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2023シーズン 選手個別寸評

今季はなんと60試合を闘い抜き、選手・スタッフは過密日程を乗り越えシーズンを終えた。
秋頃からとっくに疲労のラインを超え、パワーアップしたゲームを見れることなく、隠し隠しでやり切った印象が強い。

本稿はそんな2023年シーズンを振り返り、選手個別に今季の出来を書き記していきたいと思う。

※注意点※
・あくまで私視点での寸評です。
・監督・選手をリスペクトしており、批判的かつ攻撃的に文書を作成しておりません。
・今季→2023年 来季→2024年

評価 😆…… S 評価 (理想的な活躍)
   😃…… A 評価 (上々の出来)
   🙂…… B 評価 (悪くなく並大抵)
   😞…… C 評価 (来季こそ奮起へ)

MG

監督 マチェイ・スコルジャ 😃

今季新監督として就任したポーランドの名将。浦和フロントからは5月のACL決勝に一度ピークを持ってくるようにタスクを与えられ、沖縄キャンプから余裕のないチームづくりを強いられたが、見事タスクをこなした。夏場前後では選手が怪我やコンディション不良で入れ替わりながら離脱し、理想的な采配はできなかった。しかし、現有戦力で厳しい日程を乗り越えた。一年での退任は寂しいが、「負けないチーム」を植え付けた。浦和歴代監督の中でもトップクラスに優秀であったことに間違いはない。

マチェイ・スコルジャ

GK

No.1 西川周作 😃

今季はJリーグでベストイレブンに選出され、37歳にしてまたさらに飛躍した一年となった。失点数もリーグ最少で、センターバックの二枚と共に強固なディフェンスでチームを支えた。しかし、リーグH川崎戦では驚くようなトラップミスで失点に関与したり、リーグH神戸戦では無許可でゴール前へ上がり勝利を逃したりと大きなミスを犯した。しかしそれ以上にルヴァンカップ決勝やCWC3位決定戦ではPKストップとACLも含め最も重要な試合で活躍してみせた。昨季よりもトピックのある収穫の多い一年となった。

No.12 鈴木彩艶 😃

今夏2020年からトップチームに在籍したレッズユースの”大宝”彩艶が世界の舞台に身を移した。移籍先はレッズの先輩遠藤航や橋岡大樹らが在籍したシント・トロイデン。当時日本代表ゴールキーパーであったシュミットからポジションを奪い、現日本代表に属することとなった。浦和では2021年に西川から一時期ポジションを奪ってレギュラーになっていたが、その後は再びカップ戦要員。出場機会を模索していた頃、マンチェスターUからオファーがあったようだが慎重に考え出場機会を得られるクラブに移籍した。今後世界で輝いた後、いつか浦和に帰還してほしいと願う。

No.16 牲川歩見 😃

守護神の座は一年を通して西川に明け渡したが、今夏移籍した彩艶に引けを取らないシュートストップと集中力を切らさないプロフェッショナルなプレーで安定感を最後尾から支えた。出場した試合はルヴァンカップをはじめとしたカップ戦に限られたが、西川と同じレベルのビルドアップ能力を示し、控えゴールキーパーにしては勿体ないほどの実力を昨季同様示した。もし他クラブが目を付けていたら、出場機会を求め移籍してもおかしくはない。J1レベルの実力を持つ彼を来季は多くの試合で見てみたいものだ。

No.31 吉田舜 😞

J2大分から完全移籍して一年目。日々の成長を求め、環境を変えて浦和に飛び込んできた。同級生には小泉の存在があり、このチームには馴染みやすかったと思うが、実際の所は情報が無いので確かではない。この選手は西川同様キック精度とビルドアップ能力を買われ加入したが、今季4番手スタートで彩艶が抜けた後でも3番手と序列をひっくり返すことはできなかった。しかしミレッGKコーチの下、今までの考えを覆される指導で充実した一年を過ごしたはず。CWCでは遠征メンバーに帯同し、初めての国際舞台を経験。浦和でしか味わえない時を大切にし、自身の糧にしていってもらいたい。

西川周作 鈴木彩艶 牲川歩見 吉田舜

DF

CB

No.5 マリウス・ホイブラーテン 😃

今季の新加入選手で、開幕前の沖縄キャンプでは就労ビザ取得に時間がかかり開幕戦直前に合流しバタバタなスタートとなった。そんな中、デビュー戦となったリーグ開幕A東京戦では、昨年在籍していたと感じるくらい周りの選手と遜色なくプレーしており、少し驚きさえあった。夏頃から日本の蒸し暑い気候に苦労し、一時集中を欠いて失点に関与するシーンも散見したが、今季Jリーグベストイレブンに選出され、浦和の顔やリーグの顔になりつつある。”神”の領域とまではいかないが、”王”までではあった。

No.13 犬飼智也 🙂

昨季負傷した膝が完治し、シーズン開幕から少しずつコンディションを上げてきた選手。ホイブラーテンが加入前はセンターバックの一番手としてキャンプを過ごしてきたが、移籍のため離脱していた岩波が残留した影響も相まって結果的に4番手まで序列が落ちてしまった。しかし、ルヴァンカップではチームの腕章を巻き、身体はギリギリだったがグループステージ突破に貢献した。その後は長期離脱後の安定した定期的な出場機会を求め今夏柏へと期限付き移籍したが、新天地でのポジション確保をみると良い移籍・決断だったと思う。

No.20 知念哲矢 😞

今季は昨季と比べ出場機会が全く訪れなかった。夏場怪我に苦しんでいたとはいえ、シーズン開幕前のホイブラーテンの加入と岩波の残留、犬飼の戦列復帰が重なりセンターバック5番手から序列を崩すことができなかった。昨季J2琉球から加入した時には、J1で経験を積んで将来浦和の顔になる未来が見えるほど力を秘めていたが今季は見れず。熱い魂と力強い対人守備、鋭い縦パスを兼ね備える左利きは浦和にとって貴重な人材。来季もしかしたら出場機会を求めて移籍するかもしれないが、様々な経験を積めば積むほど良い選手になるに違いない。

No.4 岩波拓也 🙂

本来は今季チームを退団して海外チームへ移籍をしていたはずだが、急転直下で残留。当初代わりとして加入したホイブラーテン、復帰してきた犬飼を相手に最下層からの這い上がりでリーグHセレッソ戦から三番手に付けた。出場は主にカップ戦に限られたが、ホイブラーテンの出場停止で代わったリーグA湘南戦とクローザーとして自身の役割を果たした。本人にとっては不満であろうが、控えに甘んじてもプロとしての振る舞いをしており我慢の一年になった。来季は昨年通り移籍を視野に検討すると思うが、戦力的には失いたくない特徴を持つ選手だ。

No.28 アレクサンダー・ショルツ 😆

今季もチームに欠かすことのできない超重要な副キャプテンとして君臨していた。今年は来日後初のイエローカードを貰い話題となっていたが、彼の真骨頂はクリーンな守備。軽々しく抜かれない安心安全な守備と仲間の空けたスペースまでカバーするなど完璧な一年だった。昨季はJリーグ優秀選手賞に選ばれたが、今季はリーグ最少失点のセンターバックとして当然のJリーグベストイレブンに選出。PKキッカーではAセレッソ戦とACLハノイ戦の2試合で止められてしまったが、リーグでは7得点と確実に枠内へ蹴り込む安定性は抜群。この”神”の調子をいつまで続けられるか期待している。

M・ホイブラーテン 犬飼智也 知念哲矢 岩波拓也 A・ショルツ

LSB

No.15 明本考浩 😆

シーズンを通して重要な存在を確立してきた選手。2021シーズンからロドリゲス監督の下、左サイドバックとしてコンバートされたが今季ようやく慣れてきてシーズン開幕から本職さながらの安定さを披露した。この後に紹介する荻原と共に構築した左サイドの”北関東連合軍”と呼ばれる二人で必ず相手守備陣を突破し攻撃面で違いを見せた。リーグH新潟戦、リーグH柏戦で得点を取ることができ、ルヴァンカップ決勝では怪我明けながら高度な技術で同点弾を決めたりと浦和の顔になってきた。来季は日本代表選出や更なる活躍が見込める楽しみな選手として期待したい。

No.26 荻原拓也 😃

2020年以来の浦和復帰で成長した部分を多く感じられた。今季は公式戦で右サイドバックでプレーできることを示したが、ボールの持ち方や姿勢が悪く今後は難しいかもしれない。ただ、彼が途中から投入される試合では、間違いなくワンランク上のパワーをチームに与えていたのは事実。彼はクレバーな選手ではなくガムシャラさが持ち味であるが、来季はもう少し視野を広げてゲームを読む力を身に着けてもらいたい。クロスを味方と連携して合わせること、守備時にボールウォッチャーにならずマークを外さないこと、手癖を直すこと。改善点は山ほどあるが、今できることの表現は伝わった。

No.66 大畑歩夢 😞

昨季は左サイドバックの1番手として高評価され、多くの試合で起用され続けてきたが今季は急ブレーキ。明本の急成長と荻原の攻撃力に負け出場機会が激減してしまった。ライバル二人の怪我やポジションシフトにより、酒井以外の本職右サイドバックには守備面で勝っていたため出場機会は最低限確保できた。左サイドバックとして今季初先発したリーグH湘南戦では見事な背後への飛び出しと華麗なコントロールで興梠のゴールをアシストしたが、攻守両面で課題が露呈。特に守備時に前に入られる守り方は要改善。来年パリ五輪があるが、更なる成長に期待し厳しい評価とさせてもらう。

明本考浩 荻原拓也 大畑歩夢

RSB

No.2 酒井宏樹 😃

今季スコルジャ監督から指名で新キャプテンに就任し、持ち前の経験と圧倒的なプレー強度で統率を図った。沖縄キャンプで負った負傷を隠しながら序盤戦はプレーしてきたが、リーグA名古屋戦で負傷交代して以降、キャプテンとしての戦列離脱期間が長すぎた。2カ月後に戦列復帰を果たしたが、限界ギリギリのプレーでなんとか最後まで繋いでいた。CWCでは怪我による3カ月の離脱を発表していたにも関わらず準決勝のレオン戦では戦列復帰。あまりにも早すぎたが、当の本人はむしろ良い状態と豪語。このオフ期間ではシーズンを闘い抜く身体づくりを慎重に準備してもらいたいところだ。

No.6 馬渡和彰 🙂

限られた出場時間でも持ち前のキック精度でインパクトは残した選手。しかし肝心の守備強度とビルドアップ能力の向上が見込めず、天皇杯関西大戦を最後に監督からの信頼を失ってしまった。ファン・サポーターからは昨年のプレー具合から、レギュラーの酒井が離脱時に本職の彼が起用されないことに私も不満を抱いていたが、ベンチ入りのメンバーにも割って入ってこれずに左の明本、荻原、大畑にポジションを上回られたのは残念だった。今季序盤、右サイドで多く組むこととなったモーベルグとの相性も微妙で、誰であろうとイマイチの嚙み合わせだったことも出場機会激減の要因かもしれない。

No.24 宮本優太 😞

今夏ベルギー2部デインズから期限付き移籍からの復帰を果たしたが、結果的に公式戦一試合も出場することができなかった。ACLでのベンチメンバー拡大の影響では控え選手に入ることがしばしばあったが、CWCの登録メンバーも含め帯同することができなかった。加入当初は酒井のコンディションや本職左の選手が右で起用されていたことから、バックアッパーとして補填できるかと思いきやそれもままならなかった。大学からの同期である安居が今季最も公式戦に出場していたのに対しこの結果は本人も悔しいはず。来季他クラブへの移籍を含めもっと試合に絡みたい。

酒井宏樹 馬渡和彰 宮本優太

MF

CMF

No.19 岩尾憲 😃

今季リーグ戦では1試合累積警告による出場停止以外はフル稼働した副キャプテン。今年35歳になり年齢的に熟してきたが、過去の経験値とゲーム勘でチームの柱になっていた。彼が先発でいないカップ戦などでは、ビルドアップ時に敵陣を崩す展開力がなくなってしまい、チームが流動できないほど依存していた。今年は年間60試合と国際経験が少ない彼にとって未知の領域。ラストゲームのCWC3位決定戦では前半で交代するなど、疲労が誰の目にも映った。来季はセットプレーのキッカーとしてさらに精度を高めたい。

No.22 柴戸海 😞

今季は期待した以上に出場試合数、結果、自身の存在価値を示せなかった残念な一年に。ボランチ3番手でありながらもトップ下で開花し優先的に使われた安居の背に回り、プロ入り後キャリアローの出場8試合まで激減。プレースタイルでは守備の刈り取りに特化した選手だが、試合勘の無さから活躍どころかビルドアップ、ポジショニング、攻撃面全てで悪い方向に向いてしまった。特にリーグH福岡戦の失点が印象的。怪我で定期的に出場できず、ハイレベルな要求を与えられたのは災難だが、今年における成長部分は何だったのか、インパクトが無いまま終わってしまった。

No.40 平野佑一 😞

今季もシーズン序盤から不遇の時を過ごしてしまった。沖縄キャンプの段階からパサーとして同タイプの岩尾に勝れず、同ポジションのライバルには日本代表に選ばれた伊藤敦樹で状況は難しかった。今季出場したリーグ戦は7試合で先発は0。ベンチ入りは多いが試合終盤のクローザーとしてもテンポを変えるパサーとしても信頼を掴めなかった。ACLもCWCも出場は叶わなかったが、今季唯一印象に残ったプレーとして、ルヴァンカップA清水戦が挙げられる。試合終了間際の極上スルーパスは彼の真骨頂で痺れた。来季も彼の独特なパステンポで我々を躍らせて欲しいが去就はどうか。

No.3 伊藤敦樹 😆

今季チーム内で最も評価を高めた選手。念願の日本代表に初選出され、欧州遠征となったトルコ戦では記念すべき代表初ゴールを決めた。元日のA代表活動には参加しないが、その先のアジアカップメンバー入りに割って入れるか注目。浦和ではシーズン開幕から1試合を除くほぼ全ての試合で先発出場を果たし、重要な8番として役割で唯一無二の存在でリーグ戦2得点を記録した。もう少し数字が欲しいが、今年一年疲労感が最も表れていた選手でもあった。欧州で注目なタレントとして評価されつつあるが、このオフ期間でしっかりと身体を休ませて新シーズンに臨んでもらいたい。

No.29 堀内陽太 🙂

今季レッズユースから昇格した遠藤航を憧れの存在として目標を持つボランチ。リーグ戦の出場は今季叶わなかったが、ルヴァンカップA川崎戦でプロデビューを果たす。10月にはルヴァンカップU-21先発出場規定から出場機会が得られるかと思われたが、負傷から超回復した後輩の早川に出場機会を奪われた。公式戦でのプレーは今年一試合しか見られなかったが、練習場の大原でコーチとひたむきに居残り練習をしていたのが印象的。ボールコントロールやキック精度にこだわりを持ち、練習中のプレースピードも日に日に向上していた。来季公式戦で多く見てみたい期待のタレントだ。

岩尾憲 柴戸海 平野佑一 伊藤敦樹 堀内陽太

LMF

No.8 小泉佳穂 😃

今季最も波のあった選手だ。5月上旬のACL決勝まではトップ下の位置で序列をキープし、マチェイサッカーの基盤を築く礎となったが、5月からスランプを起こし、秋中旬頃までコンディションが戻らなかった。終盤戦では頭の整理がつき新たに左サイドアタッカーとしてポジションを確立しリーグH柏戦では今季初ゴール。12月のCWCでは日本でのプレーとは別人なほど頼もしいプレーを披露し、3位決定戦では悔しいオウンゴールを喫したが、彼のプレーぶりは世界に通用する兆しが見れるほど誇らしかった。

No.14 関根貴大 😃

シーズン開幕期では左サイドアタッカーの控えとして厳しい出だしであったが、モーベルグの不調により3月から継続的に出場し続けた。時には右に回ることや本人希望との噂のトップ下、終盤戦には攻撃陣の駒が増えたことから右サイドバックでの出場が目立った。右サイドバックは本人が攻撃の選手と豪語していることもあり消極的だが、客観的に見て今季の調子やプレースタイル、チーム戦術もろとも考えても最適解のように感じた。第一線のアタッカーとしては近年限界値が見えてきているが、来季どのポジションで起用されるか。今季は多数のポジションを柔軟に対応したことを評価したい。

No.17 アレックス・シャルク 😃

今季短い出場時間ながらも”結果”を残してきた選手。シーズン開幕からコンディションを上げ続け、開幕戦からメンバーに入れない苦しい時間を過ごしたが、3月下旬のリーグA柏戦では嬉しい今季初ゴール。その後はルヴァンカップA&Hガンバ戦でゴールを記録したが負傷癖が再発。復帰後はリーグ終盤戦のH福岡戦やCWC準々決勝レオン戦では貴重なゴールを取ってみせた。日々頑張っている選手が活躍する姿を見るのは嬉しいが、特に彼の得点には人一倍大きな嬉しさが込み上げてきた。残念ながら今季限りでの契約満了が発表されたが、来季また彼が闘っている姿を楽しみにしたい。

No.7 安部裕葵 😞

今季予想通りと言おうか期待外れと言おうか迷う選手だ。もしかしたらこの両者とも正しいと思うが、今夏バルセロナ2からの加入で即戦力ではなくあくまでバックアッパー、終盤戦から来季へのジョーカー的存在になればと考えていたが、全くもって試合出場の音沙汰がなかった。大原での練習映像や報道機関からの情報では少しずつキレが戻ってきており、少しでも慣らしの出場があるかと思えたが、プロフェッショナルなスコルジャ監督には許容されなかった。途中、痛みが再発して離脱していたそうだが、来季のキャンプからキレキレな姿で試合に絡めるようになればと期待する。

小泉佳穂 関根貴大 A・シャルク 安部裕葵

OMF

No.25 安居海渡 😃

今季スコルジャ監督から最も信頼を掴んだ選手。昨季は出場時間が短いながらのプレーぶりで最高評価としたが、出場時間が延びた今季はあまり変化のない働きだが、チャンスメイク向上や安定したプレー強度を保つなど、来季更なる飛躍へと繋がる一年となった。彼のハイライトはACL決勝後に不調に差し掛かっていた小泉に代わるトップ下での起用がハマったことだ。あくまでオプションであってほしいが、守備強度の面から貴重な人材としてCWCでも重宝されていた。来季さらに活躍すれば先輩伊藤敦樹に並ぶA代表も夢ではない。チームの心臓として働き続けたい。

No.10 中島翔哉 🙂

今夏加入後なかなかコンディションが上がらず、想定よりも遅いデビューとなった。前所属チームを契約解除で去り、浦和に加入した経緯となったが、大方の予想通りこのチームに馴染むのに時間がかかり即戦力とまではいかなかった。しかし、途中出場で出番を掴んでいき、最終節となったリーグA札幌戦では記念すべき浦和初ゴールを記録した。これからというところでシーズンオフに入ってしまうが、CWCの活躍含め戦術的に機能するであろう片鱗は見せていたので来季に期待。彼をチームの軸にして飛躍してもらいたいところだ。

No.27 エカニット・パンヤ 🙂

今夏期限付き移籍での加入となったが、我々が想像する以上のサプライズを起こしてもらったと思う。ACLでのデビュー、想定よりも出遅れた登場だったがゴールという結果でチームに入り込んだ。そこからルヴァンカップ決勝を含め途中出場でコンスタントに出場機会を得てリーグH神戸戦で初先発。即戦力としての活躍はできなかったが、CWCではタイ人初の大会エントリー者となり、タイ初の快挙となった。2024年元日に行われる日本代表戦にも選出され、来季完全移籍となればチームから求められることが増え、試練も多く降り注ぐだろう。代表活動とともに上手くこなせるか勝負の一年だ。

No.35 早川隼平 🙂

今季2種登録の高校3年生ながらもルヴァンカップを中心に出場機会を得て、自身が思い描いていた以上に試合に絡むことができた。特にACL決勝のサウジアラビアでの舞台では後半途中から投入され、最低限の仕事を果たす。リーグ戦でも先発でも最長45分ながらもプロの試合経験を積むことができたが、浦和というクラブに所属し試合で出場する以上、結果や戦術的機能が求められるが自身の存在価値を示せなかった。厳しいようだが、活躍という意味では、来季はさらにレベルアップしなければ使われなくなるだろう。ただ、ルヴァンカップのニューヒーロー賞受賞は見事でだった。

安居海渡 中島翔哉 E・パンヤ 早川隼平

RMF

No.21 大久保智明 🙂

今季チームにとって戦術的に不可欠な存在となったが、求められた得点力に加え、チャンスクリエイトの成功率に磨きがかからず、周りから期待以上の成績を修められなかった。しかし、リーグ戦では大卒3年目にしてキャリアハイの30試合に出場し、うち2試合以外は先発とスコルジャ監督から信頼されていたのは事実。彼がいないと攻撃の糸口・突破口が作れず自然的に酷使されていた。守備面では奔走したが、ゴール前でのシュート精度の低さは相変わらず。来季は縦への推進力を求められるヘグモサッカーで進化を遂げるのか、はたまたポジションを移して工夫するのか注目だ。

No.10 ダヴィド・モーベルグ 😞

今季シーズン開幕開幕から右サイドアタッカーのレギュラーとして監督の信頼を掴みコンディションが整わない時期でも継続して先発で使われ続けた。しかしリーグHセレッソ戦を最後にサイドアタッカーの枠を関根に上回られ、徐々に出場時間を得られなくなった。その後ルヴァンカップA清水戦では試合終盤のプレーが監督との意見とすれ違い、それ以降ほぼ戦力外扱いに。今夏ギリシャのクラブへ1年の期限付き移籍をし再起を図ろうとしたが、現地ではうまくいっていない様子。今冬での復帰は契約期間満了でないため考えづらいが、来夏戻ってくるのか他クラブへ完全移籍か注目だ。

No.27 松崎快 😞

昨季の悔しさから一変、今季は右サイド2番手のジョーカーとして沖縄キャンプから役割を与えられていたが、素早いドリブルで前線へ運べる大久保と違い、ボール保持しながら必要時に使うドリブル突破ではスーパーサブの役割を果たせなかった。今季最大のハイライトはA名古屋戦。試合終盤、大久保からのバウンドしたクロスにダイレクトではなくトラップを選択し決定的なチャンスを逃して批判の的に。自身の力を示そうとする姿勢は感じるが、このプレースタイルは先発で我慢しながら使わないと噛み合ってこない。このクラブにはそんな猶予はないので、今夏移籍した仙台での奮起に期待。

大久保智明 D・モーベルグ 松崎快

FW

CF

No.11 ホセ・カンテ 😆

4月からのスカッド入りで日に日にコンディションとプレーの幅が一度も落ちることなく広がり、夏から終盤戦にかけてチームに不可欠な重要なピースとなった。人柄も良く、今季リーグで二度退場処分を食らうも悪意が表に出るような悪質なプレーではなく、退場時には潔さもあった。世間からゴール時のレベルの高さから”理不尽”とまで呼ばれ恐れられていた。今季限りでの現役引退が非常に惜しいが、代表選出された1月のアフリカネーションズカップ後に出身地スペインへと戻り、息子さんと幸せに暮らせることを願う。

No.30 興梠慎三 😃

浦和を序盤戦好調の波に乗せたのはこの選手。開幕2戦目のAマリノス戦で活躍し、続く3節Hセレッソ戦でPK獲得、今季初勝利に貢献した。そこからACL決勝を越え7月までレギュラーとしてスタメン出場し続け、疲労との戦いで自身の身体をごまかしながらも与えられた役割を全うした。今年は大きな怪我もなく、彼を必要とした試合で多く出場することができ、安定したプレータイムも確保した。一時期今季限りでの引退も考えたというが、来季も契約延長し浦和でプレーする。

No.9 ブライアン・リンセン 🙂

今季は彼をセンターフォワードの軸としてキャンプからトレーニングしていたが期待外れに終わってしまった。結果的に調子の波に乗せたのは同ポジションの興梠慎三。彼とプレースタイルが違うとはいえ、守備面での惜しみないハイプレス以外はチームに全く機能しなかった。サポーターから得点王になるほど大きな期待をされていた分、批判も少なからずあった。サブスタートでのスーパーサブ的な役割では、リーグH広島戦でのアシストやリーグAガンバ戦での得点で昨季よりは活躍できた。3年目となる来季、彼を軸にスタートを切るとは思えないが、貴重な戦力として機能したい。

No.18 髙橋利樹 🙂

今季J2熊本から這い上がってきた埼玉出身のストライカー。気合十分でシーズン開幕を迎えたが、出番をもらったルヴァンカップA湘南戦で負傷し出鼻を挫かれた。ACL決勝でベンチ入りしメダルを手にしたが、心底喜んでいない表情を見ると、思い描いたストーリーの始まりでなかったことが伺えた。そこから1か月後のA横浜FC戦でようやくリーグ戦初出場を果たし、本職でないサイドで長くプレーさせられたが、守備面で献身性をアピールした。ACL武漢戦で意識を失う危険なファールを受け、CWCの本登録メンバーに間に合ったが出場は叶わず悔しさが滲む。

J・カンテ 興梠慎三 B・リンセン 髙橋利樹

【2023シーズン評価結果一覧】

😆 S評価
ショルツ 明本考浩 伊藤敦樹 カンテ
😃 A評価
スコルジャ監督 西川周作 鈴木彩艶 牲川歩見 ホイブラーテン 荻原拓也 酒井宏樹 岩尾憲 安居海渡 小泉佳穂 関根貴大 シャルク 興梠慎三
🙂 B評価
犬飼智也 岩波拓也 馬渡和彰 堀内陽太 大久保智明 中島翔哉 パンヤ 早川隼平 リンセン 髙橋利樹
😞 C評価
吉田舜 知念哲矢 大畑歩夢 宮本優太 柴戸海 平野佑一 モーベルグ 松崎快 安部裕葵

【2022シーズン評価一覧】

😆 S評価
ショルツ 安居海渡 伊藤敦樹 大久保智明 小泉佳穂

😃 A評価
(鈴木彩艶) 岩波拓也 大畑歩夢 酒井宏樹 岩尾憲 (モーベルグ)

🙂 B評価
西川周作 知念哲矢 明本考浩 馬渡和彰 宮本優太 柴戸海 関根貴大 シャルク (松崎快)

😞 C評価
牲川歩見 (犬飼智也) 平野佑一 リンセン

※(内)は今夏途中退団

前年度との評価比較

UP↗️
🙂→😃 西川周作 関根貴大 シャルク
🙂⇨😆 明本考浩
😞→🙂 リンセン
😞⇨😃 牲川歩見

KEEP➡️
😆 ショルツ 伊藤敦樹
😃 鈴木彩艶 酒井宏樹 岩尾憲
🙂 馬渡和彰
😞 平野佑一

DOWN↘️
😆→😃 安居海渡 小泉佳穂
😆⇨🙂 大久保智明
😃→🙂 岩波拓也 
😃⇨😞 大畑歩夢 モーベルグ
🙂→😞 知念哲矢 宮本優太 柴戸海

※ → 1段階変動
  ⇨ 2段階変動

結びに

2023シーズン、厳しい日程と疲労の中、世界各地4カ国へと飛び、6カ国のチームと対戦してきたレッズ。

サポーターの方々も含め、皆様長いシーズンお疲れ様でした。

年内で確定して退団される選手・スタッフの方々には特に浦和で闘ってくれた敬意を表しながら感謝の意を申し上げたいと思います。

来シーズンは新任のマティアス・ヘグモ新監督の下スタートを切るレッズですが、2024シーズンではリーグ優勝、そして今季成し遂げられなかったルヴァンカップ制覇の二冠へ向け尽力して参りましょう。

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