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【スニーカーレビュー】ひとつの国が表現された神モデル「GEL-LYTE V “VANDA MURASAKI”」

こんにちは。TAKEスカイウォーカーです。

2021年もスニーカーの発売ラッシュは続きますね。コロナの影響でドロップ(没になったの意)や発売が遅れてるモデルもある、なんていう話も聞くというのに、毎週何かしらの発売が各メーカーあるわけです。

そんな中でキラっと光るものがあるとしたら、やはり「コラボレーション(以下、コラボ)」という冠をもったスニーカー群ではないでしょうか。

コラボって魅力的ですよね。異業界コラボ、ショップコラボ、デザイナーコラボ、アーティストコラボ。そのほかにも様々な角度でコラボが行われていて、我々をブヒブヒ言わせているわけです。

コラボレーションの魅力って何だ?

なんで我々はブヒブヒするんでしょうか。せっかくだから考えました。以下、一般的にこんな魅力があって多くの人を惹きつけているのではないでしょうか。私は魅力の四天王と呼んでいます。

1. メーカー企画では展開されないであろうデザイン
2. フィーチャされている文化や表現が落とし込まれる
3. 販路の狭さや奇抜さゆえに、一般と差別化できる
4. スニーカーだけでなく、BOXもユニークな場合がある

こんなところでしょうか?え?
人気だから、プレ値(プレミア価格の意)が高くなる」?
それだけではないと思います。上記のような魅力があってこそ、生まれる可能性のある”現象のひとつ”だと思います。スニーカーの本質的な魅力ではないと考えています、わたしは。

つまり、プレ値が高い状態だからといってブヒブヒしませんよねって話です。

でも、言いたいことはわかります。多くの”プレ値が高いコラボスニーカー”は魅力の四天王を網羅している可能性が高いのは事実です。

なのでまとめるとこうです。
「魅力の四天王を網羅すればプレ値が高くなるのではない。しかし、プレ値が高くなるスニーカーは魅力の四天王を網羅している。」です。


話が逸れました。今日は私が最近買ったスニーカーをレビューしようと思い、記事を書いています。

お待たせしました。今回購入したスニーカーはこちらです!

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ASICS GEL-LYTE V  "Vanda Murasaki" Limted Edtコラボ

シンガポールのスニーカーブティック、Limted Edtと当時のASICSTIGERが2017年に世に送り出した逸品です。

全体的には黒と深い紫が印象的でダークな雰囲気を保ちつつ、挿し色の黄色と水色の存在がこのモデルを引き締め、ひとつのデザインにまとまっています。

GEL-LTYE Vが本来持つ、軽やかさと優しく包み込むような柔らかさを色で表現したらこうなるかも?と、オタクならではの ”つじつま合わせ考察” が炸裂してしまいます。

しかし、細部に目をやってみるとコラボモデルだからこそのおもしろい意匠が目に入ります。

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なぞの花?柄が施されている…

コラボモデルにあるこういった「かっこいい/かわいいけどこれは一体?」ということ、本来はそんなに深く考えないですよね。

もっと言えば「コラボ先の〇〇って何?どんな?」と、ふと思うことはあれど、なかなか「よく知る」まで行かないもんです。それ、普通です。

でも、、、、、それを掘り起こしてみたらどんなことが起こるんでしょうか。

今回、やってみました。

そう、掘り起こしてみました。

そうしたら、すごいことになりました。

結論から申し上げますと、僕の中で価値が爆上げ。市場価格ではありませんが、体感価格はプレミア価格が高騰してしまうほど。

引き続きおたのしみください。

まずは「花柄」についてひも解いてみましょう

GEL-LYTE V  "Vanda Murasaki"、この「Vanda」。なかなか聞きなれない単語です。

ググってみましょう。すると、

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ラン科の植物、お花であることがわかりましたね。たしかにスニーカーに施されているデザインの花弁と形がよく似ています。

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よし、ランの花がデザインになっているのはわかりました。かわいいです、きれいです。

ではなんでこのモデルにランが使われているのでしょうか。

そのままWikipediaによると、このラン科(Vanda)が東南アジアが原産ということ。
なるほど、ここで点と点が繋がります。今回のコラボ先であるLimted Edtはシンガポールに構えるスニーカーブティック。

自分たちの地域が原産の花をデザインに落とし込むとはアッパレです。そういうの刺さるんだよなぁ。

真章:ただの花柄じゃなかった

ここまで読んでくれている人、ありがとうございます。そして、ようこそ。ここからが今回の目玉です。メインです。4番です。エースです。えっと。。。ゲルマイです(←は?

花を落とし込んだスニーカー。これまでもそのような角度でのスニーカーはありましたね。

そうですね、日本人としてはやっぱり例に挙げたいのはNike Air Force 1 Low Ueno Sakuraですね。

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上野に店を構えるmita sneakersが2005年に世に送り出した伝説的なモデル

上野公園はさくらの名所としても知られており、mita sneakersがフィーチャーするのも納得。
同時に世界から見ても「さくら」は日本を象徴する花として人気。※蛇足ですが、桜のシーズンはAir BnBなどの民泊はかき入れ時なのだそうです。それだけ外国人は日本の桜に魅力を感じています。

ここで少し、気になることがあります。

桜は日本の国花です。だから私もそれが誇らしくて、上記の例を挙げました。もしかして、もしかすると、今回紹介した GEL-LYTE V  "Vanda Murasaki"のVandaはシンガポールの国花!?

はい、すぐ調べましょう。

シンガポールで一番有名はあのホテルのHPが教えてくれました。

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シンガポールの国花はバンダ・ミス・ジョアキムとして知られるランの交配種させたものですが、アグネス・ヨアキムとして知られるアメリカ系シンガポール人女性にちなんで名付けられました。 ー Marina Bay Sands

ビンゴです。すごいです。今回ご紹介したGEL-LYTE Vはシンガポールの国花、正式にはVanda Miss Joaquim(以下、バンダ・ミス・ジョアキム)をフィーチャーしたモデルということが判明。

ここで気になることが増えました。

バンダ・ミス・ジョアキムはアグネス・ヨアキムという人の名前が由来しているそうですね。

この人はいったい何なのでしょうか。アシックスのレジェンド、榧野俊一氏よろしく、自分お名前がモノについちゃう系はおもしろいことが必ずあるのでここも掘り下げます。

真章(続):ひとつの国を表現した奇跡の一足

アグネス・ヨアキムさんについて、スタッフ一同、探しましたぁ。(紳助)

信頼できそうな「シンガポールのビジネス情報サイトーAsiaX」というサイトにその方に関するエピソードがありました。以下の引用します。(引用元のジョアキム=ホアキム)

そこにはヴァンダ・フッケリアナとヴァンダ・テレスの蘭が植えられていて、その間にそれまでこの世には存在しなかった、違う種類の蘭の花が咲いているのが見つかりました。新種の花の発見者ミス・アグネス・ジョアキムはすぐにシンガポール植物園(ボタニック・ガーデン)のディレクターだったリドリー氏に報告し、植物学者たちによってこれは異種配合から生まれた新しい種類の蘭の花である、と認められたのです。発見者の名前に因んでヴァンダ・ミス・ジョアキム・アグネスと名づけられたこの蘭の花は、植物園にも植えられ大切に育てられました。 
https://www.asiax.biz/kira/27312/

なるほど。交配によって生まれた当時の新種ということですね。

ちなみに上記の出来事が1890年初頭ということでもう100年以上も前の出来事。なぜ、そんな昔の新種がシンガポールの国花に指定されたのか。

これにはビジネス的な側面やその他諸説あるようですが、私が調べた中で一番ステキだと思ったのはこれです。

シンガポールが多民族社会であり、文化、宗教が巧みに共存している。そうした背景が、自然と交配し、新しい種として誕生したバンダ・ミス・ジョアキムと重なるから

シンガポールって東京23区くらいの大きさの都市国家です。そこには中国系、マレー系、インド系、ユーラシア系など東西豊かな民族が移民し、今も暮らしています。

その小さな地域ではそれぞれの濃い文化がしっかりと共存しており、新しい形での国の在り方がそこにあります。

そうした魅力を感じ、旅行先に、また移住先に日本でも注目されてますね。それを体現した国花「バンダ・ミス・ジョアキム」。

国民に愛されている証拠に、1セントコインのデザインにも落とし込まれた過去があるそう。

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古銭ショップで漁って、入手してきました


そしてその国花、「バンダ・ミス・ジョアキム」がデザインに落とし込まれた今回の「GEL-LYTE V  "Vanda Murasaki"」。もうコラボ先のLimted Edtには脱帽です。

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この奇跡の一足は市場価値こそついていますが、それを超越する尊さがあります。体感プレミア価格、高騰です。

さいごに

いかがだったでしょうか。

もう魅力でお腹いっぱいだと思うんですが、このモデルに関して最後のアピールタイムを下さい。

みなさん覚えていますか?魅力の四天王にこと。

実は「GEL-LYTE V  "Vanda Murasaki"」は魅力の四天王を網羅しているステキなモデル。

デザイン良し、文化良し、販路良し、そしてスベボ良し。。。

私驚きました。

シンガポールから荷物が届いたらこんななんですもん。

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こんな素敵なスペボなかなかないです

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素敵な替えのシューレス2本と防水スプレー付き。

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シューレースはワックス加工がされているように見受けられます。

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またボックスのあけ口には「バンダ・ミス・ジョアキム」のデザインがあしらわれたピンがあり、非常におしゃれ。

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それではこの近年まれにみるスペシャル仕様のスニーカー、いくらするんでしょうか。

価格

これはコラボ先であるLimited Edtの公式ページです。ええ、そうです。1万円切りました。

おかしいです。

やはり市場価値というのは数ある価値感のひとつにすぎませんね。

私が今こうして感じている体感価値を無理やり、市場価値に変換すると10倍はくだらないです←

皆さんも、もし、ご興味がわきましたらぜひチェックしてみてください。

皆さんの気づきになれたら、うれしいです。

「バンダ・ミス・ジョアキム」が体現する、多種多様な人、文化が融和するシンガポールのようなスニーカーの世界になることを願って。

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親指の曲がり具合に定評のある筆者


最後までお読みいただきありがとうございました。

今後も、こういった形でのスニーカーレビューを行いたいと思います。

「よかったよ!」と感じられたかはぜひ、いいね!を押していただき、ツイートなどで感想を添えてくれると非常にうれしいです。


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