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2020年 民法改正と新たな契約書のポイント【瑕疵担保責任条項編】

民法改正をふまえた契約書のポイントについて網羅的な情報を知りたいですか? 民法改正の概要説明と、契約書のポイントを解説します。
これから契約書を作る方や、ミスが無いようにチェックしたい方は必見です。

2020年 民法改正と新たな契約書のポイント【瑕疵担保責任条項編】 

平成15年から契約書だけをつくり続けてきた契約書専門の行政書士、竹永大です。


突然ですが質問です。

あなたが商品の買主で、もし契約書に

 

「契約不適合責任の期間は、納品後1年以内とする」

 

と書いてあったら、あなたならサインしますか?  

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答えは、あなたが「買主」なら、ちょっと気を付けた方が良いでしょう。 なぜそう言えるのか? 民法改正の内容とあわせて、担保責任の条文をチェックできるようにしましょう。

 

民法が変わると契約書も変わる
2017年(平成29年)5月26日に、民法(債権法)の一部を改正する法律が成立し、2020年4月1日に新民法が施行されることになりました。

この改正(新民法)が、契約書に最も影響する部分はどこなのでしょうか? たくさんありますが、重要な部分をひとつだけといわれれば、やはり瑕疵担保条項を挙げたいです。

なぜならこれまでとは「用語」から変わってしまった部分だからです。改正により「瑕疵」という概念が「契約不適合(契約の内容に適合しない)」という概念に変更されました。

瑕疵から契約不適合へ用語がかわり、その内容も、買主のとり得る対抗手段としてこれまで定められていた「解除」と「損害賠償」に加えて「追完請求」と「代金減額請求」が認められました。さらに損害賠償請求には売主の帰責性が必要になりました。

これをうけて従来の瑕疵担保責任条項をどのように変更すべきか? 確認しておきましょう。

  

瑕疵担保責任条項とは?
 

そもそも「瑕疵担保責任」とはどういうものかというと、典型的なケースは、売買契約でのトラブルです。

 たとえば、ある売主から購入した物品を、その買主が受け取ったとします。買主は受け取るときにちゃんと検品して合格だったので、納品完了とします。こうして一度は買主が正式に物品を受け取ったのですが、後日に欠陥がみつかった、どうしようか? というケースです。

 買主がいったんは正常に受け取った物品について、売主はどの程度責任があるのでしょうか。このようなときに買主が売主にたいして取り得る対抗手段を定めていたのが、民法の瑕疵担保責任というルールでした。

 「瑕疵(かし)」とは「キズ、欠陥」のことで、この場合は「その物が通常有する品質・性能を欠いていること」といわれます。契約するにあたって、買主はどういう物がほしいのか、売主との間であらかじめ決めるはずです。当初は気がつかなかったけれど合意した物と「違っていた」場合にその品物には「(隠れた)瑕疵」があったという言い方をします。「隠れた」という言葉は、買主がその瑕疵について過失なく知らなかったことをあらわしています。

 なんらかの成果物が売主から買主に渡るタイプの契約には、この問題が潜んでいます。そのため売買契約や請負契約など「成果物の引渡」をともなう契約には、受け取った後で瑕疵があったときのために、どういう対応がなされるべきか、売主や請負人にたいする責任追及のルールが必要になるのです。

 そして旧民法は「瑕疵担保責任」によって、このような場合は買主側から契約を解除することができ、または損害賠償請求が出来る(第570条~第566条)という意味のことを定めていました。

  

契約不適合責任に変わった
 

そして新民法では「瑕疵担保責任」のところが「契約不適合責任」に変わりました。

 

Before

旧民法(570条)「(隠れた)瑕疵」=瑕疵担保責任

 ↓

After

新民法(562条)「種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない」=契約不適合責任


「用語」が変わったので、新法適用後はこれまでの契約書で「瑕疵」「瑕疵担保責任」と書かれていた部分が、「直ちに発見することができない、種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という)」というように変わります。

 

 Before

「買主は商品の引渡しを受けた後、商品に隠れた瑕疵があることを発見したときは、売主に対して代品の納入、瑕疵の修補を請求することができる。」

  ↓

 After

「買主は商品の引渡しを受けた後、商品に直ちに発見することができない、種類、品質又は数量に関して本契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という)があることを発見したときは、売主に対して代品の納入、契約不適合の修補を請求することができる。」

 

契約不適合とは? 
 新民法の「契約不適合」の定義は「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないもの」(改正民562条1項等)や、「移転した権利が契約の内容に適合しないもの」(改正民565条)です。

瑕疵担保責任が「(隠れた)瑕疵」と呼んでいたものを「契約の内容に適合しない」ものという風に表現を変えたわけです。意味はそれほど変わりませんが、より契約を基準にしたニュアンスが感じられますから、その分契約書の重要性が高まったとみることもできます。そして完全に同じ意味ではなく「対抗措置の内容」が少し違います。その違いを比べてみましょう。

  

対抗措置の選択肢が増えた
  「瑕疵担保責任」では、受け取った品物に(隠れた)瑕疵があったときに買主が請求できるのは「損害賠償」と「(契約の目的を達成することができない場合の)解除」の2つでした。

これに対して契約不適合責任では、買主が全部で4つの権利を主張できます。つまり買主にとっては救済(責任追及手段)の選択肢が増えたことになります。

  

具体的には、新民法に次のように規定されています。

(買主の追完請求権)
第562条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。
(買主の代金減額請求権)
第563条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。

  

(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
第564条 前二条の規定は、第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない。

 参考:415条の規定

  ↓

(債務不履行による損害賠償)
第415条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは,債権者は,これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし,その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは,この限りでない。
② 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において,債権者は,次に掲げるときは,債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
一 債務の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務が契約によって生じたものである場合において,その契約が解除され,又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。
(移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任)
第565条 前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する。
(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第566条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

つまり「契約不適合」があった場合には、買主から売主や請負人に対して追完(やり直しなど)を請求したり、代金減額を請求したりでき、従来通り損害賠償請求や解除もできるということです(ただし期間制限があり、原則として不適合を知った時から1年以内に売主に通知をする必要があります)。

 

契約不適合責任の4つの対抗措置(選択肢)のまとめ
追完請求 (新民法第 562 条第 1 項)・・・修補請求、代替物引渡請求、不足物引渡請求ができます。
代金減額請求 (新民法第 563 条第 1 項)・・・追完請求をしても売主が応じない場合に、催告による代金減額請求、無催告による代金減額請求ができます。
損害賠償請求 (新民法第 564 条・415条)
解除 (新民法第 564 条・542条)・・・契約目的が達成不能でなくても催告解除できます(ただし不適合が軽微なときは解除できない)

 

 追完請求権とは
 「追完請求権」というのは、ようするに違っている部分や足りない部分をカバーしてもらえるという権利です。さらにこまかくいうと「目的物の補修」、「代替物の引渡し」、「不足分の引渡し」の3つがあります。

たとえば売買契約でいえば購入した商品の不具合を直してもらうとか、変わりの品物をもらう、足りない分を納品してもらうなどのことですし、請負契約でいえば、システム開発の成果物について期待どおりでない部分があったのであればその部分のプログラムをやり直してもらうことなどが、これにあたります。

ちなみに旧民法にあった「隠れた」という要件はなくなりました。ただし契約不適合が買主のせいであれば、追完請求権はなくなります(改正民562条2項)。

  

代金減額請求権とは
 「代金減額請求権」(改正民563条)というのは、売主が引き渡した目的物が種類、品質又は数量の点で不適合の場合で、追完請求をしても追完されないときに、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求できる権利です。簡単にいえば「追完しないなら、安くしてよ」と言える権利です。

 催告したのにもかかわらず追完がないときに「代金を減らして」といえることがポイントです。実際にいくら減額されるのかは「不適合の程度に応じて」ということになります。(よって、やたらに減額を要求できるわけではありません。) 

 原則は追完請求してから請求できる制度なのですが、例外として、そもそも追完が不能になっていたり、もはや相手が追完する見込みがないことが明らかな場合(売主が「追完しない」と明確にしている場合など)は、追完を催告する合理的な理由がありませんから、催告をせずに減額請求できることになります。

あるいはまた、誕生日のケーキのようにある一定の時期や期間に行われないと意味をなさない性質の品物だと、これも「追完を催告」しても意味がないので、催告は不要ということになります。

これまでの民法では、数量不足の場合を除いては代金減額請求権は(明確には)認められていなかったため、種類や品質に瑕疵があった場合の対応としては減額請求ではなく、損害賠償で調整されたりしていました。今回の改正によって、数量はもちろん種類や品質の不適合にも代金減額請求が認められうることになります。ただもちろん、契約不適合が買主の帰責事由によるときは、代金減額請求もできません(改正民563条3項)。

 

損害賠償請求権とは
 そして瑕疵担保責任のときと同様に「損害賠償請求権」(改正民564条、415条)があります。損害賠償というのは文字通りの意味ですが、契約不適合の場合には債務不履行の一般規定の定めるところにしたがって損害賠償の請求ができるという権利です。

 ところで、損害賠償請求には売主の帰責事由が必要(=売主に帰責事由がなければ損害賠償請求も認められない)になります。なのでもし売主が自らに帰責事由がないことを主張立証できた場合には、売主は損害賠償責任は負わないことになります。

 

解除権とは
 「解除権」(改正民564条541条)というのは、契約不適合を理由として契約を解除できる権利です。瑕疵担保責任では「契約の目的が達成できないとき」のみに限定されて解除が可能でしたが、新民法(契約不適合責任)では、売主の帰責性は不要であり、原則として請求できるようになりました。

 そのかわり、その債務不履行が「軽微」である場合には解除できないことになっています。(これは地味ながら重要な点です。)どういう場合が「軽微」な不履行にあたるのかはケースバイケースなので、解釈が分かれそうなときは判断基準を契約書にこまかく書いておくべきです。つまり契約不適合を主張して契約を解除できるのか、「軽微だから解除できない」といわれてしまうのかが、規定のうまさで変わるかもしれません。

 

契約書はどうなる?
 瑕疵担保から契約不適合に変わったことで、契約書にはどのような影響があるでしょうか? 売買契約や請負契約の当事者は、新民法の規定が自社にとって有利か不利かをよく考えて契約書をつくる必要があります。

「契約自由の原則」といって、当事者は契約によって自由に取引条件を定めることができます。よって、契約不適合のルールについてもある程度は、契約で好きなように変更することが可能です。

つまり上記に説明した民法のルールどおりでもいいし、契約で変えてもいいのです。具体的には、契約の目的物が契約の内容に適合しなかった場合のことを考えて、買主が売主に要求できる項目を増やしておくこともできるし、逆に、売主はその選択肢を減らしたり制限したりすることができるということです。上手に作戦を立てたいですよね。

 

買主 → 対抗措置を増やしたり、自由度を高めたりすると有利になる

売主 → 対抗措置を減らしたり、制限したりすると有利になる

 

買主有利にする場合
 まず、買主に有利な規定を考えてみましょう。契約不適合があった場合に、あらかじめ追完方法を指定しておいたり、あるいは直ちに代金を減額してもらえるように規定しておくことが考えられます。

前提として、新民法では契約不適合があっても買主が請求した方法とは異なる方法による履行の追完が認められている(改正民562条1項但し書)うえに、代金減額請求権は原則として相当期間を定めた催告後(改正民563条1項)とされています。買主にとってみれば少々使い勝手の悪いルールですから、契約で変更することが検討できます。

 ポイント

・追完の方法は売主にも選択可能であること

・代金減額請求は原則として催告後であること

 

この場合、たとえば次のように規定します。 

 「買主は・・・契約不適合があることを発見したときは、売主に対して、契約不適合の修補又は代金減額を請求することができる。」

もちろん、絶対にこの救済方法が有利であると決めつけることはできません。買主にとって実際の商品サービスの性質によってそれぞれ有利な対抗手段があると思います。たとえば修理してもらいたいこともあれば、交換の方がありがたいこともあるだろうし、その逆もあり得ます。その取引においてどのような契約不適合が起こり得るのか、それにたいしてどのような対応があれば買主は納得しやすいかを、取引ごとに主体的に考えて契約に反映すべきです。

  

売主有利にするには
 次に、売主に有利な規定も考えてみましょう。 

新民法は契約不適合の場合に買主に4つの対抗手段を設けていますが、一方で「不適合を知った時から1年以内に売主に通知」をしなければならないという「制限」もつけています。(ということは買主は「知った時」から1年以内にその旨を売主に「通知」しなければそもそも救済を受ける権利を失います。)

 売主にしても無期限に契約不適合責任を負っているわけではなくて、「知った時から1年」というタイムリミットがあるわけです(期間制限)。そこでさらにこの期間制限を契約で「短縮」すれば、売主にとって有利になります。

 期間制限を有利に変更(短縮)するには、2つの考え方があります。ひとつは起算点の変更、もうひとつは期間の短縮です。


2つの方法

①起算点の変更

②期間の短縮

 

起算点の変更

「①起算点の変更」とは、つまり売主にとっては「不適合を知った時から1年(主観的)」ではなく、納品から1年とか、検品から半年以内とかいう具合に、客観的な起算点に変更するということです。

 

起算点を主観から客観へ

知った時から〇年=実際にいつからいつまでになるのか不明

(納品など)の時から〇年=ある時点からなので期間は明確になる

 

ここであらためて冒頭の一文をみてみましょう。

 

「契約不適合責任の期間は、納品後1年以内とする」

 

起算点が「知った時」ではなく「納品後」と変更されています。ということは売主にとって期間制限が少し有利になっていることが分かりますよね!

 ちなみに旧民法の規定とも比較してみると、瑕疵担保責任の権利行使期間は「買主が瑕疵を知った時(請負の場合は目的物を引き渡した時/仕事が完了した時)から1年以内にしなければならない」(570条・566条)と定められていました。(また、損害賠償請求権は10年で時効になるとされています。)

 補足ですが、契約不適合責任の期間制限についてもう少し正確にいうと以下のルールになっています。

 Ⅰ 種類または品質に関する契約不適合がある場合
㋐ 買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、売主の契約不適合の責任追求権が失権する。ただし、売主が引渡し時にその不適合について悪意・重過失であった場合には失権しない(改正法566条)
㋑ 買主がその不適合を知らなくても引渡しを受けた時から10年で消滅時効する(改正法166条1項)
Ⅱ 数量または権利に関する契約不適合がある場合
㋐ 買主がその不適合を知った時から5年で消滅時効する(改正法166条1項1号)
㋑ 買主がその不適合を知らなくても引渡しを受けた時から10年で消滅時効する
(改正法166条1項2号)

( 「目的物の数量」や「権利移転」に関する契約不適合については、改正民法566条の対象とはならず、一般的な消滅時効の定めに従うものとされています。)

 ちなみに従来、瑕疵担保責任を追及するためには、「具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償をする旨を表明し、請求する損害額の算定の根拠を示す」ことまで必要とされていましたが、新民法では不適合の「通知」のみで足りることになっています。

 

期間の短縮

期間の短縮とは、「1年」となっているのをたとえば「6か月」などに短縮することをいいます。このとき、「不適合を知った時から●か月」としても期間の短縮ではありますが、起算点の変更と組み合わせて「●●の時から●か月」とすればさらに明確な期間制限の有利変更となります。

 

バリエーション

・起算点の変更合意

・期間の短縮合意

・起算点の変更合意+期間の変更合意

 

もしあなたが買主側なら、このような規定をみつけたら自社の側の権利が新民法の規定よりも制限されていることに気がつかないとなりませんね。

従来の売主や請負人にたいする瑕疵担保責任の制度は、まず用語が「契約不適合責任」に変わりました。契約書の用語を書き換えることになりますが、主旨は瑕疵担保責任とほとんど変わりませんので、チェックの際の考え方はこれまでと同じです。

契約不適合があった場合にそなえて、買主は救済方法について検討すべきなのと、期間制限の長さを十分にとれるようにすること、逆に売主や請負人は、販売後にカバーしうる責任の範囲を考えて、適切に契約で制限しておくことが有利になります。

まとめ

まとめると、民法改正によって瑕疵担保責任から契約不適合責任に用語が変わりました。言葉だけでなく買主の選択肢が増えたりと、内容も少しだけ新しくなっています。ただ、チェックするときの考え方はこれまでどおりで、買主は救済方法を確保し、売主は主に期間制限をコントロールすることが有利にはたらきます。 

 

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