色んな絵

JC論:議案の書き方:計画議案の背景1

計画議案にとって最も重要性の高い部分、それが背景です。JCIの推進するActive Citizen Frameworkの分析(analysis)に相当するところであり、背景の取り方ひとつで事業の成否が全く変わってきます。

良い背景とは?

良い背景の条件は、
1、問題がわかること
2、問題の原因がわかること
3、あるべき状態がわかること
この3つです。

例えばこうです。
1、問題:外国人観光客の消費が少ない
2、原因:昼間は観光で忙しく、じっくり買い物ができる夜間に開いている店が少ない
3、あるべき状態:夜間に外国人観光客が消費したくなる環境を作る

この3つをそろえていく必要があります。

継続事業こそ背景が重要

ところで、継続事業で最も重要なこと、それは背景です。なぜなら、継続事業ではやることは変えられないが、背景と目的は変えられるからです。継続事業で一番困る質問は「前回と何が違うの?」という質問です。前回との違いを問う質問に事業内容で答えてはいけません。前回との違いを事業内容で出そうとするばかりに、毎年毎年やるべきことがどんどん増えて事業が重たくなり、負担感ばかりが増える継続事業になります。スマートな答えは「前回とは背景と目的が違います」という答えです。背景と目的が違うから、事業の中身も整理できるし、新しいチャレンジもやりやすくなる。去年やってたからといって、背景と目的が違うなら、同じことをやらなくてもいいのです。

継続事業ではぜひ背景と目的を前回からできればガラッと変えてください。それだけでぐっと議案が通りやすくなります。

背景を書く前にやること

背景を書く前にやること、それは調査です。何を調査するのか、それは、先ほど挙げた問題と原因とあるべき状態を考えるための調査です。

まず問題は大体理事長所信とか委員会の事業計画で書かれています。地域社会の問題なのか、地域経済の問題なのか、メンバーの問題なのか、とにかく何かしら解決したい問題があるはずです。まず何が解決するべき問題なのかを確定させてください。

次に、問題の原因が何かを調べます。
1、検索:もっとも楽な方法は、「[地域]  [問題] 調査」とgoogleで検索することです。例えば「高松 外国人観光客 調査」のような感じです。出てこない場合は、地域の範囲や問題の範囲を広げてみましょう。高松→香川、外国人観光客→観光客といった具合です。「問題 原因」というのもいいかもしれませんね。世の中大抵の社会問題はすでに誰かが研究しています。その研究データを頂くのが最も早いでしょう。
2、聞く:次に楽な方法として、詳しい人に聞くというのがあります。もっとも聞く対象としてふさわしいのは、行政の政策担当者です。彼らは毎日真剣に社会問題に取り組んでいますので、問題の原因にも大抵行き着いています。でも、それは公開できるものではなかったりします。こっそり話を聞きに行きましょう。行政の政策担当者とつながりがないときは、上司や先輩に聞いてみましょう。大抵つながりがあるはずです。
3、書籍等を調べる:書籍等に当たるのもいい方法ですが、数が多すぎて結構リスキーです。地域の問題なら初めに参照すべきは地域総合戦略です。「○○市 地域総合戦略」と検索してみましょう。必ずあるはずです。大抵のことはそこに記載されています。生活に関わることは市町村の総合戦略、経済にかかわることは都道府県の総合戦略(政令市を除く)に大抵書かれています。これをとっかかりにしてください。

手間はかかりますが、時間があるなら、もっと具体的な行動というのもあります。
1、アンケート調査する:対象者にアンケート調査をするものです。予備調査なので50~100もとれば問題ありません。重要なのはできるだけ、選択肢で答えられる質問にすることです。自由回答をもらっても混乱が深まるだけで背景になりません。
2、社会実験を行う:説得できる材料は特にないけど○○なはず、というのであれば実際にやってみて証明するのが手っ取り早いです。でもこれは相当パワーを要するので、JCI日本本会とかビッグLOMでないと難しいかもしれません。実際にJCI日本本会では1年のうちに1委員会で3回社会実験をやった例もあります。説得力が全然違いました。

原因がわかれば、あるべき姿も大体見えてくるはずです。なぜあるべき姿を描く必要があるのかといえば、事業の目的自体はどうしても狭いものにならざるを得ないからです。問題の原因をすぐ解決できる目的を立てられないなら、あるべき姿を示して、そこに至るための一里塚としての目的を立てることになります。

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長くなったので分割します。
計画議案の背景2

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