サポートエンジニアの調査力を向上させる!ヒアリング戦略で問題解決スキルを磨こう

優秀なサポートエンジニアに必要なスキルの一つは、効果的なヒアリング能力です。問題解決の過程で情報を収集し、整理することで、より迅速かつ正確に対処することができます。今回は調査に必要なヒアリング事項について、具体的な例を交えて詳しく解説します。

1. 質問の整理

まずはお客様からの質問を整理しましょう。それが製品マニュアルレベルの質問なのか、コンサルタントの質問なのか、カスタマイズの質問なのか、別製品の質問なのか、複数製品にまたがる質問なのかを理解することが重要です。

例えば、「製品の基本的な操作方法を知りたい」という質問は、マニュアルレベルの質問です。これに対し、「特定の業務プロセスを効率化するための設定方法は?」といった質問は、コンサルタントレベルの質問となります。
コンサルティングはあなたの会社では有償かもしれません。

2. 障害情報の整理

次に、障害に関する情報を整理します。具体的には、OSやバージョン、パッチといった環境情報の整理、エビデンスの有無や事実と推測の分離などが含まれます。

例えば、「システムが急に遅くなった」という障害報告があった場合、OSやバージョン、直近のパッチ適用情報などを確認します。また、その現象が事実であるか(エビデンスが存在する)、それとも推測であるか(エビデンスが不足している)を明確にします。推測と思われる情報については、お客様がなぜそう考えたかわかるエビデンスを提供してもらうようしましょう。

3. エラー箇所の特定

エラーが発生した箇所を特定することも重要です。エラー番号や通常と異なるログの出力から、問題の根本原因を見つける手がかりを得ることができます。

例えば、あるエラーログが記録されている場合、それがどのプロセスで発生したのか、何が原因で発生したのかを把握することで、問題をより深く理解することができます。

4. 問題発生時刻の特定

問題が発生した時刻を特定することも重要なステップです。ユーザーからの申告、エラーが発生し始めた時刻、エラーが解消した時刻などから、問題の概要を把握することができます。

例えば、特定の時間帯に問題が集中して発生している場合、それは定期的なバッチ処理やバックアップによるシステム負荷、スケジュールタスクが関与している可能性を示しているかもしれません。
特にアプリケーションのハング(スタック)の問題は、アプリケーションがログすら出せないので、サポートエンジニアがハングを問題と認識できない可能性が高いです。(突然ログ出力が停止した、ログの抜けから問題を把握したりしますが。)

5. 直近の変更内容の確認

問題が初めて発生した場合や、直近に何か変更があった場合は、その変更内容を把握することが重要です。それは問題の発生と直接関連している可能性があります。

例えば、システム更新後に問題が発生した場合、更新内容が原因である可能性が高いです。そのため、変更内容を詳細に調査し、それが問題にどのように影響を与えているのかを理解することが重要です。新しいソフトウェアのパッチが適用された後に問題が発生した場合、そのパッチが原因である可能性が高いです。

6. 再現性の確認

最問題が再現可能か、またはテスト環境で再現可能かを確認します。特にテスト環境で問題が再現できる場合、デバッグを取得して問題の根本原因を早期に特定できます。

例えば、特定の手順で問題が再現する場合、その手順を元にテスト環境で検証を行うことができます。これにより、問題の再現と解決策の検証が可能となります。

本番環境ではデバッグ出力が認められていないことが多く、再現できるかは問題解決の時間に直結します。また、開発での調査は再現ケースの提供がワールドワイドではスタンダードです。再現ケースがない問題は優先度が上がらず解決されません。


これらのガイドラインを実践して、サポートエンジニアとしてのスキルをさらに磨きましょう。お客様の問題解決に向けて、最善のヒアリングを心掛けてください。

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