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アニメージュとジブリ展訪問記

2022年01月03日、私は阪急うめだ本店 9階阪急うめだギャラリー・阪急うめだホール(以下同会場)で開催されているアニメージュとジブリ展(以下同展)に一般客として参加した(図01、1、2)。

図01.アニメージュとジブリ展。

同会場とアート・ステージには、鈴木敏夫(以下敬称略)が「アニメージュ」(以下同誌)編集者として活躍していた時期(1970年代末~1980年代)の同誌表紙が展示された(図02,3)。

図02.「アニメージュ」表紙。アート・ステージに展示されている。

私は同誌表紙や同誌関連資料から、同誌の歴史を痛感した。

余談だが、編集者時代の鈴木の校正リスト、映画の宣伝方針、スケジュール表、スタジオジブリの会社設立案・運営方針、ならびに、キャラクターグッズのための下絵などは、プロアマ問わずライター向けの教科書/参考書として、有用だと考える。実際、1970年代末~1980年代は、原稿などは主に筆記用具で書かれていたので、誤字・脱字の訂正すら難しかったからね(3)。

同誌はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』に注目し、かつ、全面的に応援した。この時点で、同誌読者は同誌から、アニメ作品と同様に、その「作家」らに注目するようになった。

言い換えれば、『機動戦士ガンダム』は、同誌やその読者に大きな影響を与えたわけである。

なお、同展では、『機動戦士ガンダム』のジオラマが展示されていた(図03~04、3)。

図03.「ガンダム大地に立つ!!」。 2021年制作。旧ガンダムプラモデルで制作されている。
図04.「ラストシューティング」。2021年制作。旧ガンダムプラモデルで制作されている。

同展では、同誌の付録が多数展示されたが、これらが同誌の歴史を痛感させた(3)。

鈴木は同誌編集を通じて、高畑勲と宮崎駿の両者と出会った。鈴木は同誌1981年08月号で、宮崎駿監督の31ページにもわたる大特集を掲載したことを契機に、一気に高畑と宮崎らに寄りそう路線をとることを宣言した。

そして、鈴木は副編集長→編集長を務めるかたわら、『風の谷のナウシカ』、『火垂るの墓』、および、『となりのトトロ』などの高畑・宮崎作品の製作に関わってきた。

1985年にスタジオジブリの設立に参加し、1989年からスタジオジブリ専従である(図05、3、4)。

以後ほぼすべての劇場作品のプロデュースしてきた。現在、株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサーを務めている。

図05.スタジオジブリの設立へ。

『風の谷のナウシカ』では、風使いの腐海装束(図06、5)と朽ちゆく巨神兵(図07、6)が展示された。いずれも竹谷隆之が監修・制作した。

図06.風使いの腐海装束。
図07.朽ちゆく巨神兵。

また、映画館 御成座(7)の『風の谷のナウシカ』の看板(図08)や今野梱包株式会社(8)製作のダンボール製「王蟲」(図09、9)が展示されていた。

図08.映画館 御成座の『風の谷のナウシカ』の看板。
図09.今野梱包株式会社製作のダンボール製「王蟲」。

『天空の城ラピュタ』では、ラピュタ城(図10)、ならびに、パンフレット、チラシ、および、味の素株式会社の清涼飲料水「ライトフルーツソーダ 天空の城ラピュタ」などが展示された(図11)。

図10.ラピュタ城。
向かって右上に、フラップター(?)が確認できる。
図11.『天空の城ラピュタ』のパンフレット、チラシ、および、味の素株式会社の清涼飲料水「ライトフルーツソーダ 天空の城ラピュタ」。
いずれも、『天空の城ラピュタ』が公開された1986年を感じさせる。

『となりのトトロ』(図12)や『魔女の宅急便』(図13)のポスターも展示された。

図12.『となりのトトロ』のポスター。
図13.『魔女の宅急便』のポスター。

また、ワンダー・シップ号のコマーシャル・フィルム撮影用ミニチュアも展示された。なお、この船は1984年に宮崎がデザインした空中客船で、マクセル株式会社のビデオカセットテープ「NEW GOLD」シリーズの広告に登場した(図14、10)。

図14.ワンダー・シップ号のコマーシャル・フィルム撮影用ミニチュア。
写真がピンボケしてしまったことをお詫び申し上げる。


私は同展を介して、同誌やスタジオジブリの実績や歴史を知ることができたことを、嬉しくかつ有り難く思う。

参考文献

1 株式会社 スタジオジブリ.“アニメージュとジブリ展 ホームページ”.https://animage-ghibli.jp/,(参照2022年01月08日).

2 株式会社 阪急阪神百貨店.“アニメージュとジブリ展”.阪急うめだ本店 トップページ.催しスケジュール.https://www.hankyu-dept.co.jp/honten/h/gallery_animage_ghibli/index.html,(参照2022年01月08日).

3 株式会社 スタジオジブリ.“見どころ”.アニメージュとジブリ展 ホームページ.https://animage-ghibli.jp/highlight/,(参照2022年01月08日).

4 株式会社 スタジオジブリ.“鈴木敏夫について”.アニメージュとジブリ展 ホームページ.https://animage-ghibli.jp/about/#suzukitoshio,(参照2022年01月08日).

5 株式会社 MANTAN.“風の谷のナウシカ:竹谷隆之監修の風使いの腐海装束 マスク、蟲笛も 「アニメージュとジブリ展」に”.MANTANWEB ホームページ.ニュース一覧.記事.2021年04月15日.https://mantan-web.jp/article/20210415dog00m200017000c.html,(参照2022年01月08日).

6 株式会社 中日新聞社.“<月刊ジブリパーク> クリエート!(1)「風の谷のナウシカ 王蟲の世界」手掛けた造形家・竹谷隆之さん”.中日新聞Web ホームページ.文化・エンタメ.ジブリの話題.2021年08月27日.https://www.chunichi.co.jp/article/280191,(参照2022年01月08日).

7 御成座.“御成座 ホームページ”.http://onariza.oodate.or.jp/,(参照2022年01月08日).

8 今野梱包株式会社.“今野梱包 トップページ”.http://www.k-konpo.co.jp/,(参照2022年01月08日).

9 株式会社 スタジオジブリ.“地元コラボレーション企画として製作されたダンボール製の #王蟲 が登場! 地元企業の #今野梱包 さんにより作られました。素晴らしいですね。是非写真を撮ってください。 会場出口付近に待ち構えていますよ。  #アニメージュとジブリ展 #石巻 #マルホンまきあーとテラス #ジブリ #ナウシカ”.【公式】アニメージュとジブリ展.2021年06月19日.https://twitter.com/animage_ghibli/status/1406112654075203595,(参照2022年01月08日).

10 マクセル株式会社.“『「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった』にて1984 年のマクセルの広告に登場した「ワンダー・シップ号」を展示”.マクセル ホームページ.ニュースリリース・お知らせ.2021 年04月15日.https://ssl4.eir-parts.net/doc/6810/ir_material20/157544/00.pdf,(参照2022年01月08日).

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