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え? それ飲むんだ…… 《頭蓋骨酒の大鍋》を発掘!【MTGイニシエカード発掘隊】

やあみんな、武えのきだ。

今日は2006年発売のディセンションというエキスパンションから、《頭蓋骨酒の大鍋》という、グロテスクすぎる名前のカードを紹介するよ。

これ飲んでライフ回復するの……?
えぇ……?

《頭蓋骨酒の大鍋》は4マナのアーティファクトで、タップで1点のライフを得る能力と、タップに加えてカードを1枚捨てることで3点のライフを得る能力の、二つの起動型能力を持つ。

この名前と見た目でライフゲインする能力を付けるブラックさがいかにもマジックだよね。日本酒の骨酒はあくまであぶった骨がお酒に入っているだけだけど、この頭蓋骨酒は明らかに中身も入ってそうで絶対に飲みたくない。カードギャラリーを見る限りでは、ディセンションは別にホラー的な雰囲気の強いエキスパンションじゃないから、余計にこのカードが際立っている。

フレーバーテキストもなかなかゴシックホラー感に溢れていて良い感じだ。画像では文字が潰れて読みづらいだろうから、下記に引用しておくよ。

一度味わえば、頭蓋骨酒の風味はいつまでも喉に残り、禁じられた喜びに参加した者に見えざる罪の焼印を押す。

"頭蓋骨酒の大鍋|カードギャラリー|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト".マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト.https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000020/107326/

そんな独特の雰囲気を持つ《頭蓋骨酒の大鍋》なんだけど、カードの効果自体は弱いと感じた人が多いんじゃないかと思う。毎ターン起動できるとはいえ1点ライフゲインが戦況に与える影響はそれほど大きくないし、カード1枚捨てて得られるライフがわずか3点なのはちょっと割に合わないからね。

ただ、おそらくこのカードはリミテッドでそれなりに使われたんじゃないかと僕は考えている。というのは、ディセンションでは赤黒に「暴勇」という能力が割り振られていたからだ。

「暴勇」とは、自分の手札にカードが無い場合に発動したり、起動できるようになったりする能力だ。つまり、「暴勇」持ちのカードは自分の手札にカードが無い時に強く使えるわけだね。今でも使われている有名な「暴勇」持ちのカードには《冥府の教示者》がある。レガシーのコンボデッキANTのキーカードだから、知ってる人も多いんじゃないかな。

《ライオンの瞳のダイヤモンド》で無理やり手札を空にして《暴勇》を達成する

「暴勇」シナジーでデッキを組んだ場合早く手札をダンプして空にしてしまいたいんだけど、手札を狙って空にするのは簡単なようで結構難しい。マジックでは土地は1枚ずつしか置けないからね。土地を引きすぎて要りもしない土地が手札にあるせいで「暴勇」が達成できないケースは容易に想像できる。

そこで《頭蓋骨酒の大鍋》の出番だ。普通のデッキだったら3点ライフゲインの代償にカードを捨てるのは損が大きすぎるんだけど、「暴勇」デッキなら話は別だ。《頭蓋骨酒の大鍋》があれば、要らない土地やカードを捨てて速やかに「暴勇」を達成して盤面を強化するとともに、ライフレースまで有利にすることができる。

つまり「暴勇」デッキの潤滑油として《頭蓋骨酒の大鍋》は使われたんじゃないかと僕は考えているんだ。全部推測だけどね。当時を知る方は、そのあたりのことを教えてくれるととても嬉しい。

というわけで、今日はグロテスクすぎる名前を持つカード、《頭蓋骨酒の大鍋》を紹介させてもらったよ。最初見た時は弱いと思ったカードなんだけど、他のカードと照らし合わせてみると刷られた理由が徐々に見えてきて、その過程がなかなか面白かった。

それじゃあ、また。

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