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GW後半|瀬戸内国際芸術祭へ


ゆるく、続きです。


東京から神戸にかえり、西へ。GWの後半は1泊2日で瀬戸内国際芸術祭へ行ってきました。北海道から来てくれた友人といっしょに。神戸から瀬戸内国際芸術祭のメイン会場となる直島までは、岡山の宇野までは車で、宇野から直島まではフェリーで向かったのですが、車中、NVC(non-violent-communication)を学ぶせいらの解説付きで、NVCのラジオを聴きながら向かう。いい時間ですね。

せいらもおもしろい友人で、いろんなことに挑戦している。本業はデザイナー。

宇野からフェリーで直島へ。


風が気持ちいい。

事前に「ここだけはおさえたい!」というところだけ洗い出しをしていったのですが、リサーチが足りず、行きたいと思っていた豊島に行けないなどが発生した。今回の滞在は予行演習だったなと思っている。Tipsをおいておきます。

  • そもそもGWに行くのはオススメしない。地元の方いわく「1年でいちばん混む日に来たね」とのこと

  • フェリー乗り場がある宇野までが遠い。宇野についたら夕方だった。あたりまえだ。前日に宇野入りし朝イチのフェリーに乗るのが吉

  • 予約が必要な施設は早めの予約を!大きな美術館はGWだと1週間前で予約がいっぱいになった。結果、地中美術館に行けなかった。行きたかった、次回におあずけですね

  • 夜のたのしみの選択肢がすくない。お酒を飲むなら持ち込み必須

  • おいしいお店が少ない。行ったお店は残念ながらほとんど外れだった。食事は事前に口コミ参考に決めておくか、ベネッセホテルで食事つきのプランをとるのがオススメ(1泊4万円ぐらいにはなってしまいますが)

  • 家プロジェクトには半日割いてほしい。島に住むひとを巻き込むうえで大切なプロセスとなったインスタレーションであり、瀬戸内で芸術祭をおこなう意義が(おそらく)いちばん色濃く表れていると思うので

  • 車で行けるのは直島まで。行ける方法はあるはずだが、スケジュール的に豊島行きのフェリーにアクセスできず。直島以外に車で行こうと思うとスケジュールが限定される

  • 直島までは逆に車で行くのが(ぼくは)オススメ。レンタサイクルなどの選択肢もあるけれど、島をグルっと一周すると、約14km。気軽な移動をするにはすこし大きい。逆に車があると、島内のどこを目的地としても15分かからず到着でき、非常に快適。もしかしたら島的には車できてほしくないかもしれないなとは思う。狭い島で渋滞なんて起きたらたまったものじゃないでしょうし


ということで、スケジューリングなどは十分とはいえなかったのですが、それでも、ほんとうに行ってよかったと感じる滞在になった。


印象に残った展示


家プロジェクト|護王神社

杉本博司さんの作品。江戸時代から祀られる神社が再構築されている。本殿の地下に続く通路を設計し、神社の地下空間へ接近していく体験ができる。


「入る」もよかったが、「出る」も、よかった。瀬戸内海の水平線へ向かって歩いていくような。水平線へ近づいていく体験がデザインされているのだと思う。

外に出るとこんな景色がひろがる。


The Naoshima Plan 「水」

直島のイエを丹念に調査し、その特徴を顕在化させるインスタレーション。直島にある家屋の特徴は「南北に続き間がある」こと。島の構造的に風の向きが南北で、家屋に風がを通すための工夫なんだって。

風のはじまりを水で表現する。

手を入れると、水中の手が不思議な色になる。この変色の仕方はあまり経験したことがない気がするんです。普段、意識していないだけ?

この展示が家プロジェクトに含まれていないのが不思議なのだけれど、ぼくが観たなかでは、最も家プロジェクトのコンセプトを表した展示だったのではないかなと感じている。もしかしたら「家プロジェクト」というなまえは、プロセスによるものなのかもしれませんね。


せいらは大竹伸朗さんというアーティストが手がけた作品がお気に入りだったそうで、「キラキラしてるものがスキ~~~」とご満悦だった。それぞれがなにに強く反応するかを見比べられるのも楽しい。大竹さんが手がけられた銭湯。エキゾチックでした。



直島という地域


直島、人口は3,066人、ピーク時には7000人を超える人が住んでいたそう。半分以下になってますね。過疎による地方消滅の最先端をいく場所だと思う。そんな場所にたくさんのひとが足を運び、行列ができ、続々と新しいお店ができる。また、自分の生きかたと一致する小商いをするために、バイタリティある人が続々と移住してくるのは、控えめに言って、奇跡だ。瀬戸内国際芸術祭はベネッセという企業体が大きな役割を果たしながら実現されたのだと認識しているのですが、ベネッセが直島に来たのは30年前だそうで、最初は社員向けの保養所をつくることからはじめたそうで、瀬戸内国際芸術祭はその20年後にはじまった。

島で何人かのひとに「島の方は、ベネッセさんのことをどう思ってるんでしょう?」と聞いてみたのだが

「うーーん、半々やね。こんな混ませやがってというひとも多い」という答えが多かった。

30年という時間をかけ関係構築をし、こんなにたくさんの、自分の手足でお金を稼げるひとを連れてくる取り組みをするけれど、半分のひとは否定的。そんなもんなんだろうな。半分のひとから歓迎されているのがすごい。そのことを実現するために、30年、かけている。

また、公共施設が豪華なものが多いことに気づく。これは町役場。役場でせいらと待ち合わせするタイミングがあったんですが、「あの・・宮内庁みたいなところで!」と言っていた。笑った。宮内庁て。見たことあるのか。けど、たしかに。ぼくは竜宮城感があるなと思いました。

小学校。驚いた。美術館だと思っていたので。

背景を聞くと、昔から三菱が銅の採掘と加工をする施設を直島にもっており、いまでも島内の半分ほどのひとが三菱マテリアルに従事されているんだそう。高い税収をなににつかったか。投資を、ただの投資とせず、文化的なものにしようとしたのだと教えてもらった。こういった地域のDNAがあり、瀬戸内国際芸術祭は成立しているんだなと理解した。

ここでおこなわれていることがモデルケースとなり、さまざまな地域で芸術祭をしようという機運が高まっていると、ときどき目にする。そしてその取り組みにはだいたい広告代理店が入っている。瀬戸内国際芸術祭も、企業が大きな役割を果たしたということ、プロモーションが上手なこと、プロモーションが上手なわりにサイトUXなどはビミョーに悪いなどがあり、伺った目で見ていた。ガワだけきれいにすることが仕事だと思っているひとが多いんだろうか。浅はかでした。ここでおこなわれていることは、一朝一夕じゃない。


ともだちができた

当初思い描いていたスケジュールとは違うものになったんだけれど、大満足だった。車を見なきゃいけないので、ぼくは直島に残り、せいらは豊島に向かった。そのあいだにともだちができた。「なんのお集まりなのですか?」と聞くと、「俳句仲間なのよ」とのこと。

ほんとうに会話のなかでのユーモアのレベルが高いみなさんで、みなさんの会話を聞いているだけでたのしかった。半日いっしょに過ごすこととなり、ビーチにいっしょにいったりした。そこでもともだちができた。ルシアン。いっしょにビーチを探検したのですが、かぶっていた帽子に砂からツタからいろんなものを放り込み、ポーズを決めてくれた。なんのポーズだったんだろう。俄然、気になってきてしまった。聞けばよかったな。水辺は人を開放的にしますね。

宇野までお送りすることとなり、さいごにおかあさんがチョーイけてるコーヒースタンドに連れていってくださった。

みぞかわさん、みなさん、ルシアン、せいら。楽しい滞在をありがとう。

瀬戸内国際芸術祭、自信をもっておすすめできる。タイミングが合えばぜひ。

さいごに、ぼくが圧倒的クリエイター感をかもしだしている写真を置いておきます。こんなこともできるよ!瀬戸内国際芸術祭。笑ってみてね。


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