見出し画像

第2回 うつくしまふくしまジャーニーラン251k【その4・完】

【その3】は→こちら

会津若松駅前で横になっていたが、30分ほどで目が覚めエイドで栄養補給。3時にリスタート。会津若松の目抜き通りを快調に走る。鶴ヶ城手前を左折、市街地外れの「奴郎ヶ前」交差点手前のセブンでガリガリ君をボリボリ。アリナミンのゼリーも買っておく。

東山温泉に向かう登り基調の道を1キロほど進むと、背炙山への分岐が現れる。この時点で4時。ここから10キロで600mほど登ることになる。

この看板にあるとおり、左、左へと折れていくのだけど、最初の左折で目の前に現れるのがホテルの駐車場。で、次の左折もホテルの駐車場の奥の方へ向かう感じ。昨年も、ロストした方がいたらしい。確かにここが県道とは誰も思うまい。おっかなびっくりで進むも、無事に?駐車場を抜け背炙山へ登りだす。辺りは真っ暗…
しばらく進むと「通行止」と書かれた遊歩道の先から獣の臭い?がする。背炙山は熊の生息域で目撃例も多数。生きた心地がしないが、先に進まないとどうしようもないので、熊よけに「森のくまさん」を歌いながら登っていく。もちろん走れないし、眠くもなってくる…夜が徐々に白みだすにつれて何台か車が通るが、この時間に人間が歩いていてびっくりしただろうなぁと思う。この道で寝た女子ランナーがいたと後から聞き、びっくりした。登りもかなりキツイので眠いながら一所懸命に歩くも、2人ほどに抜かれたと思う。明るくなってくると、そろそろCPのレストハウスが見えてくるんじゃなかろうか?と淡い期待を抱き目をやるも、全くそのような建物も見えない。あと3キロ…あと2キロ…GPSの数字を追いながら、一歩一歩登っていく。
いつまで続くんだろうか?…ようやく公園内に入ったようで辺りがひらけてきた。レストハウスももうすぐだろう。程なくレストハウスへ上がる分岐があり左折、最後もきつい登りだったが、安堵感が全身をつつんだ瞬間だった。

6:11 CP11 199.5k 会津若松市 背炙山レスト

レストハウスの食堂にはメニューが貼り出されており、「何でも言ってくださいね」とのこと。まずカレー大盛り、納豆、サラダをお願いする。めちゃめちゃ旨い!バナナや豚汁も食べた気もする。至れり尽くせりで申し訳ない限り。お腹も膨れたところで、GPSとスマホの充電をセットして、しばし横になる。タイマーを1時間かけたかな。チラホラとランナーさんが到着しているようだ。微睡みながらも至福の時間を過ごす。

目覚ましに頼ることなく目が覚めたので、ボチボチと支度して7時10分頃リスタート!あと50キロだ。外へ出るとポツリポツリと雨が降り出した。やがて本降りになったのでカッパを着込む。最初はボチボチと走っていたが、下りで勢いが出てきたのか快調に山をおりる。7キロほど下るとバス通りへ、久方ぶりの生活感を感じる道だが、トラックなども走っており歩道もないので少し恐い。走ったり歩いたりを繰り返していたら、中山峠で一緒だった芳賀さんが追いついてきた。先を走っていたはずなのに?と思ったら、レストハウスの和室で長い時間寝ていたそうだ。楽しく話しながら走ったり歩いたりを続ける。湖南町の福良集落で缶コーヒーを買って一息。東山温泉の手前から郡山市街まで50キロコンビニは無い。舟津へ抜ける峠の上りでは、「けいじぃ」こと鈴木さんが颯爽と走って抜いていった。終盤強いランナーにはとても憧れる。猪苗代湖畔に出て公衆トイレで用を済ます。あまりキレイでないのは残念。

10:53 CP12 221.7k 郡山市 舟津公園駐車場

最後のCPと公式エイド、けいじぃが先に到着している。果物とパンなど沢山頂いた。そうしていると、序盤の相馬あたりでご一緒していた杉山さんが後半ハーフのランナーさんとともに到着。ラスト30キロでみんな朗らかだ。芳賀さんより少し早くリスタート。程なく追いつかれて、色んな話をしながら走ったり歩いたり。引っ張ったり引っ張ってもらったり。共走していることで、一人では辛いことも乗り越えていける。

r6に入ったところで応援を受け、三森峠へ上っていく。昨年のふくしまでご一緒させていただいた定子さんから「通過記録見ながら、応援してます」とのメッセージが着信!とても嬉しい。ハーフのランナーがトンネル手前の道路脇で横になっていた。大丈夫か?と思ったが、眠気が来たようで休んでいるらしい。三森トンネルはかなり長く急な下り坂。芳賀さんは調子よく下っていく。休むに休めないので頑張って下り、トンネル出口で息を整える。トンネル出たら激下り、谷をぶち抜く新線を作っている途中らしく、道幅狭く通行には気を使う。ハーフの愛さんが追いついてきた。元気な笑顔で癒やされる。峠を降りきり、温泉旅館を越えたらようやく休石の私設エイドが見えた。

昨年も同じ場所でエイドをしていただいていたが、たどり着けずリタイヤ。昆布茶と果物が染み渡る。あと17キロあまり、最後まで気を抜かずにがんばろう。お礼を言って出発!
ファミリーマートがある場所まであと10キロ。東山温泉手前から50キロぶりのコンビニなので気がはやるが、この10キロが遠かった。田園風景から徐々に民家が増え、市街地の雰囲気になっていくものの、コンビニは一向に現れない。心折れそうになるも、走らないとますますコンビニが遠くなるので、できるだけ頑張って走る。目印となる東北道を越え、休石から1時間半ほどかかって、やっとファミリーマートに到着。とりあえずヘロヘロなので白桃ジュースで糖分補給。高いぶん旨かったなぁ。

一息ついて、芳賀さんとリスタート。GPSの距離でゴールまでの計算をしていたが、予想以上に乖離していてゴールまで5キロと思っていたが、2キロほどゴールが遠いことが判明。頭が回っていない。峠を下っている頃は16時ゴールを考えていたけど、無理そうだ。まだ元気そうな芳賀さんにも申し訳ない。市街地に入るとウネウネと上ったり下ったり。歩きたいのを必死にこらえて、遅いながらもできるだけ走る。時折信号待ちがあるのがありがたい。市内中心部に入ると、スーツを着た年配の方から声をかけられ「ほだされるなぁ」と。この瞬間、自身の感情が崩壊してしまった。あふれる涙を抑えることができない。隣にいる芳賀さん、遠くで応援してくれている定子さんや、ランで繋がっている仲間、沿道で応援してくれた福島の皆さん、主催のスポーツエイドスタッフ、家族…支えてくれている人たちがいるからこそ、今走れるのだ。嗚咽をこらえて、足を進める。
JRの高架が見えてきた。高架手前を左に曲がると、250キロの旅もゴールまで2キロ弱。賑やかな郡山駅前では信号待ちも多く、ゆっくりと進む。そして、JRを跨ぐアンダーパスが現れた。2年越しの念願、花道を走っていく。長い旅ももう少し、まねきの湯入り口では「おかえり!」との声。そして2人でゴール!

芳賀さんに再度感謝の言葉を伝えた。そして暖かく出迎えてくれた館山代表の顔をみると、再び涙が零れていた。

記録 46:28:31

(完)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?