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プロダクトデザインからUX・UIデザインをし始めて思うこと

8月にwemakeでのプレゼンを終え、転職してまもなく2ヶ月が経ちます。チームメンバーにも恵まれ、非常にユニークで情熱のある上司にも恵まれました。日々事業開発におけるプロセスを進めていますが、毎日が学びの連続であり、新しいことにチャレンジし続けられる環境があることが、この上ない喜びになっています。

8月1日よりUXデザイナーになりました

8月1日より心機一転、日本特殊陶業株式会社で働くことになりました。現在の所属はビジネスクリエイションカンパニー、メディカルビジネス部ということで、医療関係の新規事業に関わるUXデザイナーとして採用が決定し、現在はマーケティングリサーチを中心に据えつつ、大規模プロジェクトのブランディング業務を行なっています。勿論プロダクトデザインとしての視点も持ちつつも、如何にユーザーの声をヒアリングしながら、UX体験を高めるUI設計ができるか、このところはずっと考えています。

日特では事業ポートフォリオの転換を2030年長期経営計画の中で提示しており、モビリティー、ユーティリティー、医療などの事業創出に力を入れています。私がこの企業を選んだ理由としては、2021年に組織構造が大きく変わり、ビジネスクリエイションカンパニーが立ち上げられ、部門ではなくカンパニー制が導入され、新規事業に非常に大きな比重と役割がある企業だということを知ったからです。詳しくは以下の記事参照してみてください。ベンチャーラボのマネージャーの方の記事ですね(お会いしたことないですが)

何故プロダクトデザイナーからUXデザイナーへ転身したのか?

プロダクトデザイナーからUXデザイナーへ転身したわけですが、何故転身したのかと言えば、これからの時代はハードだけでなく、ソフトも両方やる必要があるだろうと考えたからです。特にサスティナブル社会になり、環境中心設計が今後重要な局面になってきますが、そんな状況下でモノばかりを大量生産していて良いわけがないですよね。物を作らなくても価値が感じられるユーザー体験をデザインしていかなければいけない。まだまだモノを売って利益を得ようという企業はたくさんありますが、顧客の体験価値を高めるビジネスやサービスに目を向けていった方が良いと考えています。

それでは、何故、顧客の体験価値を高めるサービスを作る必要があるのでしょうか?

UI・UXデザイン設計をする意味と価値について

例えばスマホアプリで、買い物する価値をアップデートできるサービスを考えてみたとしましょう。遷移図を作成してスマホアプリ上でどのような情報をユーザーに与えて、どんなサービスを体験してもらい、どんな感情になって貰いたいのか、一連の流れを追体験できるモックを作ったとしましょう。
UIデザインはIoT機器などの開発においては、付加的な要素になりがちですが、実は違います。UI画面設計一つで、ユーザーは離脱してしまいます継続的に自社のサービスを使い続けてもらう必要があります。その為には、あらかじめ要件定義をする前のタイミングで、アプリのイメージモックを作り、ユーザーに擬似体験をしてもらいながら、ユーザビリティ、使い勝手、サービス側面での課題などを浮堀にしていきながら、改善を繰り返していくことが求められるはずです。

その意味ではUIデザインは非常に重要な意味を持っているわけですね。最近では大手プロトタイプツールであるfigmaがadobeに買収されたりしていますが、如何にユーザー体験が重要なのかが分かる大きな事件でした。

開発主導型コンセプトと顧客主導型コンセプト

では実際にどのようにUIを設計していけば良いのでしょうか?
一般的にはワイヤーフレームを作成して、プロトタイプをfigmaやXDで作っていくようなプロセスを踏むと思います。ユーザーに画面遷移を動画で見てもらったり、スマホで動かしてもらい、問題なくサービスが利用できるか、ユーザーの目的を達成できるかどうかを観察することになります。この行動観察は意外と検証されていない場面に開発フェーズではよく出くわします。
・狙ったUI設計が機能しているのかどうか?
・ターゲットユーザーにアプリの使い方を理解をしてもらい、直感的に使ってもらえるかどうか?
・使いにくいところはないかどうか?
・誤解を与えるような表現をしている箇所がないかどうか?
などのユーザーがサービスを利用するにあたっての課題点を洗い出して、改善解決していくプロセスを踏むことになります。開発期間も限られている中でたくさんの検証をしていくことは非常に大変で地道な作業となりますが、ここで手を抜いてしまうと、そのままダイレクトにユーザーへ負担がかかっていくことになってしまいます。

開発者バイアスというものがありますが、依然として商品企画会社や開発会社の中では、顧客の声を聞くことなく、商品の企画や開発が進められている場面を多くみてきました。新規事業を成功に導く鍵は、開発者が良いと思うものをより良いデザインに仕上げてその世界観を打ち出していくような開発主導型コンセプトと、顧客を第一に置いて、顧客の声をヒアリングしながら進めていくような顧客主導型コンセプトの2通りがあります。一体どちらが正解なのでしょうか?

少なくとも開発主導型コンセプトだけでは片持ち状態となり、顧客の声もヒアリングしながら進めていくことで、開発者が立てた仮説を検証しながら進めることが成功への近道なのではないでしょうか。UXリサーチの方法を用いて、顧客の行動、心理を読み解きながら、より良いサービスにしていく事が現在の新規事業開発では求められてきています。

UXデザイナーとして顧客主導型コンセプトを推進しながら仮設検証を進めていきたい


私はプロダクトデザインの世界から入りましたので、正直なことをいってしまえば、開発主導型人間でした。良いデザインで良い物作りが出来れば良い。社会に貢献できるものが出来れば良い。そういう意志でデザイナーをやっていた時期もありますが、顧客主導型で物作りをしたらどうなるのか?を少しだけ経験し、マーケティングを勉強して、ブランド開発も経験しながら、少しずつ考え方が変わってきたように思います。開発主導型、デザイナー主導型のブランドが良いのか、顧客主導型のブランドが良いのかは、まだ明確な答えは出ていませんが、この答えを探すためにUXデザイナーになりたいと決意をしました。今後も本業、副業含め、ありとあらゆる事業開発に従事していくことで、自分なりの答えを見つけ出したいと考えています。

特殊で何が悪い

ちなみに日特という会社はCMを打ち出してます。


「特殊で何が悪い」というコピーで壁をぶち壊していく岡田准一さんのCMが印象的ですね。このCMを見た友人から「TAKEBONさんっぽいね」と言われました。既成概念とかバイアスを壊して新たな発想や独自の技術で前に進む感じが好きで、保守的に守りに入るよりも前に攻めていく姿勢はこれからも貫いていきたいと考えています。
経営層が変わろうよとメッセージを外部に発信している事がなかなか面白い会社だなと思いました。この環境で何ができるか今から楽しみですが、特殊な発想で面白いチャレンジをたくさんしていきたいと考えています。




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