンゴール前に飛び込むようなプレーだろうし、逆にエレケ自身はサイドに開きながら足下にボールを入れてもらってそこからドリブルで仕掛けるプレーがやりたいのだろう。このギャップが最後まで噛み合わなかった。最もエレケのやりたいプレーって、Jリーグだとエレケ以上に得意な選手いっぱいいるし、だったらそのフィジカル活かしなさいよってなるのは当然なのだが。契約満了は妥当だろうしこれ以上何か言うことはないのだが、クラブはもうちょっと母国語の通訳をちゃんとしてあげてほしい。英語だったら、英語のプロを呼んできなさいよ、と。

師岡柊生

リーグ:4試合(1試合先発)出場1アシスト
ルヴァン:4試合(2試合先発)出場
天皇杯:1試合出場

開幕前のチームの低調さに引っ張られるようにして迷子になって埋没してしまった感もあったし、なまじ器用で色々できるだけに余計に迷子感を強めてしまっていたが、夏以降はどこか吹っ切れた感のあるプレーを見せた。とにかく前へ裏へ走る、ガンガン身体を張る、というプレーはシンプルながらも、そうしたアクションが減っていた鹿島にとっては良いアクセントになっていた。その分、ボールロストもミスも多かったし、オフサイドにも結構単純に引っかかっていたけど。本来なら来季もこの調子で伸びてくれればと思うのだが、正直最終節のパフォーマンスだとJ1で戦うにはちょっと厳しいと思うところもあり、そう考えるとチームが師岡を育てるんだという目標でもない限り、他所で出場機会を与えてあげた方が幸せになりそうな気がする。

垣田裕暉

リーグ:29試合(19試合先発)出場4ゴール1アシスト
ルヴァン:4試合(3試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場1ゴール

優磨の相方として身体を張り続けた。多少不利な状況でも相手を背負ってタメを作ったり、クロスに飛び込んでチャンスを作ったりと、フィジカル面で違いを見せられるだけに、スタイルの完成度が上がらなかった鹿島にとって前線に垣田がいることのメリットは大きかった。守備でも、スタミナ尽きるまで走ってくれるし。問題は決定力だろう。出場時間に対してのゴール数は少なすぎるし、チャンスを結構外していた。おそらく、ゴールパターンが多彩なタイプではなく、形を作れば確実に決めてくれるフィニッシャータイプなんだとは思う。来季は新たな9番のライバルが加わるのでそことの勝負になるはず。ゴール数で競えるようになりたい。

鈴木優磨

リーグ:33試合(33試合先発)出場14ゴール5アシスト
ルヴァン:7試合(3試合先発)出場1アシスト
天皇杯:1試合出場

14ゴール5アシストという成績は、自身が掲げていた「ゴールとアシスト合わせて25」というものには届かなかったが、及第点を与えられるものだろう。ゴール前の勝負強さは昨季以上に光ったし、やはりアタッカーとしてのスキルはチームで一番高いと思う。だとしても、運動量の少なさは気になるところ。90分プレーすることを前提にペースコントロールしているのだろうが、プレーエリアが広い割に走行距離もスプリントも基準値に比べれば明らかにイケてないし、走れていない。問題なのは、優磨中心のチームになっているので、その優磨のペースに周りも合わせるように落ちてしまっているところ。ここを改善できれば今のメンバーでももっとゴール数は伸ばせると思うだけに、タスクの部分でもフィジカルの部分でも改善させたいところ。

監督

岩政大樹

色んなところに気を遣いすぎたんだと思う。選手たちのパフォーマンスやポテンシャルも高く買っていた分だけ期待値も高く見積もっていたのだろうし、その中で自身が監督初経験なこともあってモチベーションの低下には敏感になっていたしと、そうした色々なことを考慮した結果として、今季勝つことを追い求めることも、スタイルの完成度を上げていくことも、中途半端になってしまった。そこは岩政さん個人の責任もあるだろうし、クラブとして岩政さんにどういうオーダーを出すのかというところが曖昧になったという部分の責任もあるだろう。まあ、大型補強ができなければこれ以上チームが大幅に上積みされる要素はあまりなさそうなので、退任は妥当な判断だと思う。ただ、鹿島でこの成績はめちゃくちゃ悪いわけでもないので、岩政さんは普通に次の機会があると思うので、そこからが岩政さん本人にとって本当に試される場所になるだろう。

フットボールグループ

よくもまあここまで悪手を重ねられるな、という感じは否めない。まず大前提としてあるのは、鹿島は昔ほど他クラブに比べてお金を持っていないということ。地理的なハンデもあるし、だから獲得先はJ1上位クラブの控えクラスか、中位以下の主力クラスに限られるし、そうじゃなきゃ元々パイプのある選手を取り戻してくるしかない。物量で上回るのは現実的ではないのだ。なので、戦略でなんとかするしかないのだが、その戦略は新人監督に放り投げてしまうのは、お金を稼ぐ手段としてバイトとかじゃなくて、年末ジャンボに全額ベットして当たれー!と祈っているようなものであり、そりゃ上手くいかないでしょ、と思わざるを得ないのだ。せめても岩政さんに任せるなら、継続できるような戦い方の指針をある程度設定してあげるべきだったし、それに応じた目標のステップ設定をしてあげるべきだったのだが、その辺も弱かった。そもそも岩政さんのスタイルって、個々の良さを活かそうってスタイルであって、個々がいることが前提なので、それは近年のすぐ選手が欧州に行っちゃうって問題に対しては、あんま解決できていないのに、なんでそれを進めていったのかは疑問符が残るところである。まあこれと同じようなことは今まで散々言ってきたし、正直もうあんま期待していないので、おねがいするのはなんとかまともな監督連れてきてください。それで、途中でやっぱなしとか言わないでください。おねがいします。

遠征費とスタグル代に充てるので、恵んでください