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[JC論]JCと価値デザイン社会

2019年からJCI日本では、価値デザイン社会の実現を目指した運動を展開しています。価値デザイン社会は、JCI日本も議論に参加した「内閣府 知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会」において提言された、日本が今後目指していくべき社会のビジョンです。

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少子化による人口減少により需要が減退し、国際競争力が落ちつつある日本において、20年後、30年後も明るい豊かな社会を築いていくためには私たちは何を目指していけばいいのでしょうか?日本が戦後目指してきた「求められたものを供給する」というだけでは、世界の工場となった中国や発展しつつあるアジア諸国に打ち勝っていけそうにありません。

日本全体だけでなく、青年会議所メンバーも各地でビジネスを行っていく上で、人口減少による需要減と、国際競争力の低下による日本の衰退に備えておかなければ、個々人の幸せの実現は難しそうです。

一方で、日本は独自の言語及び文化と、1億人を超える人口を持ち、未だに巨額の資金と社会的資本を持つ国でもあります。これをベースに、新たな価値を創造していくことができれば、単なる衰退を避けることはできるのではないでしょうか。

『青年』それはあらゆる価値の根源である」との思いで設立された青年会議所だからこそ、一人ひとりの青年会議所メンバーは価値を享受するだけでなく、価値を創造する側でなければなりません。

現代は世界的に、供給が希少であった時代から、需要が希少な時代に変わりつつある時代です。私たちが、新たな需要を作り出すことのできる、新たな価値を構想し、デザインしていくことができれば、可能性は無限に広がります。それが価値デザイン社会です。

そして、価値デザイン社会の概念と青年会議所の理念はかなり近いところにあります。JCIクリードにある、「個性の尊重」は「脱平均」に繋がります。JCIミッションにある「変化を作り出す力」と、綱領の「相集い、力を合わせ」は「分散と融合」に繋がっています。そして、JCIビジョンの「先導的なグローバルネットワーク」は「共感・貢献経済」に繋がっています。

私たち青年会議所メンバー一人ひとりが主役となって、新しい社会を作り上げていく、その目指す先、ビジョンとなるものが「価値デザイン社会」なのです。そこに明るい豊かな社会や、個々人の幸せがあると信じています。

余談

内閣府 知的財産戦略ビジョンに関する専門調査会に、私は2018年の副会頭時代及び2019年の会頭時代に参加させて頂きました。安宅 和人さん、梅澤 高明さん、落合 陽一さん、川上 量生さん、妹尾 堅一郎さん、冨山 和彦さん、中村 伊知哉さん、林 千晶さんなどなど、まさに未来を予測するのに最高の人物が集まる稀有な会議でした。「発言内容は外に出すが、誰が言ったかは出さない」というチャタムハウスルールで行われ、遠慮なしのぶっちゃけトークが展開されるというとんでもない会議でした。

それぞれぶっ飛んだことをみんな言っているのに、それがなぜか恐ろしいスピードでフレームワーク化されまとまっていく、という場面を何度も目撃しました。遠い未来の空中戦だけでなく、私たちの目線の低ーい発言もちゃんと取り込んでくれるという素晴らしさ。

そのエッセンスが価値デザイン社会であり、こういうものが政府から出てくるというのがまだまだ日本も捨てたものじゃないなと思いました。

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