麻雀と自分 part1

麻雀を覚えたのは多分中学生の頃だと思う。
そのころ自分はインターネットとアニメにどっぷりハマっていた。その影響でアカギやら咲やらを視聴したり、家にあった麻雀漫画を読んで覚えたいと思い雀竜門やヤフー麻雀などを始めた。
趣味というほどハマりはしなかったがやっているうちに役やルールはなんとなく覚えていった。

その後高校で将棋にハマり大学では将棋部に入ろう(高校には将棋部がなかった)と思い調べていると大学将棋というのは麻雀とパチンコが必須科目だというのを知り、なるほどじゃあ麻雀サークルにも入らなきゃなと思った。
そして大学入学早々に将棋部に入部しそこそこ先輩の顔と特徴を覚えたところでとある先輩に話しかけた。
その先輩はSといい麻雀サークルに所属していた。のちにメンバーとして働きだすくらい麻雀も上手かった。その先輩に口をきいてもらいサークルまで案内してもらえることになった。
その当時麻雀サークルはやばい団体という勝手なイメージがあり怖くて一人では行く気になれなかった。実際そのイメージは間違っていなかった。

初めて行った時のことはあまり覚えていないがヤニ臭かったのは覚えている。
6畳の和室にいつも2~3卓立っていて高校の頃よく行っていた薄汚い将棋道場の雰囲気に似ていた。
自分が打っているときに誰かが家賃が払えないので5万貸してくれと言って言われた方は財布からポンと渡していたなんてこともありここはやばいとこなんだなと確信した。留年率も30%ぐらいあったと思う。
初めて打った時の事は忘れてしまったがルールもあやふや状況で先輩方に点数計算をしてもらいながら打ったんだと思う。もちろん手積みなので一局終わるたびに牌を積まねばならないが先輩方はまー早い。初心者にはきつく自分はそこで心が折れてしまった。

それから数回勇気を出して行ったが初心者というのが足かせになり1年生のうちはほとんど足を運ばなくなった。
麻雀を打つ機会はもっぱら将棋部の部室でとなった。
最初は名前も知らない先輩の遺産であるコンビニで売っているような小さな牌で打っていたが麻雀は暇つぶしとして人気がなかった。なぜなら将棋でいえばマグネット盤で指すようなもので1、2回ならいいが毎回それではストレスになるからだ。
そこで自分が以前買った普通サイズの牌とマットを部室に置くようにした。
それから部室で麻雀を打つ機会が増えた。
部室にきて一局指し感想戦が終わったところでだれかが麻雀をしようと提案が入り、机の盤駒時計が片付けられ代わりに緑のマットが敷かれる事が多くなった。そのうち将棋よりも麻雀をする機会の方が多くなった。

1年の秋の団体戦の帰り道、S先輩が雀荘に行かないかと誘ってきた。それが雀荘に行くきっかけになった。その後5、6人で大学の最寄り駅近くにあるMという雀荘に向かった。
Mは雀荘の中では大きい部類に入る雀荘だった。毎週のように女流プロが来ていてイベントも多かった。雀荘では珍しく喫煙と禁煙で部屋が分かれていて禁煙の方の部屋には店員がいる事が少なく騒いでも怒られないというのも良い点だった。しかも学割パックがあり朝まで打ってもカラオケのフリータイムの料金程度で済んだ。
そのような要素もあるが麻雀にどっぷりつかるきっかけになったのは全自動卓、特にアルティマの影響が大きい。
ボタン一つで勝手に山が出てきて配牌を取る必要もドラをめくる必要もないというのは麻雀のストレスがほとんどないといっているなものだと思う。
これに自分はハマってしまった。最初のうちはあの少し大きい牌を握るだけで楽しかったがそのうち慣れがやってきた。そこに先輩から悪魔のささやきが入った。

金を賭けないか

その問いかけに何人かは拒否したが自分を含めちょうど4人が残った。
自分と同級生のK、一つ上の先輩のUとS先輩だ。
U先輩はパチンコパチスロが好きで金を賭けることに抵抗がなかった。そのU先輩からパチンコパチスロを教わった自分とKも同様だ。
最初は一局300円ぐらいだった。そのうち500円、点1、点3、点5と慣れると次のレートにまた慣れたら次のレートにと段々と上がっていった。

点3点5となると一晩で場代も含めて1諭吉ぐらいは平気で動く。それまでは負けても笑って済ませられたがこうなるとそうはいかない。
危機感を覚えた自分は強くなるべく麻雀の本を買うことにした。

初めて買ったのはこれだけで勝てる! 麻雀の基本形80という本だった。
これは結構よく簡単な何切るや複合系、捨て牌読みなどについても書いてあった。
そこから押し引きの教科書や科学する麻雀なども買った。
これらの本は為にはなったが自分はネット麻雀などは稀にしか打たずセット一本だったので如何せん実践不足だった。
強くなりたいのではなくセットで負けたくないだけなので中々向上心が沸かずセットではいつも一人とびぬけて強いS先輩以外の誰かが順番に負けるといった感じだった。

そんなこんなで2年生になると急にセットを打つ回数が増えた。理由は今でもわからないが2、3年という事で就活もなく暇だったからだと思う。雀荘にいる時間はめきめき増えひどいときは週に4日、最長で昼すぎから朝の8時まで打ったこともあった。
打つときは大学の授業中に先輩どちらかからお誘いのlineがありメンツ全員が了承すると授業終わったタイミングで部室に集まり自転車で駅前まで向かうという流れだった。たまにU先輩が車で送迎してもらえる時はありがたかった。
大学から雀荘まで10㎞弱あり、行きは意気揚々と行けるが負けて帰るときに頭の中に黒いものを渦巻かせるには十分な距離だった。

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