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『仮面ライダークウガ』第8話感想

第8話 射手 (その1)

 第7話の終わりで上から落ちて行ったクウガ、着地できなかったのか、着地したけど体が弱っていたせいなのか、地に伏せていてヨロヨロと起き上がるところから始まる。色は緑のままである。
 耳を押さえながら膝立ちになるクウガ。視覚・聴覚からの情報は次から次へと頭に流れ込んできて、その膨大さにもだえ苦しみ、また倒れてしまう。

 ジェットコースター(ウォータースライダーじゃないと思う)の整備用の棟の上からクウガの様子を見ているハチ型グロンギ。あごに手を当て、首を傾げて何やら考えていたが、不意に飛び降りる。

 真上に飛び降りてきたハチ型グロンギを、クウガは苦しみつつも直前で地表を横に転がってかわす。攻撃をかわされ、クウガを見るハチ型グロンギ。クウガも片方の耳を押さえながら、次の攻撃に備えて座ったまま身構える。

 ゆっくりと立ち上がったハチ型グロンギは、自分の針が先ほど(第7話の終盤)に見た時よりも出て来ていることに気づく。
 クウガがどうにかこうにか立ち上がった時、ハチ型グロンギは羽を広げ、真上に飛び上がる。それを見上げていたクウガだったが、急に足から倒れてしまう。

 地表に倒れ伏した時、クウガの色は白に変わっていた。起き上がろうとして、手を伸ばす。押し寄せる情報の波は止まない。
 空は青く、雲が流れていく。

 やがて、音の波がやむ。白いクウガは倒れたまま、起き上がることができずに荒い呼吸を繰り返している。
 施設の建物の奥から、一条刑事が辺りを見回しながら走ってくる。変身が解けて倒れている五代に気づき、足を止め、「五代雄介!」と叫ぶと駆け寄ってくる。五代はなおも動けない。

 第7話終盤から、第8話冒頭にかけての、情報の洪水っぷりを時間をかけあの手この手で視聴者も疑似体験できるようにして、クウガがいかにこの時しんどかったかを伝えようとする熱意というか執念がスゴイ(褒めてる)。

 OP。相変わらず、バラのタトゥの女以外のグロンギたちの名前が出ない。ハチ型グロンギ、お前も無名のまま消えていくのか……(公式サイトなどには出てると思うけど)。

 湯島天神。午後1時39分。
 巫女さんにお礼を言う桜子さん。携帯電話が鳴る。
 電話をかけてきたのは一条刑事である。「突然で申し訳ないんですが」と彼が話そうとすると、五代が電話の向こうで「桜子さん、今度は緑だよ、緑!」と興奮した声で割り込んでくる。
 「五代くん?」電話を聞きながら歩いていた桜子さんは、思わず立ち止まる。

 葛飾区内。レジャーランド。駐車した覆面パトカーとトライチェイサーの近く。
 一条刑事の右手ごと両手で携帯電話を自分の顔へ引き寄せ、もぎ取らんばかりの勢いで五代が話す。「音が聞こえすぎるほど聞こえるし、もう目も見えすぎてスゴイのよ!」
 テンションが上がって携帯電話を放そうとしない五代と、取り戻そうとする一条刑事の攻防が面白い。

 「何なのそれ⁉」と目を丸くする桜子さん。その間も口早に話す五代。
 携帯電話をようやく取り戻した一条刑事は「もういいから!」と五代の手を振り切って体の向きを変える。
 「ちゃんと説明しなきゃ……」となおもすがりつく五代の手を振り払いながら、一条刑事が五代が新しい姿に変わったと説明する。「えぇ⁉」と驚く桜子さん。

 遺跡の碑文に緑の戦士、あるいは空高く飛ぶ戦士というような記述はなかったかと桜子さんに一条刑事が尋ねる。「今のところは……」と返す桜子さん。すぐに調べてほしいとの一条刑事の言葉に、桜子さんが黙り込む。
 一瞬黙り込んだだけなのに、桜子さんに外にいるのかと尋ねる一条刑事、勘が鋭すぎない?やっぱり人間離れ(以下略)

 実はミカちゃんがいなくなってしまったと桜子さんが打ち明ける。「え?」と聞き返す一条刑事。だから今すぐ調べることができないと桜子さんが謝る。一条刑事が分かったと答えると、桜子さんは電話を切る。

 悩ましげな表情で電話を切った一条刑事に、五代がどうかしたのかと尋ねる。一条刑事は五代を振り返り、ごまかすように「ああ、いや」と答えると、「とりあえず、君の体に異状がないか調べよう」と腕を五代の背に回して入口へと連れて行く。
 ちょっとみなさん、「君」ですってよ、「き・み」!良く分かんないけど「キャー!」ってなっちゃったw

 何だかニヤついてるっぽい人間体の第3号と、対照的に無表情の人間体の金ジャケット=ハチ型グロンギが、博物館ぽい施設の中で待っているバラのタトゥの女たちのもとへ戻ってくる。新参の女性グロンギ(これもなかなかの美女)が、笑顔で話しかけてくる。

 ベルトを巻き付けた金ジャケットに黒地のハーフパンツにベレー帽(?)におかっぱ(ショートボブって言ったほうがいい?)という、とにかくパンチの効いたスタイルのハチ型グロンギが、ボードを手に取って線を書き足し、その場にいた全員に見せる。シースルーシャツのグロンギと女性グロンギが、ニヤリと笑う。

 バラのタトゥの女が歩み寄り、鋭い動きでハチ型グロンギの手を取り、手首を見る。彼女が厳しい口調で話しかけると、ハチ型グロンギが見つかったとでもいうようにツツッと目をそらす。落とした飾り付きの腕輪のことを聞かれたのだろう。

 目を戻し、ハチ型グロンギが第3号を見据えながら何かを言う。シースルーシャツのグロンギと女性グロンギがそっと距離を取る。バラのタトゥの女がゆっくりと振り向く。第3号がハチ型グロンギを威嚇するようににらみつける。

 言い訳をするように手を伸ばしかけた第3号に、バラのタトゥの女がその顔に裏拳を決める。相変わらずのスゴイ威力で吹っ飛ばされ、床に転がる第3号。すぐに彼は体を起こし、バラのタトゥの女へ顔を向ける。

 しかし彼女は第3号から目をそらし、ボードを手に取って何事かをハチ型グロンギに言う。何を言われたのか、メンドクセェみたいな表情で横を向くが、バラのタトゥの女が飾り付きの腕輪を手に持って掲げると、ハチ型グロンギはそれを受け取って彼女の前から離れる。
 立ち上がって、ハチ型グロンギの背中をにらみつける第3号。お前、どの立場でそんな態度を取れるんだ……しかし、それでこそ我らが第3号。

 ハチ型グロンギが振り返り、二つの飾り付きの腕輪を見せるように腕を曲げて手首を顔の高さに上げる。「オンバズバ、リント」と上の腕輪の飾りを一つ動かし、「オンバズバ、クウガ」と下の腕輪の飾りを一つ動かす。
 バラのタトゥの女を見つめながら、彼が何か言う。バラのタトゥの女は彼に顔を向け、短く何かを告げる。出て行くハチ型グロンギ。壁に大きく映し出される、ティラノサウルスの骨格の影。
 どうでもいいけど何故そのタイミングで影を映したの?

 前の水族館もそうなんだけど、グロンギたちはどうやって入ってきて、営業時間外のフロアで防犯カメラに見つからないようにしているんだろう?

 冒頭から情報てんこ盛りの8話、その2に続きます。

初出:2021年8月24日 2024年5月3日加筆修正

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