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JC論:報告議案の構造、そのポイント

Active Citizen Frameworkでも、分析、展開、実行、検証のうち検証がキモであることを書きましたが、報告議案は実は計画議案よりも重要です。

素晴らしい設計図面に価値があるでしょうか?できた建築物に価値があるでしょうか?いうまでもなく建築物です。報告議案がなければ、事業は完成しません。

なぜ報告議案が重要か

その理由は、報告議案は青年会議所の事業を単なる単発の活動ではなく、継続的な運動に変える起点となるからです。青年会議所の事業は「運動してますか?」でも述べたように、誰かを変える運動を作るために行います。しかし、たった一つの事業で持続的に誰かを変えることは難しいので、社会実験や人材育成やキャンペーンを行って持続的に運動を広げる仕組みを作る必要があります。一回やってみて、この出来上がった仕組みを書くのが報告議案なのです。

計画議案の段階では、運動を広げる仕組みは出来上がっていません。まだやっていないからです。やってみて、その事業が運動を作る仕組みになっているのかどうかを記載するのが報告議案なのです。

報告議案の構造とそのポイント

報告議案では、目的、KPI、広報、参加員数、事業内容、パートナーなどの各ポイントについて検証を行い、最後に引継ぎ事項や次年度への提言を行う構造になっています。

目的
目的の設定は適切だったでしょうか。多くの場合問題はないでしょうが、目的設定が誤っていた場合はその旨を記載しましょう。

KPI
KPIは適切に設定されていたでしょうか?各事業実施の段階において、どのようなKPIの結果が出たでしょうか。KPIは事業実施の指針として有効に機能していたでしょうか?

広報
広報は計画通りできたでしょうか?またその結果はどうだったでしょうか?事業の内容が伝わらなければ運動としては非常に価値の低いものになります。何が効果的だったのかを詳しく記載してください。

参加員数
事業に計画通り参加してもらえましたか?参加してもらえなかったとしたら何が原因でしたか?逆に予想以上に集まったのであれば何が効果的だったのでしょうか?

パートナー
パートナーは適切でしたか?もっと良いパートナーはいませんでしたか?パートナーとの関係はうまく行きましたか?パートナーともっとうまく行くためには、どうすればいいでしょうか?

事業内容
事業内容は目的達成のために有効でしたか?何が達成できて、何ができませんでしたか?予想外の結果はありましたか?時系列全体の動きはどうでしたか?計画と大幅にずれたことはありますか?あるとしたらその原因は何でしょうか?

引継ぎ事項と次年度への提言

引継ぎ事項
もう一度その事業を行うとすると、または別の人が行うとすると、特にどこに注意する必要があるでしょうかということを書くところです。

失敗の原因となったことは何でしょうか?やるうえで最も適切なタイミングやもっと早くやっておけばいいことはあったでしょうか?人、金、パートナー等であればより効果的なことはなんでしょうか?

ここは、できるだけ具体的に書いてください。もっと予算があればいい、もっと人がいればいい、と書かれても「じゃあどれくらい」という話になります。いつどのぐらい必要なのかを書いてください。

次年度への提言
この事業をやったうえで、次年度はどうするべきかを書くところです。個々では白黒つける必要があります。この事業は運動を作るうえで有効だったのか、別のことを考えた方がいいのか、はっきり記載してください。特にやってみて「やめるべきだ」という場合ははっきり「やめて別のことをやるべき」と書くべきです。

逆に運動として非常に有効だったのであれば、どうすればより広がりのある運動になるかを書いてください。添付資料でパッケージ化されたマニュアルをつけるのもいいかもしれません。あとから見た人が、「これはやってみたい」と思うようなものに仕上げてください。

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