『仮面ライダークウガ』第3話感想
第3話 東京 (その2)
長野県警・視聴覚室。
先程の血液検査の結果からまもなく。発掘現場で暴れまわる正体不明の生物の映像を見ながら、どう見てもこの中で一番偉い人が「人間ねえ……」とつぶやく。まだ人間ではないと決まったわけではないことを確認すると、一条刑事と話をしていた鑑識課の人が成分が似ているだけで、人間だと判断できないと話す。さらに映像を見ながら、そこに映った生物も人間に極めて近い種類の生物だろうと説明する。
この鑑識課の人の話し方がいかにも冷静で淡々としていて、本来の鑑識とか科捜研ってこうじゃないかと思いながら、脳内で目をキラキラさせたマリコさんが割り込んで来ようとするのを防御している。土門さん助けて!
被害はすでに27名。近隣の県からも情報が集まっているとあって、この会議での本題と思われる、未確認生命体についての情報確認が始まる。
まず長野県で確認された第1号から第4号についての説明。ちゃんと、第2号と第4号はつながりをもって認識されていて、なおかつ詳しく違うところも説明される。ちゃんとしてる!この世の全てのドラマに出てくる警察かくあるべし。
次に、岐阜県警・愛知県警からの写真。そこにそれぞれ形態の違う未確認生命体が映る。九郎ヶ岳の遺跡で暴れた生命体を第0号として、現時点で7体の未確認生物がいることになる。第2号と第4号はクウガなんだけど。
偉い人(後で分かるが長野県警の本部長)が咳払いし、立ち上がって関東管区警察局の通達を伝える。報道管制が続くこと、ごく秘密裏に各生命体について捜査すること、発見したら射殺すること……生真面目にメモを取っていた一条刑事が、射殺という言葉に驚いて顔を上げる。
県警本部長は続けて、普通の鉄砲が効かないことが分かってるので、特殊部隊が使ってるような、強力な火器が配備されることが伝えられる。とりあえずサブマシンガンと高性能狙撃ライフルは分かったぞw
相手がヤバいので、本部長の締めの「諸君の健闘を切に祈る!」の重みがスゴイ。
何かを考えながらずっと聞いていた一条刑事が、「本部長!」と言いながら立ち上がる。そして、第2号と第4号は捜査対象から除外すべきだと提案する。
なぜだと問う本部長に、一条刑事がまっすぐな目で答える。
「私を、危機から救ってくれました」
ざわめく出席者たち。動揺しない本部長さすが。「それは明らかだと言えるのか」とさらに問う本部長に、目をそらさず「言えます」ときっぱり言う一条刑事。くぅぅぅぅ、カッコいい。
しかし、さらに「証明できるのか」と被せてくる本部長の言葉に、一条刑事は目をそらして言い淀んでしまう。証明するには、第2号あるいは第4号が五代雄介であることに触れなければならないし、民間人を命の危険が伴うこの事件に巻き込むことになってしまう。そのことに思い悩み、こぶしを握り締めるしかない一条刑事だった。
本部長が話し終わってから、自分の意見を言う一条刑事は、熱いながらもやっぱり有能。テレ朝の刑事ドラマで探すと土門さんに近いのか。見習え、特命係の亀山(←帰ってきた亀山は、少し大人になってる)。
会議後。五代の名刺を見ながら、携帯電話をかける一条刑事。ながら歩きは良くないぞw
電話がつながり、向こうから思いもかけないオリエンタルな音楽と陽気な中年男性の声が流れてくる。おまけに挨拶まで「ナマステ」である。怪訝そうなまま聞いていると、それが喫茶店の留守電で、おまけに喫茶店も休みだとアナウンスされる。淀川正治よろしく3回のサヨナラでアナウンスが終わるや、一条刑事が電話を切る。聞き間違いじゃなければ、舌打ちしてるwww
深いため息をつき、一条刑事がもう一回電話をかける。電話の画面には、「沢渡桜子」……いつの間に連絡先交換したの?い、つ!
桜子さんのおうち。桜子さんのプライベートはあまり出てこないので、すごく貴重。桜子さんは爆睡中で、彼女の携帯電話も留守電になっており、一条刑事はメッセージを残す。五代雄介への伝言として、長野には絶対に来るなと。
東京・わかば保育園。
五代雄介とみのりちゃんが話している。長野での出来事を話していた模様。一条刑事の気遣いも知らず、長野で今後も色々ありそうと話す五代。「そうなんだ」と、こちらもいろいろ思うところがありそうなみのりちゃんだが、「お兄ちゃんが決めたのなら間違いないよ」と笑顔を見せる。
でも下着は毎日取り換えるんだよと、お母さんみたいな注意をされてうなずき、五代は「行ってくる」と笑顔で別れる。遠ざかる背中をみのりちゃんが見ていると、五代がくるりと振り返って、親指を上げて見せる。
みのりちゃんも同じポーズを返し、しみじみとした笑顔でなおも兄を見送るのだった。なんていい子なんだ(泣)
長野県警・地下駐車場。午後3時ごろ。
一条刑事がつかつかと自分の覆面パトカーに歩み寄り、黙って乗り込む。この一連の動きがまたカッコいい。何でもない仕草が、どうしてこんなにカッコいいのか。
エンジンをかけ、シートベルトをしたところで、猛ダッシュでやってきた一条刑事付きの一条刑事好きなあの警官が、名前を呼びながら駆け寄ってくる。自分を呼ぶ声に、一条刑事は車の窓を開けると、警官が窓に縋りついて「すぐに来てくれ」という。
その様子に、一条刑事が冷静にどうしたと問いかけるが、彼はいいから来てくれと急き立てる。車を降り、建物の中に駆け戻る二人。事件かな?
この時代はまだ、キーレスでエンジン始動どころか、ウィンドウも自動で開け閉めできなくって、ハンドルでくるくる回して動かしてたんだよね、懐かしい……。
恐らく視聴覚室。ビデオデッキに、ビデオテープが挿入される。その背には「トライチェイサー2000A 取扱説明VTR」と書かれたインデックスが貼られている。固い!ちゃんとしてる!お役所っぽい!
珍しくちょっとおどけた顔と口調で、ビデオテープのケースを示しながら、「すぐに来いと言うのは……これのことか?」と言う一条刑事。ビデオケースにもご丁寧に印刷がされている。しかも英語表記。このテープを作ったトライチェイサー担当の人の、ひいては制作スタッフのプロ魂も感じる。
そしてこの時の一条刑事の可愛さよ。五代雄介とは違う可愛さだ。制作サイドは視聴者をどうするつもりなんだ(どうもしない)。
もともとメカ好きなのか、浮かれまくっている警官。本物が届く前に勉強しなければと言って前のめりでビデオを見る。彼は彼で愛いやつよ……。
説明ビデオ。トライチェイサーの説明が始まる。ナレーションが実に固い。出だしだけ見て、部屋を出て行こうとする一条刑事に、見なくていいのかと声をかける警官。
その言葉に足を止めて振り返り、一条刑事は警視庁にいた時に開発の過程をさんざん見たと、本当にさんざん見たんだな(なんなら試運転に付き合わされた?)と感じられる感情のない口調で打ち明ける。それに対し、ますます一条刑事への色々な思いが高まってしまう警官。
そんな彼に「試作の時点で時速300km出るスゴイやつ」とトリビアを教え、そのまま一条刑事は部屋を出て行ってしまう。なぜその情報だけ伝えたのだ。
ビデオを見たいのと、一条刑事を追いかけたいのとで迷ったのち、ビデオを見るほうを選びつつ、彼の背中に「どうして行っちゃうんですか⁉」という警官。とにかく第3号を潰したいと振り返らずに言い残して一条刑事が去っていく。
この辺のやり取り、ワーカホリックの彼氏と彼女みたい。彼の純情が報われる日が来るのか……(そういう話ではない)
……盛り上がってきたところですが、その3に続きます。
初出:2021年7月7日 2024年5月2日加筆修正
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