エンジェル・ハート まとめ

第01話
本作はアニメ版と比較して、キャラクターの表情は抑え目だが、話の展開はスピーディーだった。
獠、香瑩、および、冴子は原作に忠実である。その一方で、香とファルコンは若干細いような。なお、筆者はBro.TOM(ファルコン役、以下敬称略)を見ていると、『お笑いスター誕生!!』の『お巡りさんコント』を思い出してしまうw。
喫茶店「CAT'S EYE」のおかまの常連客役として、山寺宏一と戸塚純貴(奈良瞬平『仮面ライダーウィザード』役)が出演しているのには驚いた。
小宮山忍は一般人代表である。
竜雷太の貫目ゆえ、李堅強には秘密結社「レギオン」首領としての迫力があるね。原作・アニメと同様に、台湾マフィア正道会の正龍頭(大ボス)という設定にできないのは仕方がないか…。
本作は全体的には優れている。なお、本作の予算は、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズのそれの何倍か気になって仕方がないw。

第02話
本作は『CITY HUNTER』(原作・アニメ)の平行世界の話であることは理解している。しかし、本作を見ていると、どうしてもアニメ『CITY HUNTER』のエピソードを思い出してしまう。特に、槇村秀幸の死の場面を見ていると…。
本作は、「漫画原作のドラマは原作を忠実に再現することで良作になる」の典型例だね。実際、本話から、香とファルコンは原作を忠実に再現しているしね。特に、葛山信吾は槇村秀幸そのものだし(一条薫『仮面ライダークウガ』の面影は全くない)!
香瑩が良い意味で人間らしさを取り戻すシーンを、獠が人間らしさを取り戻すシーンを重ね合わせる演出は見事である。
おかまの常連客はウザ可愛いキャラだわ。
信宏は良い子だが軽率である。
余談だが、個人的にはアニメ版であれ実写版であれ『エンジェル・ハート vs 名探偵コナン』が見たいね。いずれにしても『名探偵コナン』側の主人公が江戸川コナンか工藤新一で話の展開が大幅に変わると思う。
アニメ版:両作共トムス・エンタテイメントが製作しているから問題はないと言いたいところだが、神谷明と小山力也は互いに気まずい思いをしそうである。獠はコナンと絡むことになる。
実写版:獠は新一(溝端淳平が演じると思われる)と絡むことになりそうである。

第03話
本話も原作を忠実に再現してくれるのはありがたい。
ファルコンが失明した原因は、『CITY HUNTER』と本作では異なるらしい。
ファルコンは絵本の内容に感動したが、この時彼は何を見たのか?
ファルコンの様な強面が絵本売り場にいれば、誰でもビビるわな。
李堅強が直接ファルコンを調査するとは。
ミキは原作・アニメでは地下街跡に住んでいたが、実写では老朽化したテナントビルに住んでいた。こうした変更は仕方がないね。
本作の世界では仕方がないとはいえ、冴子が只のおばさんになってしまった…。

第04話
ミキは原作・アニメではファルコンに引き取られたが、実写では児童養護施設に入所することになった。こうした変更も仕方がないね。
冴子が只のいじられキャラになっているわ。
本話は、高畑稔(倉本沙織の心臓が移植されている)が倉本彩菜の実家を結果的に救う話である。なお、本話は「心臓の記憶」をテーマにした医学系ファンタジーなのだよね。
高田里穂には藤堂志摩子『マリア様がみてる』や泉比奈『仮面ライダーOOO』の面影がないね。
ぼったくりバーごときが獠に喧嘩を売っているんじゃねーよw。
李堅強の秘策とは?
高畑稔の台詞「今日一日を大事に精一杯生きろ!!自分にも他人のためにも!!」は名言だと思う。

第05話
基本的には原作通りであるが、原作と比べて簡略化・改変されている。
白蘭と信宏のCAT'S EYEでの再開のシーンでは、原作では2人しかいなかったが、ドラマでは獠も同席していた。
白蘭は原作では部隊所属を示すバッジを信宏に返したが、ドラマではそのシーンがない。
白蘭は、原作では隼鷹会が運営する地下違法カジノのディーラーとして潜入していたが、ドラマでは早川の身の回りの世話役、というか完全に娘の代わりになっている。
ドラマ オリジナルのシーンとして、獠は早川が白蘭を本当の娘のように扱っていることを知ったとき、帰宅する途中に公園で家族の絆について家出少女に語る香の姿を思い出すシーンが追加された。
白蘭が隼鷹会に潜入した目的の情報源は、原作では陳侍従長(信宏が直談判)だが、ドラマでは冴子(獠が訪ねた)である。
香瑩は原作では信宏をハンマーで気絶させたが、ドラマでは催眠術で眠らせた。ハンマーで相手を殴るのは漫画・アニメだからできる方法だからね。それに、ドラマは非常にシリアスな話だからね。
香瑩は原作では単独で(十分に成長している)早川に白蘭について尋ね、かつ、単独で白蘭と会話したが、ドラマ(コミュニケーションがおぼつかない)ではいずれのシーンでも獠と同行した。
白蘭は原作では携帯電話のメールのみで組織と連絡していたが、ドラマではカリート(ドラマ オリジナルキャラ)自らが会いに来ていた。
早川が白蘭に形見として送ったプレゼントは原作では指輪だが、ドラマではネックレスになった。女性は20歳の誕生日のプレゼントとして貰ったとしても、指輪は着けないだろうがネックレスは容易に着けることができるためと思われる。
生き残った後の白蘭は原作では南の島で新しい暮らしを始めていたが、ドラマでは早川の故郷の町で暮らしていた。これはロケーションの都合である。
本話から漫画の実写化は困難な作業であることを改めて思い知らされた。こうした困難な作業をやり遂げている本作のスタッフ・キャストに敬意を表する。
早川の演者はドラマでは岩城滉一(どう見ても「本職」にしか見えないw)が演じたが、アニメでは立木文彦が演じた。ということは、岩城滉一がマルでダメなオッサンを演じても違和感がないということかw。

第06話
遠山一真は「家族や周囲の人から無視されてきた」人である。この種の人は歪んだ愛情かルサンチマンを肥大させた挙句、ストーカーなどの犯罪者か安っぽいデマゴギーになる。この種の人を救うには愛が必要なのだろうが、もう遅すぎた…。
冴子が「両親から見捨てられた」遠山を気遣ったために、遠山が犯罪者になってしまったことに皮肉を感じてならない。
遠山は原作では売れっ子ゲーム クリエイターである一方、ドラマでは只の逃亡犯で進行肝硬変(逃亡によるストレスから逃れるために酒浸りになったためか?)を患っていた。また、原作では獠に狙撃されたが、ドラマでは冴子に逮捕された(けど肝硬変のせいで長くは生きられない)。
遠山の設定は、自主規制(射殺シーンは放送されにくい)などにより原作とは大きく異なった。しかしそうなった結果、本作の主題である「家族愛」が強調されたのもまた事実。
ミキを遠山に攫われるという失態を犯した信宏はアホだろ!
遠山を抱きしめた冴子が只のオカンになってしまった…。『CITY HUNTER』世代の私にとって、彼女は「いい女」の代名詞なのに…。演者の演技が巧みだから余計に…。
冴子が遠山を抱きしめたことで彼の心を救ったのが、遠山にとってはせめてもの救いか…。
余談だが本話を見て、何故か『ケータイ捜査官7』第40話「桐原とサード」を思い出した。もっともこちらは、桐原大貴(主要人物の1人)はアカツキ(桐原の家族を殺した)を救うことはできなかったが…。

第07話
アニメでは、茅野夢を川澄綾子が演じ、高波遥(夢の後見人)を湯屋敦子が演じた。
夢は原作・アニメではヴァイオリニストだが、ドラマではピアニストである。
仕事とはいえ茅野を殺した香瑩は辛かったのだろう。本当に裏社会の住人の生活は非常で不条理だね。
獠は高波遥(演.松本若菜『仮面ライダー電王』)を見て、「もっこり美女キタ――(゚∀゚)――!!」と言ったが、そこにキャストやスタッフによる原作への愛を見た。
茅野(マッド ドッグ)が夢を育てた理由は、彼なりの夢の実の両親に対する罪滅ぼしである。だからと言って、彼の所業が許されるわけではない。実際、夢の実の両親を殺した理由がわからないし。
風間雅臣(ドッグ ウォーカー)は自分の手を汚さずに、夢に香瑩を殺させようとした。子供に銃を持たせるなんて狡猾な外道である。
獠は香瑩を守るためとはいえ、夢の銃口を自分に向けさせたが、これが彼の覚悟である。もっとも、こうでもしなければ、夢を救えなかったのもまた事実だし。実際、この時の夢の演者の演技も鬼気迫るものがあったしね。
それにしても、獠達の目の前で風間を殺すなんて、カリートは空気が読めないね(苦笑)。
夢は遥の養女となり外国へ留学することになった。日本には辛い思い出があまりにも多すぎるからな…。
本話のテーマは、自分がかつて犯した悪行とどのようにして向き合うかということである。

第08話
モッチーは、演者が沖縄県出身だから沖縄ネタが多い。
ロッコが奈良瞬平『仮面ライダーウィザード』にしか見えない。これも演者である。
信宏は頭に血が上ったせいか、他の人間を犠牲にしてもレギオンに誘拐された香瑩を救おうと言った。そんなのだから、ミキは信宏を弟と見なすわけである。
小宮山は相変わらず空気が読めないねぇ。
冴子でさえもレギオンを恐れている。本作は現実的な作風だから、正木俊介『特警ウインスペクター』の様な英断は下せないからなぁ。実際、新宿西警察署の警察官はレギオンに対して無力だからね。
カリートの妹は、レギオンと対立している組織が仕掛けた爆弾によって爆死したのか?
香瑩の中の香がカリートに説得しているシーンを見ていると、香が香瑩の幽波紋(スタンド)『ジョジョの奇妙な冒険』にしか見えない。
獠達が香瑩を救出する直前にウィスキーを飲むシーンがあるが、そのウィスキーの商標が「銀狐」(『CITY HUNTER』に登場した殺し屋)と言うのは芸が細かい。
獠達vsレギオンの戦闘シーンは燃える。しかし、爆破シーンは原作・アニメと異なり、香瑩が監禁されている部屋や李堅強の部屋にまで聞こえる爆音でごまかされた。要は、爆破シーンは明確に描写されなかった。せめて、CGを使って描写してほしかった。
本作を貶すことになってしまうが、爆破シーンを明確に描写しているスーパー戦隊シリーズや『仮面ライダー』シリーズの方が良心的に思える。

第09話
原作・アニメと同様、獠が李堅強(香瑩の実父)と和解し、香瑩を引き取った。
堅強は香瑩に対する愛情とレギオンの首領としての責務の間で葛藤していたわけか。
獠と堅強の会話シーンは、演者がベテランのためか、非常に重みがある。その一方で、スーパー戦隊シリーズや『仮面ライダー』シリーズの主人公は若手・新人が演じているために、演技が軽い。だからこそ、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』が示す通り、ベテラン脇役俳優が若手・新人を指導しているのである。
信宏が懐に金属製トレーを入れたことで無事生き残ったのはお約束w。
結局カリートの生死は不明。
SATの面々は只の雑魚(苦笑)。
ホーリーは信宏よりも強いことには驚いた。
獠は香に指輪を渡し、かつ、ウェディングドレスを着せることができなったことを後悔していたわけである。しかし、指輪をネックレスにして香瑩に渡すとは粋なことをするね。
『CITY HUNTER』ファンである私にとって、香瑩が100tハンマーを使ったのは非常にうれしいw。
原作・アニメのイメージを極力壊さずに、実写版を作り上げたスタッフ・キャストに筆者は敬意を表する。
余談だが、個人的には上川隆也が演じる悪の仮面ライダーが見たい。

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