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日常の話

6月28日
 早朝、公園でカンダさんと会ったので少し世間話をする。カンダさんは、リンの母犬と兄弟の子犬を三匹連れて歩いている。一匹は、もらわれてゆく先が決まったのだという。
 リンは、カンダさんの連れていた母犬に鼻面をぺろりと嘗められて、何故か目を丸くしている。その様子が可笑しかったので、二人でしばし笑う。
 リンは、自分が笑われたのが分かったのか、咎めるような目で僕を見た。ごめんごめんと頭を撫でると、気を取り直したのか兄弟としばらくじゃれあっていた。

 会社に行き、いつも通り仕事をする。
 特に滞りなく残業もせずに終わる。このところ、仕事がはかどるように思う。
 帰りに書店で何冊か本を買い、リンに子犬用のビスケットを買って帰る。
 帰宅後に、リンと散歩に出る。ほとんど日が沈んでいるのに、随分と暑い。時折思い出したように吹き抜けていく風が気持ち良かった。

 夕食後、仰向けに寝転がり本を読む。本を読むのはほとんど習慣のようになっている。文章を書いたりもするが、そのことをあまり人に話したことはない。あえて話す場面がなかったからだが、取り立てて公にしたいとも思わない。
誰かに見せるためというより、頭の中を整理するために書いているからだ。
 いつの間にかリンとサカエダさんが、僕の足元でくつろいでいた。

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