絶狼〈ZERO〉-DRAGON BLOOD-

本作を含む『牙狼〈GARO〉』シリーズは俳優の殺陣とCGアニメの動きを楽しむ作品である。また、登場人物間での軽妙軽快な台詞のやり取りを楽しむ作品でもある。

第01話「銀狼」
アリスは竜の卵を探している。なお、その卵にはエデルが封印されている。
クガノ(兎型ホラーに変身する)が働いているホテルはホラーの巣であった。なお、彼を演じたモロ師岡(以下敬称略)がいい味を出している。
零はうかつにもアリスに写真を撮られてしまった。

第02話「舞姫」
本作では福岡県北九州市門司区門司港レトロの風景が実に素晴らしい。
魔戒騎士やホラーの存在は公にできないからね。
リリイのマリカに対する劣等感と嫉妬がホラーを呼び寄せて、前者をホラー(植物型兼金属型?)に変えた。実に分かりやすい。
バクラ役のガダルカナル・タカがいい味を出している。
絶狼がホラーを倒すために、わざと捕まるのはお約束である。
零はアリスのためにフィルムカメラを弁償したが、弁償用のカメラは結構高かったのだろうな。いくら零が番犬所から多額の給料をもらっているらしいとはいえ。
オキナ(?)はエデルを復活させようとする一方で、カゴメはその復活を阻止しようとしている。

第03話「拳銃」
ジュンは父親であるハルカワと喧嘩した後家出をし、最後にギャングの「鉄砲玉」に落ちぶれてしまった。こうなってしまった以上、実家に連絡しようがないわな。その結果、因果応報とはいえ、ジュンはホラーになってしまった。
本作が北九州市で撮影されているためか、ギャングが登場するシーンがシャレにならない。
本話では、息子であるジュンと和解したくてもできなかった父親を演じた菅田俊が印象に残った…。ハルカワは余りにも切なすぎる…。その一方で、彼の気持ちを受け止めている零もまた切なすぎる…。アリスがこうした零とハルカワの写真を撮れなかったのは、仕方がないことであり、ある意味当然のことである。
零が甘党であることは意外である。
バクラはアリスから魔戒騎士達に関することを隠そうとしている。魔戒騎士達はいわば「裏の世界の住人」だからね。アリス達「表の世界の住人」に対しては、バクラは彼らのことを秘密にしなければいけないからね。
オキナはエデルを復活させることで、彼に人類を守ってもらおうと考えていた。しかし、エデルは人類を嫌っていた。その結果、オキナはエデルに殺された…。

第04話「竜人」
エデルは人間を本心から憎んでいるがゆえに、人類を根絶しようとしている。竜の卵は彼の子供である。
烈花(元老院付きの魔戒法師に昇格)は籠を使って、竜の卵を封印した。しかし、その卵はエデルが奪い返した。しかし、その直前にアリスが右手でその籠に触ってしまったために、その右手が卵の封印を解く鍵になってしまった。はっきり言って、アリスは関西弁でいう「いらんことしい」である(苦笑)。
アリス(天涯孤独)は強引にバー『ルーポ』に住み着いた(苦笑)。
鎧竜は魔戒騎士の鎧のプロトタイプという感じがする。

第05話「永遠」
アリスは幼少期に偶然拾った竜の卵を世話したことがある。なお、その卵は魔戒法師に持ち去られた。これが、彼女が竜の卵を探す理由である。
その卵が孵化し竜の雛が生まれた場合、その竜は彼女と共存することができたのだろうか、それとも、…。
ルーンシティ(要は北九州市)の海には巨大な女神像が存在している。
20年に一度の夜、女神像に聖火が灯される。この時の女神像と海面に映ったそれが、一羽の大きな鳥に見える。マルコ・ジョゼはその「鳥」を見るために、建物から飛び降りた。その結果、彼は事故死(公式には「自殺」)した。なお、アリスはこの真相を知った。素晴らしい光景に魅せられたためとはいえ、マルコは死んでしまうとはな…。
命がけで人間たちを守ろうとする魔戒騎士(零)と芸術に命を懸ける芸術家(アリス)の対比が、印象に残った。
カゴメはストーカーである。

第06話「籠目」
本話のテーマは、「功を焦ると却って周囲の人に迷惑をかける」と「怪我の功名」である。実際、カゴメは、烈花が作ったアリス用の腕輪の魔力を消し、且つ、アリスを囮として利用することで、エデルをおびき寄せた。その結果、零や烈花達に迷惑をかけた。しかし、バクラの指摘通り、彼らはエデルの居場所を突き止めることができた。
零対カゴメ(強力な結界を張ることができる)の格闘シーンは見応えがあった。
魔戒騎士や魔戒法師の中では、バクラとクレヒが常識人に思える。
カゴメの実家は魔戒騎士や魔戒法師の中では貧乏なので、花の蜜製の傷薬を売ることで生計を立てていた。
オキナが竜を復活させようとしたのは、カゴメが多くの人々を守ることができるようにするためである。しかし、その結果、エデルに瞬殺された。
魔戒法師と雖も一度に多くのものを探索するためには、相当の魔力を必要とする。


第07話「双剣」
エデルの目的は、竜を復活させることで世界を滅ぼすことである。
竜の卵はノヴァによって守られてきた。
アリスはエデルから竜の卵を守ることを選んだ。理由は、エデルが世界を滅ぼすことを防ぐためである。
カゴメは自分の命と引き換えに、エデルを倒した…。
本話では、烈花・カゴメ対義竜融合体、零対エデル、及び、絶狼+魔導馬対鎧竜エデル+使い魔の戦いが見応えがあった。本作を含む『牙狼』シリーズは、俳優同士の殺陣やCGで描写された魔戒騎士対ホラーの戦闘シーンを楽しむ作品だからね。

第08話「写真」
ホラー・ライラがフクダ等の獲物に幸せな思い出を見せた後に、獲物を食べるシーンは悪趣味だわ。しかも彼女のホラー態は、ムカデに似た姿のボストン・テリアにしか見えないし。
魔戒騎士や魔戒法師の墓はなぜ粗末なのかね?
巨大分銅状の斧を剣で受け止める魔戒騎士の鍛錬は非常に無茶である。
零はアリスを傷つけないように「竜の卵を魔界に返す」と噓をついた(実際は、処分されることになった)。しかし、アリスはその嘘に気付いたのかどうかはわからないが、その卵を無断で持ち出し、バー・ルーポを去った。その後しばらくして、その卵から竜の雛が生まれた。
零の夢はアリス達人間の幸せを見届けることである。
零は魔戒騎士として、いや1人の人間として、本名や過去を明かせないからね。

第09話「母性」
アリスは竜の卵から生まれた雛にループと名付けた。アリスとループ(雛の段階でも非常に強い)の関係はほのぼのとしている。なお、魔戒騎士や魔戒法師はループを危険視している。
ホラー・トワコの技は自分の子供(虫型ホラー)を使ったオールレンジ攻撃である。なお、彼女はループの噛ませ犬に過ぎなかった。
ループはトワコの子供を焼き払った後、アリスと共に森に逃げた。

第10話「伝説」
人類がホラーと戦う術がなかったころ、赤ん坊がホラーの生け贄となった。その赤ん坊は竜(死に際に1個の卵を産む)に救われ、エデルと名付けられた。それ以降、エデルは竜から、ホラーを倒す技術等を学んできた。竜騎士として人類を守ってきた。なお、その竜は死に際に、卵を産んだ。
エデルはその卵からかえった竜にノヴァと名付けた。エデルとノヴァは番になり、後者は死に際に卵を残した。この卵からかえった竜がループである。
子供時代のアリスは孤児ゆえ周囲から疎外されてきた。そんな彼女が竜を拠り所にするのは仕方がないか。だからと言って、ループを救うためとはいえ、自分の血を飲まそうとしてはいかんだろ。バクラが「(アリスは)竜に取り憑かれた」と言うのは当然だわ。
零はアリスを「竜の呪縛から解き放とう」としているが、これは、竜を自分の拠り所としている人間の実存を砕くことを意味する。ということは、アリスは「抜け殻になる」のかもしれない。

第11話「神殿」
人類はホラーと戦う術を得るためには、竜の力が必要であった。その結果、ノヴァはその犠牲になった。そして、エデルは人間を憎むようになった。
ノヴァは今際の際にエデルと竜の卵(後のループ)を封印することで、彼らを守った。
アリスというメンヘラ女を黙らせるためには、演技とはいえ烈花は零とキスしなければいけないわな。
花罪は再生できるのね。
零とエデルの実力は互角である。
「生みの親より育ての親」ということで、ループはエデルではなく、アリスに従うことになった。竜の力は強大だから、屈強な意思の持ち主でも従わせることは難しい。アリスの様なメンヘラ女が竜のパートナーになれるとは思えない…。

第12話「微笑」
本作のテーマは「孤立は人を狂わせる」と「行動力があるメンヘラは非常に厄介」である。
アリスは子供の頃に両親を失い、児童養護施設に預けられた。彼女は施設内外でも孤立していた(実際悪ガキ共に虐められてきた)ので、世界を憎み続けていた。
彼女は竜の卵(後のループ)に会うことで、竜がこの世界を滅ぼした後に生まれる美しい世界(植物が多い)を見たいという気持ちを抱くようになった。
また、竜の卵について調べているうちに、ホラーや魔戒騎士に関することも知るようになった。そして、零達を利用することで、竜の卵に近づいた。
彼女は最終的にループの養母になり、ループに一旦取り込まれることで竜騎士としての力も得た。実際、彼女は烈花に重傷を負わせた。
アリスは無自覚に花を踏みにじる人間に憤っていたが、ループの養母になった時に無自覚に花を踏みにじってしまった。このシーンに皮肉を感じる。なお、彼女にとって、人間は「どうでもいい」存在である。
翼が生える前のループの力は、絶狼+銀牙のそれと互角である。
エデルは烈花の噛ませ犬になってしまった。エデルと雖も、再生したての器官、具体的には左腕は弱いらしい。

第13話「世界」
本話でも戦闘シーンは見応えがあった。特に、心滅獣身・絶狼(いわゆる暴走形態)対ループの戦闘シーンは非常に見応えがあった。だからこそ、「零を救いたい」というアリスの想いに応えたループと烈花が零(本名は銀牙)を正気に戻すシーンに胸を打たれた。
バクラの右腕はなぜか、アルベルト・ハインリヒ『サイボーグ009』のそれを連想させる(前者では魔導筆が、後者ではマシンガンが、それぞれ内蔵されている)。
アリスは零に出会うことで、炎でルーンシティを焼き尽くそうとしたループを止め、暴走した彼を正気に戻し、そして、死に際に「本当に見たかった景色として」彼の姿を見ることができた。客観的に見れば、彼女の生涯は悲惨に見えるだろう。しかし、彼女自身は悔いのない人生を送れたのかもしれない。
竜は死ぬと森になるが、ループとアリスは森だけでなく種(ウズラの卵並みの大きさで、形は竜の卵のそれに似ている)も残した。
エデルは自分が竜であることに固執したまま死んだ。

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