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『仮面ライダークウガ』第5話感想

第5話 距離 (その5)

 杉並区・阿佐ヶ谷。午後3時過ぎ。
 高いところに立つバッタ型の未確認生命体。風が強い日なのかビル風なのか、マフラーがこれ見よがしにたなびいている。

 一人の警官が何発も銃弾を撃ち込むが、視聴者にはご存じの通り、貫通どころかめり込むだけで、それも傷一つ付けられぬまま全ての弾丸が押し戻されて地表に落ちる。あまりのことに驚き、もう一度銃を構える警官。そこへ、もう一人の警官が駆けつけ、銃を構えようとする。

 すると、バッタ型の未確認生命体は駆け付けた警官に向かって飛び降りてくると、銃を持った腕をめがけて殴りつける。なおも警官が銃を構えようとしたところ、その腕をひねり上げる。そのひねり方見てるだけで痛い。

 痛みのあまり銃を落とす警官。バッタ型の未確認生命体はつかんでいた腕をグイっと警官の背中に回し(絶対痛いやつだ!)、空いているほうの手で後ろから警官の肩をつかむ。折ったのか刺したのかは分からないものの嫌な音が聞こえるや、バッタ型の未確認生命体は警官の肩をつかんでいた手をそののど元に動かし、そのまま垂直に飛んで行ってしまう。叫ぶ警官。

 先に発砲したほうの警官も驚いて声を上げる。見る間にビルの上まで飛んで行くバッタ型の未確認生命体。非常階段の一番上に来ると、そこから連れてきた警官を突き落とす。ヒドイ奴だな!

 そこへ、駆けつけたクウガがバイクに乗ったまま、間一髪で落とされた警官をキャッチする。一命をとりとめた警官は、自分が生きていることが信じられないという風に周りを見回した後、体を起こしてクウガを見て慌てふためく。
 あたふたする警官を優しく降ろし、立たせてあげるクウガ。もう一人の警官も、クウガのそばに駆け付ける。助けた警官の体を優しくなだめるようにたたくクウガ。優しい。ジェントル。

 そこへ、クウガたちのいる路上よりは少し高いところに降り立つバッタ型の未確認生命体。振り向くクウガに向け、何やら口上を述べるバッタ型の未確認生命体だが、誰にも分からないんだよ……すまんな。ただ口調で、ちょっと上から物申してる感じは分かる(高いところにいるだけに)。

 バッタ型の未確認生命体から目を離さないまま、助けた警官をくるっと回すようにして駆けつけたもう一人の警官の方へと移動させる。社交ダンスのような鮮やかさである。警官たちはあわあわしながらその場から遠ざかる。

 すると、バッタ型の未確認生命体が場所を移そうというジェスチャーをする。どこでそんな知識を手に入れたのだ。それとも古代からそういうしぐさなのか。そしてあっという間に姿を消してしまう。慌てて後を追うクウガ。

 ビルの吹き抜け。あたりをうかがうクウガに、バッタ型の未確認生命体が襲い掛かる!一撃お見舞いしたかと思うとはるか高くまで(何なら第5号より高く)飛び上がっては、また攻撃しに飛び降りてくる。しかし接近戦自体では互角のようである。

 ところがバッタ型の未確認生命体は「チッ、チッ、チッ」とでもいうように人差し指を立てて振り、上に飛び上がる。クウガも負けじと飛び上がる。
 衣装だけじゃなく、しぐさまでアメリカンなバッタ型の未確認生命体。

 まるで高さが及ばないクウガを見下ろして余裕たっぷりな笑い声をあげると、オレはもっと上に行けるぜと言うようなジェスチャーをして再び飛び上がる。手すりの外側につかまるのが精いっぱいなクウガをしり目に右へ左へと自在にまさにバッタのごとく飛び回るバッタ型の未確認生命体。ウザい。

 ようやくよじ登ったクウガの前にバッタ型の未確認生命体が降り立ち、顔面に張り手をくらわす。たまらず地表まで落下するクウガ。痛みをこらえて立ち上がり、上を見ながらつぶやく。「もっと、飛べたら……」

 クウガの視線の先には、はるか上の方からこちらを見下ろし、何やら叫ぶバッタ型の未確認生命体の姿。だから「クウガ」以外、何言ってるか分からないんだってば。

 城南大学・考古学研究室。真っ黒のままのパソコンのモニターを見つめる桜子さん。

 階段を駆け上がるクウガ。何階も休まずかけてきているので、息が荒い。その様子をじっと見ていたバッタ型の未確認生命体は、いよいよクウガが近づいてくると、小馬鹿にしたように鼻を鳴らして(鼻は多分あるよ……)、駆け上がるクウガの頭を掌でどつく。ヒドイ。

 体のバランスを崩し、倒れこむクウガをさらに足蹴にするバッタ型の未確認生命体。絶対にバカにしてるセリフを吐いて、起き上がろうとするクウガをさらに踏みつける。のど元を締め上げると、地表に突き落とす。ヒドイ。

 またしても地表にたたきつけられるクウガ。見下ろすバッタ型の未確認生命体。全身にダメージを負いながらも、なおも立ち向かおうとするクウガに、何とライダーキックをお見舞いするバッタ型の未確認生命体!そうだよね、バッタ型の怪人はやらないとね!(どんな使命感)

 腕組みして仁王立ちし、クウガを見据えるバッタ型の未確認生命体。短く何かを言い、非常階段のてっぺんと言うか建物の屋上まで飛びあがる。
 ボロボロながらも立ち上がり、上を見ながら「何とか、しないと……!」とつぶやくクウガ。しかしながらやっと立っている様子のクウガを、上から見下ろしてあざ笑うバッタ型の未確認生命体。

 何とかできないものかと上を見つめていると、クウガの足首の宝玉が青く輝く。すると、急にクウガの体がぐんぐん飛び上がり、その間に体の色が赤から青に変わる。そのまま屋上まで上がってきて、ピタッと着地を決める。驚いて身じろぎするバッタ型の未確認生命体。

 ゆっくりと立ち上がると、自分の体を確かめるように見て「青くなった!」と驚くクウガ。澄み切った青空のような、深く濃い青色の戦士に変わったのだ。
 ハッと振り返るクウガ。バッタ型の未確認生命体はクウガを指さしながら、何かを言う。多分、色が変わったからどうしたとか言ってるに違いない(そういうことを言うの、バトル物の王道)。違ったらごめんなさい。

 身構えるクウガに襲い掛かるバッタ型の未確認生命体。何度かお互いに攻撃をしあうが、まるで決め手がない。何を思ったのか、バッタ型の未確認生命体はついてこいと言うジェスチャーをして、ビルからビルへと飛び移る。全く同じ高さ、同じスピードでついていくクウガ。

 いったい何だったのか分からないが、別のビルの屋上に降り立つクウガとバッタ型の未確認生命体。全く引けを取らなかったことで「ジャンプ力が増してる⁉」と驚くクウガ。
 改めて接近戦になるが、あまり得意じゃないのか何なのか、バッタ型の未確認生命体は別のより高いビルの屋上へ移動する。もちろん難なく追跡できるクウガ。

 この屋上で、何度目かの接近戦。クウガがバッタ型の未確認生命体のボディに連続パンチをぶち込むが、全く効き目がない。手ごたえのなさに「パンチ力が、弱くなってる⁉」と分析するクウガ。

 自分が有利なことに気づいたバッタ型の未確認生命体は、クウガの腕をとって後ろにねじると、そのまま屋上から地表へと放り投げる!ちょっと待ってこれ何階建てですか⁉

 受け身も取れずに腹ばいで倒れ伏すクウガ。上から見下ろすバッタ型の未確認生命体。どうにか膝立ちになり、バッタ型の未確認生命体と向き合うものの、生まれたての子鹿よりも足下がおぼつかない。さあ、どうするクウガ、どうなるクウガ!?

 というところで、青い背景のクウガの古代文字が出て来て、第5話、完。

 五代雄介と桜子さんの心の距離と、クウガとバッタ型の未確認生命体のジャンプできる距離、第3号の野望までの距離と、いろいろな意味がこめられたサブタイトルでしたね!(第3号は違うという意見は受け付けます)。

 長々とお付き合いいただき、ありがとうございました<m(__)m>

初出:2021年7月29日 2024年5月2日加筆修正

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