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ハンコの電子化はすすむか

ハンコを押すために出社する。そのためだけではないでしょうが、リモートワークの足かせとして、ハンコを押さないとならないから会社にいかなければならない、というニュースが気になりました。日本の会社ではハンコをなくせないのでしょうか?

技術的にはとっくに可能

技術的にはもちろん可能で、使いやすいサービスがいくつもあります。僕もことあるごとにおすすめしている「クラウドサイン」などは、電子的な「認印」のようなしくみによって、契約の締結をオンラインで簡単に行うことができます。

無料サービスの登場か

また、電子契約のプラットフォームサービスは増えてきています。あたらしいところで僕が今注目しているのはe-singです。e-signは、デジタルIDを利用した電子契約サービスで、エストニア発のサービスであることと、どうやら無料で提供されるというところが抜群にユニークです。


シヤチハタがクラウド捺印サービス「パソコン決裁 Cloud」をなんと無料開放中

さらに最近のニュースとして、インキ浸透印の最大手、シヤチハタ株式会社がパソコン決済Cloudというサービスを展開しており、在宅勤務の支援として期間限定で無料提供をはじめていました。社内の決裁手順に着目した場合、こちらが浸透するかもしれません。

【プレスリリース】
簡単に捺印・回覧ができるクラウド捺印サービス「パソコン決裁 Cloud」(https://dstmp.shachihata.co.jp/)を 2020 年 6 月 30 日(火)まで無料開放いたします。
プレスリリースへのリンク

(ちなみに豆知識ですが、シャチハタの正しい表記は「シヤチハタ」です。)

ZOOMのように認知が一気に広がるか

オンライン会議ツールのZOOMも、知ってはいたけれど正直そこまで「みんなが使ってる感」はなかったですよね。でもこのご時世で一気に認知が広がった。ZOOM飲み会などの俗語がうまれたのも、認知の加速を裏付けているような気がします。

電子契約、電子決裁も現象的にはよく似ていて、在宅だとかリモートワークだとかいっても、正直ここ数年は「もう少し先のことかな」というムードがありました。しかしここへきて、Social Distancingなる、世界を揺るがすムーブメント。決してポジティブな理由とはいえないものの、在宅勤務がかつてないほどに推奨されている今、一気に導入が広がるに違いありません。

ハンコはデザインになる

一方で、現在のハンコがなくなるのかといえば、僕は無くならないと思います。なぜここまでハンコが愛されてきたのか。もともとは筆で名前を書いていたのが、それだとなにより「時間がかかる」ので、ハンコもいわば仕事効率化のためのツールとしてうまれたはずです。

加えて、忘れてならないのがデザイン性です。モノトーンの書類に、赤いハンコが押された瞬間、まるで息を吹き込まれたかのように書類が輝いて見える、あの不思議な現象に、美意識と愛着を覚えずにはいられません。ハンコは便利さとともにその美的感覚で人を魅了し、永く親しまれてきたんだと思います。

便利さはツールの登場によって変わることがあっても、人間の美意識が電子化で無くなるわけがなく、ただこれからのビジネスシーンでみかけなくなるというだけでしょう。まだまだ紙とハンコのもつフィジカルな実感と、その権威性に一定の価値を感じる人はいると思います。よって、結論は電子化必須! でもデザインとしてのハンコは生き残る、ということです。


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