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武田若千
2020年8月17日 02:03
小さいわりに、深い森をたたえる山の頂上にわずかながら開けた場所がありまして、石塔が立っております。 頂上までは、ひとりで参りました。細く踏み固められた道を隠すように草が生い茂っているので、少々の心許なさを覚えましたが、なんとかここまで参りました。 塔と呼ぶにはあまり塔らしくもないのですが、他になんと呼べばよいのでしょう。 塔の一番上には仏像でもあったのだろうとうかがわせる、蓮弁のような台が
2020年8月17日 01:56
仲間と花見をした帰り道。 家までの道のりを少し遠回りすると、川沿いに桜並木がある。等間隔に植えられた桜は年々立派に枝葉を伸ばし、毎年見事な花を咲かせるのだ。 酔い覚ましにもなるしと、ひとり夜桜を眺めながら歩いていた。 十本ほど先に闇に際立って美しく、なまめかしいほどに白い花をつけた桜があった。見れば見るほど美しく、暗い空に映えている。 だんだんと近づいて行くと、手前の桜に比べて、一枚一枚