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恐怖政治クラス

さて、ずっと登録してあったnoteを放ったらしにしておくのもいけないし、Amebaのblogには秋元才加ちゃんのファンも見に来るし、仕事の告知もするので、あまり重たい話も書きづらい。

Facebookもやってはいるけど、一般公開はしていない。同業者や同級生などある程度プライバシーを明かしても問題なさそうな人とのつながり用にしてある。

mixiは生誕祭実行委員会用だし、誰も日記なんて読んでないしね…だから時々過去に書いておいて非公開にしておいた日記を今頃公開する遊びをしたりしてるけど(笑)

さてと、長い枕に付き合ってくれてありがとう。

ここからタイトルにある「恐怖政治クラス」のお話。


ボクが通っていた小学校は当時ですでに創立100年になろうかという歴史のある市立小学校だったんだけど、子供の足で通うには20分くらいかかったんだ。途中にHKT48の指原さんが通っていたんじゃないかと言われているO中学もあったかな?
家と学校の間には日豊本線の踏切があって、通学時には長い間踏切が降りていて、途中でお腹が痛くなって我慢ができなくて漏らしちゃったのも今ではいい想い出。


早くも脱線。踏切だけに。こら!


そういう経緯もあってか、親が気づいてなかったのかもっと近くにO小学校というのがあって、3年からはそっちに通うことになった。

そこに不思議な支配力を発揮する男の子がいたんだよね。

特に成績がいいわけでもない、少しカラダが大きくて運動神経もずば抜けてはいないけど、中の上くらい。名前は忘れた。仮にNくんとしよう。

親御さんは銀行にお勤めだと聞いた覚えがある。

彼がすごかったのは「お金で人を縛る」「相手の弱みにつけこむ」「ウソの報告をする」という1970年代の小学3年生としてはちょっと想像のつかないことを、自然にやっていたこと。


小学校の近辺には駄菓子屋がつきもので、まず彼はそこで同じクラスの仲良くなった子に「奢る」するとなんとなくグループができていって、なんとなくNくんと仲良くなりたくなる人が増える。

放課後もNくんと遊ぶ子が増える。
○◯ごっこの主役はいつもNくんという状態になる。

小学校三年くらいだからワガママざかりのコは他にもいて、次はボクが…というといったんは譲るんだけど、周りのコを利用して潰すような遊び方をする。

誰が足が遅いかとか、相撲が強いかとかもよく観察していて、こいつは強そうだと思ったら絶対に一対一にはならない。周りの腰巾着数人をけしかけて押さえつける。そこまでならまぁいい。

当時はカラーテレビが各家庭に普及し始めていた頃で、まだ白黒テレビしかない家の子はなんとなくはずかしい思いをしていて、なかなか「ウチはまだ白黒」って言い出せない時に「カラーテスト」っていうのを思いついたんだよね、Nくんは。

例えば「仮面ライダー2号のマフラーの色は?」とかそういう一見他愛無い質問。これだけでカラーテレビか白黒テレビかバレちゃうんだよね。

そうそう仮面ライダーといえば当時流行っていたライダーカード。
Nくんは金に物を言わせて箱買いしてたからね。お菓子を片付けるのは僕らの役目。それでも出ないカードは当然パッチン(面子遊び)をやるんだけど、Nくんだけ攻撃ターンが5回とかそういう一方的なやりかた。

ボクもそうとう頭にきて何度も喧嘩したんだけど、ボクは泣きながら激昂するタイプだったので逆に一対多数で弄ばれてしまって、本当に悔しい思いをした。

さらにNくんの恐るべきところは、クラスの男子20人くらいだったけど、どうしてもなじまない5人位がいる。彼らもNくんに逆らうとどうなるかはだいたい分かっているので黙ってるんだけど、もしなにか言おうものなら帰りの会で腰巾着の数人に「先生○◯くんが買食いしてました」とか「掃除をサボっていました」とか言わせる。するとクラス中がそうだそうだという雰囲気を醸し出すんだ。

さらに自分のことも「Nくんがどこそこでゴミを拾って、ゴミ箱に入れているのを見ました」とか報告させるのね。自作自演。


だから担任の先生はすっかり信じてしまっていて、ボクも親に報告はするんだけど、まぁ直接Nくんの親に直にクレームを付けることはなかったかな。ひょっとしたら親が銀行員という情報は、一旦親同士でそういう話はしたのだけれど…という過程で出てきたのかもしれない。
親の帰りも遅く、当時でいう「鍵っ子」だったんだよねNくんは。(親が定時で帰れないので、子供に家の鍵を持たせて夕食も店屋物だったりするような一人っ子)


小学3年生の終わりになると、父親が転勤で福岡県の北九州市に引っ越すということになって、ボクは自然にその恐怖政治クラスとはサヨナラすることになったので、Nくんに反発心を感じていたクラスの女子と4人位で、Nくんの本当の姿を担任の先生に報告した。

担任の先生は一年間すっかりNくんに騙されていたことに驚いていたようだけど、無理もない。
でもボクたちが他の人に聞いてもらってもいい、本当なんだと熱心に訴えたことで頭を抱えつつも信じてくれたようだ。


その後のクラスのことはボクは知らない。
Nくんが立派な大人になったのかも知らない。

子供は純真とか正直とかっていうのは大人の願望でしかないし、単純に大人のそういう政治的な支配方法をNくんは模倣したんじゃないかなと思っている。


そういう恐怖政治クラスで跳ねっ返りだったボクは、正義感が強かったのではなく自我が強かっただけなので、後にまた大変なことになっちゃうんだけど、それはまたいずれ気が向いたら。

あ、あとAくんとは仲がいいからって秘密を打ち明けちゃだめだよ。Nくんの放った密偵かもしれないから…


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