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AI-CON Pro(契約書レビュー支援クラウド)を使ってみた話【おすすめ】

結論からいうと、AI-CON Pro、「めっちゃいいですよ」という話です。(ずっと気になっていたAI-CONPro試用の機会をいただき、実際に動かしてみた感想を書きます。)

主な機能は?

契約書レビュー支援クラウドにもいろいろありますが、一般的には契約書のチェックを支援するもので、リスクの検出や編集支援が中心的な機能です。つまり指定した契約書のどこにどんなリスクがありそうかを指摘してくれるサービスです。

たとえば、あなたのもとにチェック依頼の契約書がまわってきたときに、まずは自分でざっと目を通してから、チェック機能をつかってリスクになりそうな部分を一覧表示させ、再び自分でじっくり読んでいく・・・といった利用シーンで活用されます。

こうした機能をつかうメリットで、特に経験上思うのは、書いてある条文のチェックには自信があっても、書かれていない条文(不足条文)については案外気がつかなかったりするものなのです。機械によるレビュー機能をつかえば、チェックすべき箇所の全体的なイメージが持てるので作業の見通しが立ちやすいですし、なにより「不足条文」を指摘してくれるため、見落としが減らせるという実感があります。お墨付き、とはいわないまでも、工程をひとつ追加することで安心してチェックをすすめられます。

Wordで直接動かせる

最も新鮮だったのがここです。これまでのAI-CONは、サービスサイトにログイン後、チェックしたい契約書をアップロードすると、チェック結果がはやくて数時間以内~1日くらいで返ってくるしくみでした。もちろんこれでも十分に便利だったのですが、今回のバージョンではさらに飛躍的に使いやすくなっています。

AI-CONProは、Wordのアドイン(Wordに追加されるオプション機能みたいなイメージ)で動かせます。これ、言葉で説明してもあまりインパクトがありませんが、ほんとうに使用感が全然違います。パソコンに向かい、開いた契約書のWordファイルからすこしも目をそらすことなく、その場ままワンクリックで機能させられるのは想像以上に快適(!)で、とにかく集中力がとぎれず、作業が早くすすめられるのです。

レビューを「開始する」ボタンを押せば、次の瞬間にはリスクが洗い出されています。要検討の条文がリストアップされると同時に、本文にも「気を付けるべき単語」が強調表示されます。他にもワンクリックで条文コピーできたりと、さまざまな便利機能が実にうまくデザインされていて、直感的に作業できるところは感動的ですらあります。

リスク解説の充実もすごい

レビュー結果としての、リスクのありそうな箇所の解説と参考条文例が充実しています。実はリスクの解説はこうしたレビューサービスがほんとうに「使える」かどうかを分ける重要な要素だと思います。アドインによる使いやすさを絶賛したばかりながら、とはいえ結局は、指摘のクオリティが効果を決めるからです。

「ここがリスク」だよと並べられても、具体的にその指摘に納得できるかどうかは別問題であり、十分な解説がないと、そのままでよいのか修正したほうがよいのか、修正するとしてその方向性はどうかといった点がすぐにはイメージしにくいものです。結果としてよくわからないサービスになりかねません。その点、AI-CONProの解説のこまかさと具体性は、まるで優秀な家庭教師のようです。

そもそも契約書には明らかな間違いや絶対的な正解は少なく、多くの場合は相手とのバランスや実情にあわせて「調節」していくのが本質です。そうした本来グラデーション状をしているものを、あやふやにせずに一定の鋭さをもって解説してくれるのは、本当に助かります。

こうした機能を士業や法務「以外」の方が使うことは少ない想定かもしれませんが、仮に営業パーソンなどで法務経験のない方が使ったとしても、ここまで細かい解説があれば、十分にリスクを減らせると思うほどです。使い込むうちに、一定の部署で頻繁に使う契約書のチェックは、その部署で完結できるかもしれません。

とにかく属人的になりがちな法務スキル(特に契約書のチェックは特定の人物に集中しがちで、ボトルネックになることもある)が、AI-CONProをつかうことで標準化され、組織全体のスキルの底上げにつながることはおそらく確実でしょう。

ドラフト作成機能もある

さらに便利なのがドラフト作成にも活用できる点です。まわってきた契約書のチェックが主戦場かと思いきや、受託者側、委託者側それぞれのパターン別に契約書のテンプレートがあるので、作成業務にも利用できます。ユーザによってはむしろこちらの利用頻度が高いかもしれません。

繰り返しになりますがWordのアドインで使えるため、驚異的に楽です。ようは新規ファイルをWordで立ち上げ、そのWordの画面は動かさずに右側(設定によります)に展開されるメニューから、各種契約書のテンプレートを選択することができます。よって、次のステップではもうテンプレートの加除修正を始められるのです。

修正があらかた終われば、当然、その仕上がったドラフトをレビュー機能でチェックします。すると、瞬時にリスク条項が列挙されている。このスピード感はほんとうにありえない。これまでの契約書ドラフティング作業を一気に過去のものにする、新しい体験です。

まちがいなく便利!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
AI-CONProのこまかい機能等は、ぜひオフィシャルなサイトのほうで確認していただきたいのですが、僕の感想をひとことでいうなら「まちがいなく便利」です。

AI-CONProのにも機能追加が続くでしょうし、ほかにも最新のリーガルテック、法務のDXはいまが熱い分野ですよね。ほんとうにおもしろい時代に突入したものです。

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