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『仮面ライダークウガ』第5話感想

第5話 距離 (その1)

 第1~2話は五代雄介がベルトに選ばれて何となく変身から、自分が何をしたいのか、そのために戦うことを選び覚悟を決めるまで、第3~4話は、これまで一人で戦いがちだった一条刑事が、五代雄介を守るべき民間人ではなくともに戦う相棒として認めるまで、と言う感じでしょうか。

 そして、第1~4話はこの物語全体の序章として、復活した未確認生命体の動きや、五代や一条刑事の周辺人物なども軽く触れています。さて、これからどうなっていくのでしょうか(特に第3号)。

 ということで第5話本編です。

 朝の城南大学考古学研究室。
 一人で古代文字の解析に取り組む桜子さん。パソコンのモニターに映る文字を見ながら「どうして変身なんかしちゃったのよ、五代くん」と不機嫌そうに言い、五代が事故現場に行った日に桜子さんあてに送ったFAXを手に取る。

 木の枝に光る朝露がインサートされてたり、桜子さんがひざ掛けや肩掛けを使っておらず、少し季節が進んでると思われる。この作品は時間や場所は表示されるが日付は特に出ないので、服装や持ち物をちゃんと見てないと時間経過が分からなくなる(私がウッカリなのかな)。

 研究室に、長身の外国人男性が新聞を片手に持って入ってくる。笑顔で桜子さんに英語であいさつしたり、桜子さんが笑顔でファーストネームを呼んだりするので、研究室の同僚としては結構長い付き合いと思われる。

 ジャンが「早いね」と言うと、桜子さんは気が付いたら朝だったと答える。リキ入ってますねと感心しながら、ラジカセの電源を入れるジャン。ラジオの音声が部屋に流れる。やる気になれなくて手付かずなのだと否定する桜子さん。解読なんかしなきゃよかったと再び軽く愚痴る。

 元気のない桜子さんに理由を聞くどころか、そっと知らない振りするジャンは大人だな~紳士だな~。

 巻いていたマフラーをほどきながらジャンが「しかし、エライことになったね」と桜子さんに話しかける。ラジオもかけずに一晩モヤモヤしっぱなしだった桜子さんは、驚いてジャンを見る。

 ジャンが「Don't you Know?」と言いながら自分が持ってきた新聞を手渡す。新聞は英字新聞で、一面にはでかでかと第5号の写真が載っている。脇の方には第5号とクウガが向かい合っている少し小さめの写真もある。その英文だらけの新聞を、滑らかに日本語で音読する桜子さん。
 一面の記事には、東京に未確認生命体が出現したこと、またその未確認生命体の存在を公式に警察が発表したことなどが記されていて、思わず「ウソ……」とつぶやいてしまう桜子さん。

 OP。おやっさん・橘秀一、初クレジット。ジャンはない……このころはまだ、この後定着するかどうか分からないキャラだったのかな……。

 文京区内・ポレポレ。朝9時半ば。
 明るい日差しが差し込む店内は、とにかくエキゾチックと言うか多国籍な内装。テレビからは、未確認生命体第4号・第5号の動向を伝えるニュースが流れている。
 店のカウンターの内側でマスターと思われる中年男性が、コーヒーを入れる準備をしながら、テレビでは昨日からこのニュースばかりだと話す。

 カウンター席には一人の男性がいて、カウンターに両肘をついて組んだ両手の上にあごを乗せ、顔を伏せるようにして黙ってマスターの話を聞いている。後ろ姿ながら、とても見覚えのあるコートと髪型だなあw。

 マスターが腹立たし気に第4号を逃がしたこと、警察は何をやっているのかと言うと、客がそっと顔を上げる。マスターは客の様子などお構いなしに、ここのところ不祥事続きだとダメ出ししてテレビを消す。客がそっと顔を伏せる。

 マスターが口調を変えて「来ないね、アイツ」と客に話しかける。「雄介の大学時代の友達か何か?」と尋ねられ、客が短く「いや……」とだけ答える。まあ後ろ姿が画面に映った時点でみんな分かるけど、一条刑事だね!

 マスターというか、おやっさんが重ねて一条刑事に「冒険の仲間?」と尋ねてくる。そんなお堅そうな冒険野郎いないと思うけど……ある意味冒険中であり仲間でもあるから、まあいっか。

 おやっさんがしれっと自分の過去話を始める。自分も冒険をしていて、色んな山を登ったと言い、チョモランマの話をするものの、何故かチョモラマンと言ってしまう。チョモラマンと聞いたとたん、パッと顔を上げてしまう一条刑事www

 おやっさんの思い出話は止まらず、一条刑事にエベレストって若い人は知らないか?と問いかけながら、壁にかかった一枚の写真を示す。雪をかぶった険しい山のモノクロ写真である。

 写真の逸話を語るのかと思いきや、エベレストをエレベストと言ってしまう話をしだすおやっさん。一条刑事は再び「いや」とだけ返す。なおもおやっさんは「あんたぐらいの年頃だともう生まれた時からチョモラマンか?」と問いかけ、一条刑事は三たび「いや……」とだけ返す。

 この山の名前間違いのくだり、どこまでが台本で、どこまでがきたろうさんのアドリブなのかと思ってしまうくらいぐいぐい絡んでて、それに対して葛山さんは「いや……」しか言えないの、面白くてニヤニヤしちゃう。葛山さんはよくこれ耐えられたな。絶対NG出しちゃうでしょこんなの。
 ここで流れる打楽器で構成したコント感たっぷりなBGM、これがまたほっこり感を倍増させている。

 取り付く島もない一条刑事の前に、おやっさんが入れたてのコーヒーが入ったカップを置く。カウンターにあった一杯目のカップを片付けながら、おやっさんは「来ないね、アイツ」ともう一度言う。
 時間つぶしにおやっさんが自分の冒険話をしようとした時、入り口のベルが鳴る。

 遅くなったと謝りながら、五代雄介が野菜の入った段ボールを抱えて店内に入ってくる。その声を聴いた瞬間、一条刑事が勢いよく振り返り、やおら立ち上がってほっとしたように「来たか……」と呟く。

 驚く五代雄介。目を丸くして一条刑事を見ている表情がとてもキュート。そのまま五代に歩み寄る一条刑事に、これからいいところだったのにと残念そうに話しかけるおやっさん。
 五代と顔を見合わせてから、おやっさんを振り返り、すまなそうに(でもそれまでとても辛かったのか、ため息を一つ漏らして)頭を下げる一条刑事もとてもキュート。

 店の外。連れ立って歩く二人。歩きながら、五代雄介がわざわざ来てくれたのは何か事件があったからかと一条刑事に質問する。一条刑事はチラッと腕時計を見てから「違う」と言い、ポレポレの駐車場まで来ると、五代が椿のところになかなか行かないから連れて行くのだと告げる。
 駐車場にはトライチェイサーと一条刑事の車が並んで停まっていて、何故かニヤニヤしちゃう。

 「ツバキ⁉」と、完全に何のことかさっぱり忘れてる五代。しばし考え、ようやく体を見てもらうために訪ねろと言われた人物の名前だと思い出す。椿は一条刑事の高校時代の同級生(友人って言わないの何でだw)で、口も固いという。一条刑事が言うなら相当固そうだな。

 車に乗ろうとして、ふと一条刑事が振り返る。「マスターにそれとなく伝えておいてくれ。正しくは、チョモランマだ」
 めっちゃカッコいい顔で振り返って、わざわざ言うことがそれなのかwwwどれだけ言いたかったのを我慢してたんだよwwww

 当然、ハトが豆鉄砲食らったように「え?」となる五代。そのまま一条刑事は何事もなかったかのように車に乗り込む。果たして五代はおやっさんの勘違いをいつか訂正することができるのか?

 ポレポレ店内。
 電話が鳴る。おやっさんが受話器を取り、留守電と同じ口上を述べようとするが、かけてきたのは桜子さんだった。五代がいるかを聞きたかったようだ。タイミングがいいのか悪いのか、店の外からバイクのエンジンをふかす音が聞こえる。

 店の外。出発する車とバイク。遠ざかるエンジン音を聞きながら「惜しいなあ」と残念そうにおやっさんが言う。
 友達と出て行ったこと、行き先が関東医大病院であることを桜子さんに伝え、最後に働かねえと五代の愚痴までこぼしたり、代わりの子を紹介してとか言ってるうちに電話を切られるw

  桜子さんから電話がかかってきた場面、おやっさんの「桜子ちゃん?」「雄介?」などのセリフだけで成立するの、きたろうさんの演技力があってこそだし、その流れで五代と一条刑事の行き先まで視聴者に教えてくれる親切さ、ソレで伝わればいいのだという制作サイドの潔さ(何度目)。

 城南大学の考古学研究室。あっさり電話を切った桜子さんは、おやっさんからの情報を口の中で繰り返す。ハッとして、携帯電話を操作する。
 画面には「一条」の文字。電話をかけるも、ドライブモードのアナウンスが流れてきて、腹立たしげにブチッと切る桜子さん。
 立ち上がって荷物を手にすると、研究室を駆け出していく。桜子さんのパソコンのモニターには、トライチェイサーに乗っているクウガの写真が出ているニュースサイトが開かれていた。

 ここまで見た桜子さんの性格であれば「一条さん」と登録すると思われるので、これもしかして長野で一条刑事が桜子さんの携帯に登録したのかなと妄想してみる。どこにそんな時間があったのか(2度目)。

 さて、怒れる桜子さんはどこへ向かったのか。その2に続きます。

初出:2021年7月29日 2024年5月2日加筆修正
 

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