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嘘日記2(ツー)

皆さま、お元気ですか?Twitterの垢が復活したので、僕は元気です。
息を吐くように140文字で短文を垂れ流すのが、もはや生活の一部と化しているので、呼吸器を取り上げられるとすぐに狂ってしまうんですよね。

まあ、絵本を読んだりお昼寝したりと割と充実した生活をやっていたので、本当はインターネットしないほうが全然幸せな毎日を送っていけるのかもしれない。でもインターネットへの向上心のないものは馬鹿だってKが言ってたし..…
それでは、虚構の日記世界へ..…

・2月4日の後輩ちゃん


朝は8時に起きました。早く起きたからといって別に何かすることがあるわけではないのですが、何時に寝てもだいたいこの時間には目が覚めてしまうので、結果的に早起きになってしまっています。
しかしながら、果たして、惰性的な起床を早起きと呼んでいいものなのでしょうか。わたしが思うに、早起きとはお布団でぬくぬくする時間を代償に、浅い眠りと精神的ストレスの苦痛を伴うことによってのみ達成されうる、理性的自傷行為であると思っているので、そこに自らを律し戒める心がなければそれは単なる惰眠にすぎません。
とはいえ、苦しみのない惰眠は最高ですよね。すぐに布団を被ると、わたしはまた夢の世界へと落ちていくのでした。
二度寝は、衝動的な自殺に似ています。


・某月某日の別の世界線



昼過ぎ、悪夢で目が覚めた。起きると同時に全身の筋肉がひどく強張っているのを感じる。シャワーを浴び、朝食代わりに昨晩から放置された缶ビールに口をつけたが、すぐに吐き出した。身体の中に残留した悪魔が、自分より弱い者を追い出すかのように――明らかな切れ目の症状だ。
今すぐにでも毛布をひっかぶって二度寝と行きたいところだが、あと二時間後には指定場所に向かわねばならない。何をするのにも、ある程度の気力が必要だ。

大きくため息を吐くと、机の引き出しから注射器ーインシュリン注射用の、子供の玩具のようなそれを取り出した。
ポン!と軽快な音をさせ押し棒を引き抜くと、ポケットから半透明のチャック付ビニール袋を取り出す。
細い槍のようなストローで、硝子の破片のような結晶を掬い上げ目分量で注射器に詰めると、水もなしに首へと突き刺した。
血管を突く感覚が伝わってくる。押し棒を引く。一発だ。
「入った。」
悦びに満ちた震え声で独りごち、己の血液のみで結晶を溶かす。
何度も
何度も、押し棒の押し引きを繰り返す。
まだ溶け切っていない氷河がジャリ、という音をさせても構わずに押し込む。
瞬間、全身の毛穴が全開になる。髪の毛は逆立ち、立小便をしたあとの震えを増幅させたような快感の波が押し寄せる。
幼いころに見た花火大会のクライマックス、草野球で打った満塁ホームラン、初めての射精。どんな思い出も打ち消してしまう程の、素晴らしい快楽だ。
注入が完了する頃には、寝起きとはうってかわって力がみなぎっていた。
上着を羽織ると男は勢いよくドアを閉め、欲望渦巻く骨肉の世界へと向かっていった。
ドラッグは、衝動的な自殺に似ている。

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