見出し画像

見応えのある決闘とはなにか

こんにちは、Reoです。

先日、といっても結構前にはなりますが、マン吉のちれさん主催で開かれた遊戯王のリモートデュエル大会に参加しました。結果は惜しくも準優勝でしたが、どの試合も見応えのある内容で充実してましたね。楽しかったです!

振り返る中で気付いたことを備忘録的に書いていきながら、「見応えのある決闘」について書いていきたいと思います。


デッキ分布

画像1

以上の8人 (前哨戦も含めると+αいましたが) で行われた身内同士の小規模な大会でしたが、振り返ると結構白熱した試合もあったと思います。

取り立てて説明するようなことはありませんが、普通と違うところといえば、

・時間無制限
・相手の心を折った方が勝ち (シングル戦かマッチ戦か、それとも別の方法かは双方の合意で決まる)
・相手が認めればラフプレイはあり (もちろん身内だからの範疇に収まる程度)

というところでしょうか。

デッキとしては、簡単に特徴をまとめると下記の感じでした。

(敬称略)
矢沢【ハイドランダー特化】
るーらる【ロイド】
ちれ【ピンポイント奪取特化】
そらた【レッカーパンダ特化】
Reo【彼岸PSYフレーム】
たかゆき【ジュラックHERO】
じょーじ【レッド・デーモン】
daiki【アメーバ特化?】

身内の大会ということもあり、現時点での所謂大会環境に頻繁に顔を出すテーマを使う人はいませんでした。(私の使用した「PSYフレーム」は若干怪しいですが……笑)
また、特化タイプのデッキが多かったのも、今大会の特徴だったと思います。

私は1出場者の立場でしたが、ツイキャスで行われたため、ほどほどに知り合いの観戦があり、その彼らからも「見応えのある試合が多かった」と感じたようです。それはなぜだったのでしょうか。


出場者が意識した、たった1つのこと

意識的か、それとも無意識に本能がそうさせたのか。それは本人のみぞ知るところではありますが、今回の出場者にほとんど共通していたこと。それはやりたいプレイまでの準備が極端に少ないことです。

出場者の中には動画に出演している方も多く、魅せたいプレイのために、デッキの殆どを準備のために割くことも可能性としては考えられたと思います。
また、所謂大会環境であるような、どのような初手であってもほぼ同じ展開に帰着させるために各展開の繋がりを強める構築法も検討できたと思います。

しかし、殆どの出場者は必要最低限の動きで盤面の準備を終わらせて、自分のやりたい動きで相手を迎え撃つ形を取っていました。


例えば、るーらるさんの【ロイド】デッキは、SRビードロ・ドクロを主軸としたデッキでした。

SRビードロ・ドクロ
効果モンスター
星7/風属性/機械族/攻0/守3000
「SRビードロ・ドクロ」の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①: 自分・相手のスタンバイフェイズに、エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが相手フィールドに存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②: このカードは通常召喚されたモンスターとの戦闘では破壊されない。
③: このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。
④: 自分フィールドに「スピードロイド」モンスター以外の表側表示モンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。

このカードにアクセスするためにメガロイド都市を使い、一瞬でビードロ・ドクロへのアクセスを可能にしていました。

メガロイド都市
フィールド魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
①: このカード以外の自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、デッキから「ロイド」カード1枚を手札に加える。
②: 自分の「ロイド」モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に、デッキから「ロイド」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。その戦闘を行う自分のモンスターはそのダメージ計算時のみ、元々の攻撃力と元々の守備力が入れ替わる。

②の効果で、デッキから三つ目のダイスを墓地に落としながら打点3000で相手のモンスターを突破しつつ、次の防御札を構える非常に理に適ったコンボでした。


手札事故を起こせば、対戦相手と決闘する前から心が折れかねないというのもあったでしょうが(笑)、シンプルな動きで構えるタイプが多かったように感じました。


この心構えがどう活きたか

盤面の準備が動き・デッキスペース的に最低限であるということはどういうことかというと、相手への妨害・自分のリソース回復に多くの枠を割けるということに繋がります。

とはいえ身内同士の大会で、なおかつ優勝したら何かがもらえるわけでもありません。そのため、相手のコンセプトを否定し得るカードの採用は殆ど見られませんでした。そこで出場者が選択したのは相手に合わせて動ける札の採用です。


たとえば、矢沢さんの【ハイドランダー特化】デッキは、名前の通りハイドランダーが主軸のデッキです。

影星軌道兵器ハイドランダー
特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻3000/守1500
このカードは通常召喚できない。自分の墓地にモンスターが5体以上存在し、それらのモンスターのカード名が全て異なる場合のみ特殊召喚できる。
①: 1ターンに1度、自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送って発動できる。自分の墓地のモンスターのカード名が全て異なる場合、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。

基本的には盤面の準備というものが存在しません。その代わり、相手と戦いながら墓地を肥やすことでリソースを確保しつつ、間にシラユキのようなカードで防御しながら戦っていきます。

妖精伝姫-シラユキ
効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000
①: このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にする。
②: このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールド・墓地からこのカード以外のカード7枚を除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

ある意味永遠に準備をしているとも捉えられますが(笑)、ハイドランダー自体も相手の展開に合わせて動くカードなので、いつでと対戦相手と凌ぎを削り合える形になっています。
ちなみに、のらりくらりと相手の手を躱しながら、いつ来るか分からないハイドランダー連撃戦法には毎回度肝を抜かれるので、彼との決闘はいつも楽しいです。


「決闘はコミュニケーション」ということを理解した上で、お互いがお互いを尊重して対戦している様子が多くみられるように思いました。


勝負の明暗を分けたもの

そんな中でも、一応トーナメント形式ではあったので、勝ち負けが存在しました。それらを分けたものはなんだったのでしょうか。

1つは、デッキ構築の側面である対応力の高さだったと思います。もちろん、1万種を超えるカードからデッキを作ると、どうしても対処できないカードが存在することは確かです。しかし、今回はデッキスピードがある程度遅めだったこともあり、解決札を用意できる余裕は少なからず生まれていたと思います。そこで用意ができる対応力の高い構築だったかどうかが勝敗を分ける要因の1つだったと思います。


そしてもう1つは、プレイングの側面で相手の視点に立って行動できていたかでした。

決勝戦は、お互いに「相手へ自分のプランを強要する」コンセプトでした。
ちれさんは「相手のデッキを把握してピンポイント奪取で強力なモンスターを展開する」、こちらは「ラヴァゴとPSYフレームで相手の展開を縛る」というデッキ。

ピンポイント奪取
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①: お互いはそれぞれ自身のEXデッキの裏側表示のカードを1枚選ぶ。そのカードをお互いに確認し、同じ種類 (融合・S・X・リンク) だった場合、相手が選んだカードを墓地へ送り、自分が選んだカードを特殊召喚する。さらに元々の種族・属性が同じだった場合には、相手は自身が選んだカードの攻撃力分のLPを失う。
違う種類だった場合、自分が選んだカードを墓地へ送り、相手は自身が選んだカードを特殊召喚する。

コンセプト的には相手の動きをよく見ることが不可欠で、お互いに精神的アドバンテージは途中まではほぼ互角だったと思います。ただし、こちらが「リソースの回復に追われ、相手の動きを見れなくなった」ことから足元を掬われ、そのまま敗北まで繋がってしまいました。

ちれさんは (仕事柄もあるとは思いますが) 本当に相手の機微をよく見ているなと思います。それに加えて幅広いデッキを組んでいるだけあって、本当に足元のしっかりしたデッキでした。完敗。


最後に

ここまでをまとめると、見応えのある決闘とは

・お互いが自分のやりたい動きをしている
・相手のコンセプトを否定しない
・カードを通したコミュニケーションができる

ということが重要じゃないかと思いました。
その上で、返し返されの白熱した決闘になるかによって、その満足度が副次的に変わるのではないかと考えます。


どんなプレイスタイルが好みかは人によって異なります。超展開から封殺して勝ちを捥ぎ取るのが好きなタイプ、ちまちま妨害を繰り返して活路を見出していくタイプ、はたまたコントロールで相手のリソースを絶っていくタイプ。

それぞれのプレイスタイルに得手不得手があるのは仕方ありませんが、それ自体は否定せずにコミュニケーションで楽しむ方法を模索していきたいですね。


この記事がその一助になれば幸いです。
それでは、またね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?