妹の料理の事

8月21日
　朝、オレンジを庭の餌台に乗せてからリンと散歩に行く。公園でカンダさんに会ったので少し雑談をする。リンが少し大きくなったと喜んでいた。
　家の前の道で、和服姿の男女とすれ違った。背の高い男性と小柄な女性の二人で、仲睦まじそうに寄り添って歩いている。見覚えがあるような気がして振り返ってみたが、ちょうど角を曲がって行くところだった。

　玄関の下足入れの上の達磨の向きが何故か変わっていて、入るなり目が合った。出がけにぶつかったのかも知れない。達磨の向きを直してからリンの足を拭き、廊下を行くリンの後ろをついて行く。
　リンの水を持って居間へ行くと、リンはサカエダさんの横に座って待っていた。カンダさんが言うように、確かにうちに来た時からふたまわりくらい大きくなったなと思う。
　朝飯を用意していると妹が起きてきた。晩飯を作ってくれると言うので資金を渡してから出勤した。

　会社から帰宅して玄関を入ると、また達磨と目が合った。朝、向きを直した記憶があるが、今度は妹がぶつかったのかも知れない。達磨の向きを直してから中へ入る。
　予告通り、妹が作ってくれた晩飯はスパゲティナポリタンとサラダでなかなかおいしかったが、ナポリタンの量があまりにも多かったので笑ってしまった。
　一人分はこのくらいかなって茹でたら思ったより多かったのだと、親指と人差し指で輪を作っている。その輪で二人分くらいだったなと言うと、なんとか食べきると言い出した。
　無理しなくても残りは冷蔵庫に入れておいて、明日玉子焼きかグラタンにでもすればいいと教えると、いつの間にかメモを取り出している。僕が作ろうかと言ったら、パスタを多く作りがちだからリメイクレシピを是非知りたいと言う。残り物の再利用料理の作り方をリメイクレシピと呼ぶのだということを初めて知った。