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『仮面ライダークウガ』第2話感想

第2話 変身 (その5)

 さて、いよいよクライマックスですね!第3号も、ドジっ子だけでなく、間が悪い属性が追加実装され、ますます盛り上がってきました。第3号に惜しみなく注がれる愛に注目しましょう!(違)

 長野県警警察病院。
 廊下で待つ五代雄介。診察室から出てくる一条刑事。ベテランらしき看護婦(このころはまだ看護婦だったような)に、骨折してる可能性があるから検査しろと注意される。いいんです、もう痛くないと断る一条刑事。

 多分こういうお巡りさんを扱い慣れてるのか、負けずにそんなわけないだろとたしなめる看護婦さん。私もそう思う。
 しかしながら、「大丈夫です!!」と語気を荒げる一条刑事。その理由のない自信はどこから?

 一条刑事がコート・ジャケット・ネクタイなしの、なおかつ第2ボタンを開けたYシャツ姿なんてそうそう見られないので、ウットリと見ている。
 仕方ないじゃん、シャツの下の筋肉の付き具合とか、立ち姿とか、カッコいいんだもん。芸術的だね、うん。

 とにかく調べたいことがあるからと、足早に廊下をを歩く一条刑事。あとをついてくる五代に、「まだいたのか」とだけ言って目もくれない。
 「すみません、オレのせいで」とやっとそれだけ言う五代を、一条刑事はわずかに振り返りはするものの視線は合わせない。民間人なんだからもうでしゃばるなと、エレベーターのボタンを押しながらやっぱり五代を見ないで話す一条刑事。

 そんなこと言われても、という感じで回り込み、五代が一条刑事の顔を見ながら「でも……!」と言った瞬間、一条刑事が空いている右手で五代の胸倉をつかみ、五代の体を壁に押し付ける!おお、ド正道ど真ん中の壁ドン!しかも、めいっぱいの力で一度突き放しながらも、五代の背中がなるべく痛くないように(?)壁にぶつける直前でクッと自分に引き寄せるという、高等技術を駆使している!色んな意味でカッコいい一条刑事よ……。

 そしてそのまま、五代に忠告する。戦う力を得たと思うのは勝手だが、五代本人に戦う義務はない事、未確認生命体と戦うのはあくまで警察の仕事であること。
 「中途半端にかかわるな!」そう言って、いいタイミングでやってきて、いい間合いでドアが開いていたエレベーターに乗り込み、ドアを閉める一条刑事。何も言えないまま、五代はそのままうつむくしかなかった。

 このハードボイルドと警察物とバディ物のハイブリッドな場面、超かっこいい!そして、診察室を出てからエレベーターに乗るまでワンカット撮影!何テイク撮ったんだろう、これ。とにかく素晴らしいものをありがとうと、この場面に関わったすべての人に言いたい。

 これまでモノクロで、粒子の荒かった映像が、クリアなカラー画像となり、よりはっきりと戦士の姿が映し出される。体の色が赤い戦士が。

 長野市内のホテル。重い雰囲気のまま、五代はフロントを通り過ぎ、桜子さんのもとへ静かに歩み寄る。桜子さんが「遅い」と声をかけたということは、ホテルを探して部屋をゲットしてから、パトカー待ち伏せ作戦に出かけて行ったということか。

 五代は、赤い戦士のことを考えていたと桜子さんに打ち明ける。本当は赤い色じゃないといけないのに、自分が変身した時は白だったのは、気持ちが中途半端だったから、赤い戦士になり切れなかったのではないかと。
 桜子さんが「五代君でも、気持ちが半端になるなんてことがあるんだ」と言うと、「あるさ、そりゃ……」と吐き出すように言い、握りしめた拳をもう一方の手でそっと包む。

 五代雄介が考えなしの感性だけで突っ走るタイプではなく、彼なりにロジカルに考えていること、本来は暴力には否定的であり、この段階では「求められたからそうした」という、五代雄介にしては受動的な動機で変身したことが分かる。わずかなセリフや仕草に込められる情報量よ……。

 夏目教授の自宅。
 葬儀用の祭壇に飾られた、モノクロの教授の写真。
 焼香に来た桜子さんが、ご遺影に向かって手を合わせていると、親族席から、制服姿の少女がこらえきれずに泣きながら飛び出していく。少女は外に出て、自宅の門の脇ですすり泣く。

 少し離れた家の角にもたれかかって見ている五代雄介。少女はハンカチで目元を覆い、泣きながら「……お父さん!」と呟いてしゃがみ込む。
 その言葉に体ごと少女のほうへ向き直り、泣き続ける彼女を見つめながら、五代は悲しそうな悔しそうな顔で、家の塀を拳でたたいた。
 五代の中で、能動的に戦う決意とか戦う理由ができた瞬間。

 長野市内。午前4時過ぎ。
 とあるおでん屋の屋台で、一条刑事は一人の酔っぱらいを見つける。怪物を見た話を聞きたいと一条刑事が言うと、オオシママサル氏は、嬉々として話をする。

 病院を出たのは前の日の宵の口なので、一晩中コツコツ探していたことになる。痛み止めももらわないで(眠くなっちゃうからかな)、徹夜で捜査とか、メンタルまで……いや、言うまい。

 サン・マルコ教会。
 駐車場に来て停まる一条刑事の覆面パトカー。そこにオオシマ氏の「怪物がサンマルコ教会の窓から入っていった」という証言音声が流れる。
 実際に来た映像と、何故来たのかが分かる音声を同時に流すことで、制作サイドは使える時間が確保でき、視聴者はすんなりと物語を追える。親切!

 教会内部。
 車の音を聞きつけて目を開くホセ神父(仮)。しかし映像が一回転し、天井から逆さにぶら下がっている姿になる。あーもう、完全に我らが愛しき未確認生命体第3号だwwww

 礼拝堂の中へ、一条刑事が荒々しく入ってくる。その手にはショットガン。どうやって許可を(以下略)。
 ステンドグラスを通した窓の外の明かりと、壇上や祭壇の上に置かれた燭台に灯されたろうそくが頼りである。周囲を警戒しながら、礼拝堂の中を歩く一条刑事。

 ……と、緊張感が高まってきたところで、続いちゃうぞ!びっくりだね!私もだよ……(平謝り)

 想定していなかったその6に続きます。

初出:2021年7月2日 2024年5月1日加筆修正

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