《狡猾な侵入者、魁渡》の狡猾すぎるSNS戦略! ファウンデーションズ収録プレインズウォーカーたちをチェック!
やあみんな、武えのきだ。
ファウンデーションズ発売が近づいて収録カードがどんどん発表されているね。ファウンデーションズのコンセプト的にそこまで尖ったカードは収録されないんじゃないかと思っていたけど、使ってみたいカードもちらほらあって、発売を心待ちにしている次第だ。
プレインズウォーカーも5色分発表されておそらく出揃ったと思うので、今日は彼らをチェックしていきたいと思う。
それでは始めていこう。
群れの統率者アジャニ
《群れの統率者アジャニ》は基本セット2013からの再録だね。この頃はまだプレインズウォーカーや伝説のクリーチャーのカード名にに読点を付ける方針じゃなかったらしい。今だったら「群れの統率者、アジャニ」ってなりそうだよね。
カードパワーとしては正直構築で見ることは滅多に無さそうなスペックだね。奥義以外の忠誠度能力が自分の戦場にクリーチャーが居ないと役に立たない点が、除去が強い構築ではしんどいと思う。
まあ、モダホラ3で収録された《ナカティルの最下層民、アジャニ》がモダンでも一線級の強さだったから、ファウンデーションズ収録のアジャニはこれくらいで良いのかもしれないね。
ちなみに、今回収録されているプレインズウォーカーたちはフルアート版基本土地のイラストにも登場している。なかでもアジャニが登場している《平地》は抜群の美しさなので、《群れの統率者アジャニ》本体はデッキに入れられなくてもこちらは是非とも入れたいところだね。
戦慄衆の将軍、リリアナ
《戦慄衆の将軍、リリアナ》は灯争大戦からの再録だね。トークンを出して自分を守ることも出来るし盤上のクリーチャーに触ることも出来るけど、今の基準ではこのカードパワーで6マナはちょっと重たいかなと感じる。とはいえ、最近はプレインズウォーカーに対処できる除去が重視されていない傾向があるし、ミッドレンジ対決では不利局面を互角に戻すくらいのパワーがありそうだから、サイドに1枚くらいは採れるのかな? 使ってみたいね。
リリアナは基本地形《沼》のイラストに登場している。どこかストーリー性を感じる、神秘的で奥行きのある一枚だね。
ビビアン・リード
《ビビアン・リード》は基本セット2019からの再録だね。
+1能力は手札に加えるカードタイプに制約が有るとはいえ、ライブラリトップ4枚から好きなカードを選べるのは強いね。《ボイラービルジの大主》のように盤面に触れるクリーチャーと組み合わせると、5マナにしては盤面に干渉する力の弱い《ビビアン・リード》の弱点を補えると思う。
-3能力もエンチャントタイプや飛行を持つクリーチャーが多い現環境と噛み合ってるね。《ドロスの魔神》や《ホーントウッドの大主》を破壊しながら出せたら大分有利になると思う。緑だとあんまり困らないとは思うけど、《ウラブラスクの溶鉱炉》あたりを壊せるのも大きいね。
最初見た時は5マナにしては悠長かなと思ったけど、よく考えると-3能力が環境に噛み合っているので、現環境でもなかなかやるんじゃないかなと思ったよ。
ビビアンは基本地形《森》のイラストに収録されている。光の差し込む綺麗な森のイラストで、冒険心がくすぐられるね。
整炎師、チャンドラ
《整炎師、チャンドラ》はファウンデーションズでの新録カードだね。
-4能力で盤面を一掃できるから残りやすいし、継続的にアドバンテージを取れるから残れば勝つんだけど、7マナという重さが最大の問題だね。7マナを安定して出すにはマナサポートカードを入れることになると思うんだけど、それをすると+2能力でマナサポートばっかり捲れるってことになりかねないよね。そのあたりがちょっとちぐはぐに感じたよ。そもそもマナ加速してまで7マナ出すんなら他にも勝ち手段は色々あるからね。
ただ、《ボイラービルジの大主》《ホーントウッドの大主》《ベイルマークの大主》《世界魂の憤怒》あたりと組み合わせたジャンドランプは成立するかもしれない。《ベイルマークの大主》で墓地に土地を落としつつ後続を探し、《世界魂の憤怒》や《ホーントウッドの大主》でマナ加速して《整炎師、チャンドラ》で《ボイラービルジの大主》をコピーして勝ち切るってプランだ。どうだろう? いや、やっぱり無理かな……
チャンドラは基本地形《山》に登場している。この場所はチャンドラの故郷、カラデシュ次元かな? ファイレクシアとの闘いを終えたチャンドラが故郷に帰ってきた様を描いたイラストかもしれないね。
狡猾な侵入者、魁渡
《狡猾な侵入者、魁渡》もファウンデーションズでの新録カードだね。
これでクロックパーミッション組んでください! ってウィザーズさんの声が聞こえてくるようなカードだよね。このカードはさすがに使われるだろうね。
まず3マナと軽いのに-2能力でトークンを出せるのが良い。トークン自体も2/1とそこそこ強めだしね。《悪夢滅ぼし、魁渡》とはマナカーブが噛み合っている上にあちらの+1能力で忍者トークンを強化できるから相性が抜群だね。
+1能力で対象クリーチャーへのアンブロ付与に加えてルーティングが出来るのも嬉しい。アンブロ付与は《永劫の好奇心》や《悪夢滅ぼし、魁渡》でカードを引く助けになる。戦闘ダメージが通れば自身の忠誠度も上がるから、実質+2能力だと言えるね。ルーティングも引きすぎた土地を捨ててカウンターを引き込めるから便利だね。
-9能力も意外と使う機会があるんじゃないかと思ってる。1,2ターン目に飛行クロックを展開しておいて、《狡猾な侵入者、魁渡》を出した後にアタックしてダメージを通し、その後に+1能力を使えば3ターン目に忠誠度6まで行くからね。それはさすがにやりすぎとしても、常在型能力で忠誠度がぐんぐん上がるから奥義発動は結構容易な気がするよ。
カードパワーが高いだけじゃなく、イラストも3種類あるしそのどれもがカッコいい。ウィザーズさんはこれから魁渡を推していくつもりなんだろうね。僕はその方針に賛成だ。マジックの未来のために美男美女はどんどん推していこう!
そんな強くてカッコいい魁渡さんは基本地形《島》のイラストに登場しているわけだけど……これが問題の一枚だ。SNSでも話題になったからご存じの方も多いかもしれない。論より証拠、さっそく見て頂こう。
そう、我らが魁渡さんはまるで温泉にでもつかるような風情で池でくつろいでおられるのだ。しかもその池には鯉が泳いでいる。絶対生臭いだろ……。あと、池に気を取られてあんまり言及されてないけど後ろに置いてる刀、それ抜き身じゃない? 大丈夫? 普段から抜き身で持ち歩いてるの? 友達とか何も言わない?
……事程左様に、カードパワーでプレイヤーの関心を集め、3種のイラストでコレクターを魅了し、さらに基本地形イラストで敢えて奇態を晒すことでバズを狙うという狡猾すぎるSNS戦略を打ち立てる抜け目のない男、それが漆月魁渡だ。マジック:ザ・ギャザリングの未来はひとえに彼の双肩にかかってあることを僕は信じてやまない。
総括
《狡猾な侵入者、魁渡》さんが全部持って行った感はあるけれども、全体として、既存のキャラクターとそのファンを大切にした、とても良いセットになりそうだなという印象だね。基本土地カードにプレインズウォーカーたちを登場させるという方針にそれが表れていると思う。
もちろん、カードとしての弱さが目立つというのはある。5年も使えるセットのカードが強すぎたら今後発売するセットのカードが使われなくなってしまうからね。その観点でいえば、こういうセットのカードはちょっと弱いくらいが丁度いいはずで、むしろしっかり使われそうな《狡猾な侵入者、魁渡》のほうがおかしいとも言える。
ただ、競技シーンで使われるカードばかりが良いカードじゃない。カードというのは、イラストを見て、コレクションをして楽しむものでもあるからね。今回のファウンデーションズは今後発売されるセットとのバランスを取りつつも、カードとして魅力的なカードを供給してくれるセットになるんじゃないだろうか。
それじゃあ、また。
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