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YARDSについてのあれこれ。 (後編)

Yu-Gi-Oh! AR Dueling System − YARDS。このシステムをいつオープンなものにするかはまだ未定ですが、興味を持ってくださっている方々のために、どういう経緯で作ったのか・どうやって作ったのかといったことを、2回に分けてご紹介したいと思います。

後編となる本稿では、より技術的な側面のお話や、今後の展開について今考えていることなどを綴っていこうと思います。

前編はこちら


実現に向けて

コンセプトやターゲットは決まったものの、それらをどう具現化していくか、ということを考えないといけません。

・リアルのカードを使う
・プレイヤーへの負担は極力少なくする
・スケーリングできる (開発負荷が少ない)

上記のことを考えながら、どのように開発していったかを追っていきたいと思います。


演出装置

まずこのシステムの足掛かりとして、リアルのカードを使いながら演出を見せる仕組みを考える必要があります。
前編でお話しした通りヘッドマウントディスプレイを使うことは考えていなかったので、他の方法を考えてみました。

最初はフィールドをディスプレイにするのが一番お手軽で良いと思っていました。しかし、実際にデュエルフィールドのサイズを測ってみるとかなり大きいため、そのサイズのディスプレイを用意しようと思うと可搬性がよくありません。また、詳しくは調べてないのですが、スリーブとの静電気が発生してスリーブ等がすぐに痛んでしまうのではないかという懸念もありました。

そこでプロジェクターで投影することを検討しました。なお、プロジェクターの方は実際に使用経験があったというところも決め手の1つとして大きかったと思います。

ここで、今使用しているプロジェクターをご紹介させてください。

こちらの、SONY LSPX-P1です。
これは超短焦点プロジェクターに分類されるもので、「床置きの状態で壁や床に投影できる」優れものです。
サイズも写真の通り、コップより少し大きいくらいのコンパクトサイズ!

YARDS以外にも、このようにして使えば、

大画面でゲームをしたり、映画が観れたりしちゃいます!

今のご時世、テレビを見る機会もそう多くないので、うちではテレビ・テレビ線をすべて撤去し、このプロジェクターを必要な時だけ取り出す、といった使い方をしています。
普段のスペースも広く取れて、個人的には良いこと尽くしだと思っています。

YARDS使用時は、机の上に高さを作ってこのプロジェクターを設置し、デュエルフィールドを投影しています。

ちなみに裏を返せば、このシステムが公開された時に、使用したいとご検討されている方は、このプロジェクターを購入する必要に迫られることになります。今はまだそこそこのお値段しますが、そこは技術の進歩・価格競争を待つしかないですね。


演出発生方法

演出装置が決まったところで、次はその演出を発生させる方法を考えないといけません。

最初は画像認識を使って、カードがどの場所に置かれたかをトラッキングすれば解決すると思い、画像のようなマーカーを置いたフィールドを作ったこともありました。

しかし、プロジェクターを使用するためにある程度暗い場所で使う必要があること・映像を入力する装置 (Kinect/Webカメラ等) が決め切れなかったこと・画像認識という自分にとっての新規技術取得に時間を要しそうであったこと……諸々を考慮して、早い段階からこの線をなくしました。

……あれ?元々はAR/VRを触る予定だったのにおかしいですね?笑
しかし、前編でも述べたように、いろいろな方に早い段階で触ってもらうためには手段を選んでいる余裕はなかったので、この選択は間違っていなかったと思っています。

ただ、今みたいにタブレット端末を使わず、盤面上で直接演出を操作できるようになると、操作性がかなり良くなるはずなので諦めてはいません。
この点に関しては、タッチスクリーンにすることで解決できそうではあるのですが、今のところ予算的な都合が大きく手を出せていない状況です。(誰かXperia Touch買ってくれないかなーー?)


結果としてできたもの

色々と検討を重ねた結果が、今TwitterやYouTube等々で見ていただいているものになります。特にTwitterでは #DuelOnYARDS というハッシュタグで参加者の方々が楽しんでおられる様子も見れますのでぜひともご覧ください。


今後の展開について

最後に、今後のことについてお話ししようと思います。

まず体験会について、本年は「デュエルですとも!オフ@関西」が最後の開催になります。その後しばらくは、新機能の開発などに時間を割かせていただきます。
来年は2月に「デュエルオフの大盤振る舞い!@関西」、そして3月に「一七期一会@関東」での開催が現在決定しております。沢山の方々に支えられて、このシステムも次第に認知されてきたように感じています。この場を借りてお礼を言わせていただきます、ありがとうございます!

そして、私のTwitterをフォローしていただいている方はご存知かもしれませんが、対戦動画を近日アップする予定にしております。
YARDSのシステムを使っての対戦になりますので、実際に動いている様子を見ていただけますので、楽しみにしていてください。

開発については、操作性を追求するために新しい技術を導入してみようと思っています。今までのような新鮮味はないかもしれませんが、より使いやすさを向上すべく、これまで以上に頑張っていきたいと思います。

また開発に関連したものとして、Twitterにて企画「デュエルディスクを作ろうの会」を実施しています。
第1回の投票は終了してしまいましたが、今後もデザインや操作性などについてご意見を伺っていこうと思いますので、よろしければご参加ください。

オープンソース化については、時期は本当に未定です。
理由としては、結構拘りたがりな性格なのでもっと完成度を上げてから公開したいというのと、まだもう少しの間だけ独占期間を楽しみたいという、完全に私利私欲のためです。

その分、体験会という形で見てくださってる皆様に利用していただいたり、その他コンテンツで楽しんでいただける機会を積極的に作っていこうと思いますので、もうしばらくお付き合いいただければと思います。


それでは拙い文章になりましたが、以上でこの投稿は終わりにしたいと思います。もし何かご質問などあればお気軽にTwitter (@reoasxdtmgt) までご連絡ください。


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