休み明けの話
8月18日
休み明けといっても起きる時間はいつもとそう変わらない。リンと散歩に行き、朝飯を食べて出掛ける支度をする。
今朝は妹も朝飯の頃には起きてきて、焼鮭と玉子焼きと納豆とお味噌汁、ほうれん草のおひたしと焼き海苔と梅干しもある。うちの朝ご飯よりちゃんとしてる……と言いながら食べていた。玉子焼きは祖父が作り置きしてくれたものだ。後片付けはやっておきますと言うので、後片付けとリンを任せて出掛ける。
朝の電車はあまり混んでいなかった。
座席に座って窓からの景色を眺めていると、ねえ! とうたた寝をしていると起こしてくるあの声がした。驚いて声の方を振り返ると、白いワンピースを来た小学生くらいの女の子が立っていた。降りる駅だよと言われ、はっとする。
顔を上げるとちょうどホームに電車が到着したところだった。周囲を見回してみると、女の子の姿はどこにもない。顔を見たはずなのに、その顔がどんなだったのかも思い出せない。たぶん夢を見ていたのだと思うが、どこからどこまでが夢だったのか分からなかった。
こういうのが休みボケなのだろうと思う。
会社でヨネヤに会うと妙に日焼けしている。海か山にでも行ったのかと思ったら、実家の庭に植えてあったスイカや梨がたくさんできて、収穫を手伝いに行っていたという。どんな庭かと思ったら、一代前に廃業した果物農家だという。
畑は手放したが、庭が広いのでその一角が果樹園になっているのだそうだ。スイカは重すぎるから、梨を持って来たといって分けてくれた。
帰宅してから妹と一緒にリンの散歩に行き、夕飯の後でヨネヤにもらった梨を食べた。みずみずしくておいしかった。
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