JC論:SDGs推進宣言の意味

公益社団法人日本青年会議所第159回総会において、全会一致でSDGs推進宣言が採択されました。

宣言内容自体はシンプルなものです。
「日本の青年会議所はSDGs達成に向けた運動を推進することを宣言する」

これは、「正会員の共通的な事業項目の決定及び変更[定款第36条第1項第11号]」及び「一年間以上継続するものの決定及び変更についての総会の議事は、前項の規定にかかわらず、出席構成員の有する3分の2以上の同意を必要とする[定款第41条第3項]」として採択されたものです。

日本JCの正会員とは各地の青年会議所(LOM)ですので、長期的な各LOMの共通的な事業項目としてSDGsの推進が採択されたということになります。(義務的なものではありません。)このような青年会議所の具体的な運動についての決議が総会でなされたのは、1990年に行われた「地方分権推進宣言」以来29年ぶりです。

本来日本JCは、各LOMの総合調整機関として、LOMの運動・活動をしやすくする環境作りや、LOMだけでは解決しづらい問題に取り組む必要があります。ですから、特定の運動をLOMに依頼することはあっても、押し付けることはありえません。他団体と違い、青年会議所には親団体や上部団体はないのです。SDGs推進宣言にしても、日本JCが進めたいだけなら、2016年に総会に提案されていたでしょう。しかし、LOMの理解なくそんなことをしても無意味です。

日本JCでは、SDGsの前身である、UN MDGs(国連ミレニアム開発目標)の時代から普及・啓発に努め、SDGsについても2015年のJCI世界会議金沢大会で採択された金沢宣言をはじめとして、2016年以降SDGsの普及・啓発及びSDGs達成に向けた運動を進めて参りました。

その結果2018年末に行われた、2019年の各LOMの運動・事業についてのアンケートにおいて、580以上のLOM(2018年12月現在)が、SDGsを取り入れた運動・事業を実施するとの回答が得られるまでになりました。

このように、SDGsに向けた運動・事業が全国的に浸透している中で、LOMの運動・事業を後押しし、青年会議所全体のブランディングを向上していくのが、日本JCとしての役割ということになります。青年会議所のブランド向上は、各LOMの会員拡大の成功にもつながります。

このため、2019年度日本JCでは、「青年会議所が日本一のSDGs推進団体になる」ことを目標に置き、SDGs推進宣言を総会に提案をさせていただきました。このSDGs推進宣言が総会で全会一致で採択されたことにより、青年会議所はSDGsを推進することが、内部的にも、外部的にも明確になったことになります。

しかし、これはもちろん環境づくりであり、スタートにすぎません。全国でSDGsを推進する青年会議所の運動が進み、社会にインパクトを与えるのはこれからです。

さらに、青年会議所は中小企業経営者及び経営者予備軍の集まりでもあります。青年会議所がSDGsを推進することで、ゆくゆくは全国の中小企業でSDGs達成に向けた活動が行われ、企業が社会により良い影響を与えるようになることが期待されています。

日本JCでは2019年、中小企業への普及・啓発活動を進めるため、政府のSDGs政策を先導する外務省と2019年1月にタイアップ宣言を行いました。このタイアップにより、少なくとも3000社がSDGs達成に向けた活動を始めることを目標として活動を進めて参ります。

このSDGs推進宣言が、将来的に多くの国民を動かし、より良い社会が築かれ、良い社会から経済成長が実現し、私たち自身の未来が明るい豊かなものになることを願ってやみません。

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