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一種のタブーを冒した、暴太郎戦隊ドンブラザーズ8話の話がしたい

(サムネイルは東映公式ブログより引用)(記事タイトルは某ニチアサの話がしたい人のオマージュ)
久しぶりに衝撃を受けたので珍しく単話の感想文を急遽書いています。
ネタバレ自重なしで書くので水曜日配信まで待ってる勢は注意で。

いやぁドンブラザーズ、面白い。スーパー戦隊に仮面ライダーのフォーマットが持ち込まれ化学反応を起こし繰り広げられる謎が謎を呼ぶ展開に濃い人間たちが織りなす群像劇、特に8話は井上敏樹先生の真骨頂というべきすれ違い人間劇、あまり用語に詳しくないので何と言うのかわかりませんがファイズやキバでも発揮された視聴者は人間関係のカラクリを知っているが登場人物は知らず、絶妙に歯車が噛み合わない状態で絡みあって視聴者をドギマギさせてくれるような展開。視聴者目線では明らかに同一人物だが作中では口頭でしか説明されてないのでお互いに別人だと思っている雉野の奥さんと犬塚の恋人、お互いにいつも戦っている敵とは気付かずに火災に同じヒーローとして立ち向かうタロウとソノイ(ここレスキューポリスやゴーゴーファイブっぽくてとても嬉しくなった)。

そして今回このnoteを書くきっかけになった、衝撃を受けたラスト。
雉野は妻を襲った犯人を許せず、ドンモモタロウのトドメを妨害しわざとソノイにトドメを刺させる。犯人が死ぬように。そして悪人がいなくなってよかったと悪びれることなく笑みを浮かべて8話は終わる。
ゾッとした。その行いは過去の作品ならば自分を正義と思っているゲスト悪人とかがやるような事。この作品は、それをあろうことか正義の味方側のレギュラーキャラ、それも他でもない戦隊のいちメンバーにやらせたのだ。
面白すぎるッッッ!ヒーロー番組のタブーに踏み込んできたな!?とワクワクが止まらない!
当然ながらヒーロー番組はキャラクターを売らなくてはならない(ヒーローに限らず最近の作品は大体そうではあるが)特にメインメンバー一連託生なスーパー戦隊のような作品では視聴者に好かれないような「悪党」が入れられることは無い。今作だと犬塚が該当するがいわゆる「悪人キャラ」であっても実はいいやつだとかヒーローとしてやる時はやるとかで「悪党」にはならないようにされている。
しかし雉野はやっちまったのである。間接的にとはいえ意図的に人を殺してしたのである。しかもよくある「本当によかったのか?」「なんてことをしてしまったんだ」と葛藤したり罪悪感を感じることすらなかったのである。夜神月だって初殺人の時はめちゃくちゃ罪悪感感じてたんだぞ。戦隊のレギュラーメンバーに自分を正義だと思いこんでいるドス黒い悪党がいる、その歪みがあまりにも面白い!
そして上手いなと思ったのはこんな雉野に全くヘイトを感じさせない構成の上手さ。前述した奥さんの件があるため視聴者にはこのままサイコ道を転げ落ちていって破滅するか手痛いしっぺ返しを受け絶望するかどちらかの行く末が見えているからだ。ワクワクが止まらないのである!今後もドンブラザーズと雉野の行く末が見逃せない。

余談:公式ブログでOrange Flamingoネタ飛び出してて吹きました。キンプリで一番好きな回がオレンジフラミンゴ回なので。ドンに選ばれし者ってなんだよ……

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